2月3日は鬼を追い払い、新年を迎える行事「節分」として知られていますね。
節分恒例の豆まきが始まると、喜んで一緒に走り回るワンちゃんも多いでしょう。
節分でまいた豆をワンちゃんが拾い食いしてしまうこともありますが、ワンちゃんが煎った大豆を食べても大丈夫なのか、心配になった飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「ワンちゃんは豆類を食べても大丈夫なのか」「節分の豆まきの際に気をつけること」などを紹介します。
豆類には、ワンちゃんの体にも必要な植物性タンパク質、カルシウム、カリウムなどの豊富な栄養素が含まれています。
とくに納豆や豆腐などの大豆加工製品はワンちゃんの体に良いものが多く含まれているので、適量であれば食べても大丈夫です。
大豆加工食品は消化しやすい上、活性酸素の除去、炎症作用やがん細胞の増殖の抑制などの効果があるとされていますので、ワンちゃんのアンチエイジング効果も期待できます。
家庭でも、豆類を柔らかく煮たり、すり潰したりするなどしてトッピング程度に与えるのが良いでしょう。
豆類はワンちゃんの健康を助ける効果がありますが、節分豆のような加工されていない豆を食べる場合、数粒程度に留めた方が良いでしょう。
豆をワンちゃんにあげる際には、以下のような危険がありますので注意が必要です。
パピーや小型犬のように喉や食道が狭かったり、シニア犬になって嚥下(えんげ)機能が弱ったりしている場合などは、豆を喉に詰まらせてしまう危険があります。
もし詰まらせてしまった場合、すぐに処置しないと窒息の恐れがあるので、与える際は十分な注意が必要です。
ワンちゃんはもともと肉食動物であり、雑食動物へと進化した後も豆類の植物性タンパク質の消化吸収が得意ではありません。
ですから、加工されていない豆類を食べると消化不良や下痢を起こすことがあります。
また、節分で使用するような、乾燥した豆を食べすぎてしまうと、 豆が胃の中で膨らみ、発酵して胃拡張や胃捻転などを起こす危険があります。
節分では大豆を用いる方が多いでしょう。
ごくまれに、大豆アレルギーを持っているワンちゃんがいます。
豆を食べた後に下痢や嘔吐、発疹、呼吸困難などの症状が出た場合は、アレルギーが疑われます。
アレルギー体質や体調によっては、強いショックを起こすことも考えられますので、愛犬の体調がいつもと違うと感じたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。
生の大豆には、消化酵素を阻害する「トリプシン・インヒビター」と言う成分が含まれているので、生で与えてはいけません。
しかし加熱処理や発酵させた場合この成分はなくなりますので、節分の煎り豆はワンちゃんが口にしても大丈夫なようです。
よって自宅で作る場合は、十分に豆に火を通しましょう。
また、大豆には「グリシニン」という成分が含有されているのですが、これは鉄分の吸収を阻害するため、貧血気味のワンちゃんには有害になります。
愛犬の体調・体質によっては、大豆を与えるのは避けたほうが良いでしょう。
ワンちゃんにとって大豆は体に良いものですが、与えすぎは厳禁です。
与える適量の目安が体重別にありますので、愛犬の体調なども考慮して参考にしてください。
1Kg:3粒
3Kg:7粒
5Kg:10粒
10Kg:17粒
15Kg:23粒
20Kg:30粒
30Kg:40粒
40Kg:50粒
ただし、この目安は大豆の水煮の場合ですので、煎り大豆の場合はもう少し減らしたほうが良さそうです。
食いしん坊のワンちゃんの場合は、節分豆を市販のワンちゃん用の卵ボーロや、ドライフードなどにまぜてあげるというのも良いですね。
節分の豆まきの際、ワンちゃんが豆を食べすぎて体調不良を起こさないようにするためにも、以下のことに注意をしましょう。
自宅内で豆まきをする際、床の上に落ちた節分豆を食べすぎたり、喉に詰まらせたりさせないよう、愛犬から目を離さないようにして下さい。
豆まき中は愛犬を抱っこしておくのもよいかもしれませんね。
楽しい豆まきですが、その雰囲気に興奮してしまったり、床に落ちた豆をすぐに食べてしまうなどどうしても制御が難しいワンちゃんの場合は、残念ですが安全のためにも別室などで待機させて、愛犬の前では豆まきをしないようにしましょう。
豆まきが終わった後はしっかりと掃除をして、落ちている豆がないようにチェックをしてから部屋から出してあげてくださいね。
豆まきをする節分の翌日には、道路などに節分豆が落ちている可能性があります。
散歩の時に、愛犬が道路に落ちている豆を拾い食いしてしまうなんてことも。
2月3日以降はしばらく散歩コースの地面に気をつけるようにしましょう。
愛犬も家族の一員ですから、1年の無病息災を祈る行事は一緒に楽しみたいもの。
しかし愛犬の安全・健康のために、節分豆の管理は飼い主さんがしっかりと行ってくださいね。
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