健康維持やストレス解消、社会性を身に付けるなどの理由から毎日の散歩は欠かせないものですね。
ワンちゃんは素足で地面を歩き砂や泥などで汚れるため、帰宅時には入室の前に足裏を洗ったり拭き上げているという飼い主さんが多いでしょう。
しかし、じつは室内を汚さない以外にも足裏を拭く理由があることをご存知でしょうか。
今回は足拭きの必要性はもちろん、ワンちゃんが足拭きを嫌がる理由、スムーズに足拭きを行うコツについて解説します。
ワンちゃんの足は直接地面に触れるため、道路の排気ガスやほこり、泥などによる汚れなどを踏みながら歩いています。
そのまま家に入ってしまうと家の中や愛犬の生活環境が汚れてしまうので、足を清潔にしなければなりませんね。
路上や地面には汚れだけでなく、ワンちゃんの健康を脅かすものが潜んでいます。
愛犬と家族の健康を守るためにも、なぜ足拭き&足洗いが必要なのか次の理由をチェックしておきましょう。
道路などはワンちゃんだけでなく野生動物や鳥などの排泄物のほか、人がトイレに入った靴で歩いている場所でもあります。
さらに水たまりや土壌の中には、菌やウイルスが潜んでいます。
これらがワンちゃんの足の裏に付着し舐めてしまった場合、感染症などを引き起こす可能性も。
そのため、感染症を予防するという面で足を清潔にすることはとても重要です。
散歩中に靴を履かない子の場合、地面に落ちているプラスチックやガラスの破片、尖った石などを踏んで足の裏を傷つけてしまうこともあります。
また、夏場に傷がないのに痛がる場合は、高温になったアスファルトで火傷をしている可能性も。
肉球の間に植物や木材の棘が刺さっていたり、小石や植物の種、虫が挟まっていたりすることもあります。
足のお手入れが怪我をしていないかのチェックにもなりますよ。
河川敷の草むらや田畑のあぜ道などには、農薬や除草剤、害虫駆除剤などの毒物が付着していることがあります。
不自然に草が枯れている場所は歩かせないようにしましょう。
また、薬剤を踏んだ足裏を舐めてしまうと少量でもワンちゃんの命に関わるほど危険です。
室内に上がる前にしっかりと綺麗にし、危険な物質を除去してあげましょう。
ワンちゃんの肉球は、歩行や着地時にクッションとなって地面から受ける衝撃を吸収したり、触覚器官としての役割を果たしたりする、非常に感覚が鋭い部分。
そのため、たいていのワンちゃんはむやみに足裏を触られるのが苦手で、足拭きや足洗いをを嫌がる子も多いでしょう。
力を入れて足を触られるとストレスを感じ、唸ったり噛もうとしたりすることも。
嫌がる場合は決して怒ったり無理に強く拭いたりせず、足を拭かれることは気持ちいいことだと思えるように、常に明るく穏やかなトーンで声をかけながら優しく拭くことが基本です。
また、足を洗う際に水音や水圧への恐怖からシャワーを怖がる子もいます。
そういった場合にはお湯を張った桶に足を入れて洗ってあげるといいかもしれません。
綺麗にさせてくれたらほめてご褒美をあげるなどの「ポジティブ・トレーニング」で、足を拭かれることは楽しいことだと思えるようにして慣れさせましょう。
毎日のことなので足のお手入れは出来ればスムーズに行いたいですよね。
そこで足の拭き方&洗い方と足拭きグッズを紹介します。
雨や雨上がりでなければ、必ずしも散歩後に足を洗う必要はありません。
あまり洗いすぎると足裏の常在菌や脂を落としてしまって、かえって肉球を痛めたり、水洗いの後に乾ききっていない部分から菌が繁殖して皮膚疾患を起こしたりすることも。
舗装されている歩道などの散歩であまり汚れていないようであれば、濡れタオルやウェットシートで足先を包むように拭く程度で十分です。
肉球の角質の流れに沿うように拭き、指の間や水かきの部分もチェックしながら仕上げます。
ウェットティッシュは必ずノンアルコールのものを選びましょう。
雨の日や汚れがひどい場合はぬるま湯か水で洗い、マイクロファイバーなどの吸水性の高いマットに乗せ、水気はしっかり拭いて完全に乾かしましょう。
乾ききらない状態で過ごしてしまうと蒸れて雑菌が繁殖してしまい、足の匂いの原因やひどい場合には皮膚炎を引き起こしかねません。
近年、さまざまなワンちゃん用足拭き、足洗いグッズが販売されるようになりました。
簡単に汚れを落とすだけでなく、雑菌を除去できるものなどもあります。
・拭きとりフォーム:泡で汚れを取る専用拭き取りフォーム。植物由来の除菌成分やうるおい成分配合のものや、肌に優しい低刺激タイプなどのものも。水で洗い流す必要がないので簡単。
・足拭きスプレー:除菌や抗菌効果があるスプレーで洗うので、完璧に乾かさなくても良く便利。
・犬用ウェットシート:舐めても安心のアルコールフリーのウェットシート。使い捨てで、さっと取り出して使えるので便利。ココナッツオイル、ホホバオイル、アロエなどが配合されているような商品もあります。
・足洗カップ:足を1本ずつ入れて洗うカップ。中に水を入れたカップに足を入れ、回転させると中のシリコンブラシが汚れを落とすというもの。ドッグランなどに行く際に携帯しておくと便利(常在菌や脂を落としすぎる可能性があるため、日常使いはおすすめできません)。
愛犬の体を清潔に保つことは大切ですが、足を毎日水で洗ったり、ゴシゴシ洗いは禁物です。
やりすぎると、肉球表面の脂分がはがれてしまい、傷つきやすくなったり、炎症を起こしたりすることがあるので注意しましょう。
また、嫌がっているのに無理やり足拭きをしようとすると、ストレスになったり信頼関係が崩れたりすることも。
叱ったりせず、愛犬には「こうしてほしいな」と優しく教え、できたら大袈裟にほめてあげましょう。
そうすれば、ほめられた行動を自らするようになってくれます。
この記事はいかがでしたか?みんなにシェアしていただけると嬉しいです♪
ブッチ・ジャパンによる愛犬・愛猫との毎日を応援するペットのためのコラムページ『PECOLA(ペコラ)』。犬・猫に関する豆知識や、ペットの健康・しつけなどのお悩みに関する情報をご紹介します。