奈良市が犬猫殺処分ゼロ!3年連続で達成できた取り組みとは【ニュース】
家族の一員として迎えられ幸せな一生を送る子がいる一方で、さまざまな理由から引き取り手もなく、行政による殺処分で命を奪われてしまう子たちも多く存在します。 愛犬・愛猫家であれば、殺処分が行われている現実に心を痛めている方も多いでしょう。 近年は動物愛護の観点より、殺処分を減らす取り組みが各自治体に求められています。 その中でも、奈良県奈良市では「犬猫の殺処分ゼロ」を目標に掲げており、その成果は令和元年度に殺処分数「ゼロ」を達成し、令和2年度、3年度と3年連続で殺処分「ゼロ」を達成したことがこの度、発表されました。 かつては収容・殺処分とも多数 かつては、奈良市でもワンちゃん・ネコちゃんの殺処分件数は少なくなく、平成20年度には捕獲や引き取り、負傷救護などで826頭を収容、59頭を返還し、4頭を譲渡、102頭が自然死・安楽死を迎えましたが、663頭は殺処分されていました。 しかし、この10年前後で引き取りなどによる収容数を大幅に減らし、一方で譲渡は100件超えにまで増加させて、着実に殺処分ゼロへの道を歩んできています。 平成27年度には、殺処分が初の2桁となる43頭にまで減少、翌28年度には10頭未満となる8頭、30年度についに1頭となり、令和に入ってからはまだ1頭も、殺処分のケースは生じさせていません。 最新の令和3年度データでは、捕獲数は6頭、引き取り数で138頭、負傷救護で36頭と、収容となったワンちゃん・ネコちゃんの数も180頭まで減少、22頭は返還、136頭を新たな飼い主さんへと譲渡した結果になっています。 保護犬・保護猫の引き取り数減少や、新しい飼い主さんへの譲渡機会拡大など、行政のみならず、市民や民間事業者、動物愛護団体などと協力し、官民一体となって取り組んできた成果で、令和元年度から3年連続での「殺処分ゼロ」を実現させています。 ここに至るまでの道のりは平坦でなかったと推察されますが、平成27年3月には譲渡ボランティア制度を開始、平成29年5月には譲渡動物不妊去勢手術補助金制度を、平成30年4月には犬猫パートナーシップ店制度、預かりボランティア制度、譲渡ボランティア協力者謝礼制度などを導入しました。 令和3年4月には、TNR活動支援ボランティア協力者謝礼制度や、負傷動物医療事業、譲渡ボランティア医療費補助金制度を始め、さらに取り組み体制を強化しています。 TNR活動とは、飼い主さんがいない、いわゆる野良猫となっている子を、捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)を行って、元の場所に地域猫として戻す(Return)ものです。 ふるさと納税の寄付金も有効活用 主な取り組みとしては、繁殖能力が高く、保護収容ケースを生みやすいネコちゃんについて、これ以上不幸な子を増やさないよう、飼い主さんのいないネコちゃんへの不妊去勢手術費で上限12,000円の補助金交付を実施、TNR活動を進めています。 縄張りが保たれるため、新たなネコちゃんがやってきてしまう問題も少なく、たとえ飼い主さんがいなくとも、市民が支え合うことで、その子は地域猫として一生を終えられるというメリットがあります。 さまざまな取り組みを進めるには、やはり費用がかかりますが、奈良市では令和2年6月に、ふるさと納税の寄付メニューに「犬猫殺処分ZEROプロジェクト」を追加、翌年度から事業費用として充当してきています。 賛同する方のふるさと納税寄付金が、補助金やその事業運営費などとして活かされ、殺処分ゼロの実現を支えるもとのひとつになっているのです。 令和3年度には、同プロジェクトに寄せられた寄付金、総額2,696万円の一部が、不妊去勢手術の補助金、ボランティアへの支援などに活用されました。…
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