大型犬と暮らすことに憧れを抱いていても、なかなかハードルが高いと感じますよね。
中でも大型犬に必要な運動量がネックとなり、毎日十分に運動させてあげられるかどうかと心配になる方も多いでしょう。
そこで今回は大型犬はどれ程の運動を必要としているのか、どのような運動をさせたらいいのかを紹介します。
一般的には体重20~40㎏くらいのワンちゃんが大型犬に分類されます。
さらに超大型犬はそれよりもさらに大きく、体重40㎏以上です。
また、体重だけでなく体長も長く、超大型犬の中には2本脚で立つと、成人男性よりも身長が高い犬種も。
超小型犬のワンちゃんでは体重1~2㎏の子もいるので、同じ動物でも体の大きさがまったく異なることが分かりますね。
大型犬の原種のほとんどは、狩猟犬や牧羊犬といった働くワンちゃん。
だからこそ、たくさんの運動を必要とする体の構造になっているのです。
そのため、運動量が不足してしまうとさまざまな問題を引き起こしやすいとも言えます。
犬種や個体によって違いはありますが、一般的に大型犬はやはりある程度の運動量が欠かせません。
そこでどの程度の運動が必要なのか、愛犬にとって適切な運動量であるかの確認方法について見ていきましょう。
犬種や年齢、個体によって多少の違いはありますが、大型犬に適した散歩にかける時間は1日に1~2時間程度。
30分程度の散歩を1日2回に分けて行うことが望ましいとされています。
距離にするとだいたい1日に3~4kmが目安です。
散歩では「走る」ことよりも、ゆっくりと時間をかけて長い距離を歩くことを意識しましょう。
体の大きな大型犬は足や関節に負担がかかりやすいため、走らせすぎ過ぎないことも大切です。
ワンちゃんが散歩から帰ってきた後の様子から、運動量が適切かどうかを判断することができます。
ハッハッと短い呼吸をしていれば適度な運動になっていると考えられますが、呼吸があまりにも落ち着いている場合は、運動量が不足しているかもしれません。
また、散歩後しばらくして愛犬が心地よさそうに昼寝をしているなら、適切な運動ができているサインです。
しかし、愛犬が散歩から帰宅後すぐに遊び始めたり、飼い主さんに遊んでほしいアピールをしてくるようであれば、散歩の時間が足りていないのかもしれません。
反対に大型犬といえどシニア犬や持病を持っているワンちゃんは、散歩が負担になっている場合もあります。
帰宅後、呼吸の間隔がかなり短くなったり、舌の色が紫色になっている場合は疲弊しているサインです。
その場合は散歩の時間を20分ほどに減らして様子を見てあげましょう。
また、短時間の散歩でそのような状態になる時は病気や体調不良の恐れがあるので、動物病院を受診してください。
ワンちゃんにとって適度な運動やストレス発散になる毎日の散歩は、なくてはならないものです。
とくに大型犬の場合、ありあまるほどのエネルギーやスタミナを持ち合わせた子も多く、とくに若い内は散歩以外でも体を動かしたい欲求があります。
日常的な散歩以外で、大型犬におすすめの運動にはどのような方法があるのでしょうか?
ノーリードでのびのびと走ることができるドッグランでの自由運動は、ワンちゃんも解放的な気分になって楽んでくれるでしょう。
また、さまざまなワンちゃんと触れ合えるため、楽しく運動できる子が多いようです。
追いかけっこやじゃれあいで、体も心も軽くなりそうですね。
もし他のワンちゃんが苦手な子であれば、貸し切りで利用するランの利用もおすすめです。
飼い主さんとの追いかけっこやレトリーブ遊びで、リラックスして運動することができます。
日本犬はあまり好まない子も多いですが、洋犬の大型犬には泳ぎが大好きなワンちゃんも多くいます。
とくにラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーなどのレトリバー種やスタンダード・プードルなどは、本来ハンターが撃ち落とした水鳥などの獲物を泳いで回収するようにつくられた犬種なので、水を見ると本能的に飛び込みたくなるほど水が大好きです。
水泳は全身運動になるだけでなく、四肢の筋肉をバランスよく鍛えられるので、水が好きな子にはおすすめの運動です。
最近はワンちゃん専用の大きなプールがあるドッグランや総合施設もたくさんできているので、ぜひ調べてみてくださいね。
初めて泳ぐ場合はワンちゃんも飼い主さんも不安があるので、ライフジャケットを着用して試してみるとよいかもしれません。
アジリティやダンスなどのドッグスポーツも、エネルギッシュな大型犬なら楽しめる運動になります。
飼い主さんの号令で障害物を飛び越えたり、穴をくぐったりするアジリティは、頭も使うので体と脳の運動にもなります。
ドッグダンスも、全身運動をしながら飼い主さんとの信頼関係を強めることができるおすすめのドッグスポーツです。
その他にもフリスビーやフライボールなど、さまざまなスポーツがあります。
運動不足はワンちゃんにとって、ストレスの原因にもなります。
愛犬の運動不足を解消するためにしっかり運動させることはとても大切ですが、大型犬の運動においては注意しなければならないこともあるので押さえておきましょう。
大型犬は体重が重い分、激しく運動することで足や関節に大きな負担を与えることがあります。
とくに成犬になるまでに激しい運動をさせすぎてしまうと「股関節形成不全」などの障害を引き起こすこともあるため注意が必要です。
「股関節形成不全」は遺伝的要因で発症することも多いですが、骨が急速に成長する生後60日くらいまでに、あまり過度な運動をさせた場合も発症のリスクが高くなります。
1歳を迎えるまでは散歩の時も走らせるのではなく、ゆっくりと距離を長く歩くようにしてあげましょう。
食後すぐに激しい運動することは避けましょう。
胃が捻じれてショック状態を起こす「胃捻転」になってしまう危険性があります。
とくに大型犬は胃捻転を発症しやすいとされているので注意が必要です。
外科手術が必要になったり、最悪の場合は死に至る場合があるので、運動をさせるタイミングをしっかり見計らうようにしましょう。
今回は、大型犬に必須の運動の量や方法についてお伝えしました。
大型犬との生活はとても楽しく素晴らしい一方で、大変なこともあります。
大型犬の運動不足は、肥満や筋肉量の低下や、ストレスからの破壊行動の原因などにもなりえるので、大型犬が毎日を健康的にストレスフリーで過ごすためには運動はとても大切な要素です。
飼い主さんは、大きな愛犬の健康と笑顔を保つために、ぜひ適切な運動をさせてあげてくださいね。
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