ワンちゃんも加齢により体力や筋力が落ちるため、シニアになると少しずつできないことが増えきてしまいます。
人間と同じように、体を動かすことだけでなく食べ物を飲み込む力も弱くなってしまうため、日々の食事の様子から愛犬の変化を汲み取ってあげなくてはいけません。
今回は、シニア犬が食べ物を飲み込めなくなる理由や、食べ物を飲み込めなくなった時の対処方法について紹介します。
この記事を参考に、大切な愛犬の食事環境を整えてあげてくださいね。
シニアになると若い頃と比べて、ごはんを食べにくそうにしていたり、食欲がなくなったりといった変化が起きやすいとされています。
まずは、シニア犬がごはんを飲み込めなくなる理由について解説します。
嚥下能力という飲み込む力や、噛む力は加齢とともに徐々に衰えてしまいます。
具体的には唾液の分泌量の減少や、舌が上手く動かせなくなるなどです。
飲み込む力が弱くなるということは、栄養を摂るための食事が難しくなり、以下のような症状が現れることがあります。
・よだれを垂らす
・吐き気がある
・ごはんを食べている時に咳をする
・何度も飲み込む動作を繰り返す
・口からごはんをこぼす
・口の片側でごはんを食べようとする
・体重が減少する
・口臭がする など
加齢により体の機能が低下するのは避けられないため、愛犬の様子をしっかり観察し、症状がひどく出る場合はかかりつけの動物病院に相談しましょう。
シニア犬になると、歯や歯肉の状態も若い頃とは異なるため、硬いものは飲み込みづらくなります。
また、むせやすい細かなふりかけやパウダーなども避けるようにしましょう。
とくにドライフードは飲み込みづらい上に消化もしにくく、食べることができても胃や腸の負担になってしまうこともあるので、加齢に応じて食事を見なおしてあげましょう。
ごはんを食べる体勢に問題があると、ごはんが飲み込みづらくなります。
足や腰、首の筋力が衰えているシニア犬は、ごはんを入れた食器の高さが地面と同じ位置にあると、足や腰、首に負担がかかり食べづらい上に飲み込みづらくなってしまいます。
病気や体の不調が原因で、ごはんを飲み込むことが難しくなる場合もあります。
シニア犬の代表的な病気と言えば、腎不全や糖尿病、ガンなどさまざま。
また、口腔内の病気による痛みなどで、口を開けることやごはんを噛むことができなくなることも少なくありません。
何かしらの病気を抱えているのか、老化によるものなのかは飼い主さんだけではなかなか判断できないため、気になる事があればかかりつけの動物病院に相談しましょう。
シニア犬の食事でとくに気をつけなくてはいけないことは誤嚥(ごえん)です。
誤嚥とは食べ物や水を飲みこむ際、本来であれば口から食道へと流れるはずが、気管へ入ってしまうことを指します。
私たちも急いで食べたり飲んだりした時に気管に入ってむせてしまうように、ワンちゃんも同じように誤嚥により苦しい思いをしてしまいます。
とくに加齢により嚥下能力が低下すると、誤嚥が起こりやすくなり、さらにそれにより肺炎になることも。
食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまった際、そこに付着した細菌によって肺が炎症を起こしてしまうのです。
シニア犬の場合は命に関わることも十分に考えられるため、誤嚥しないよう注意が必要です。
愛犬が、若い時と同じようにごはんを食べられなくなってきたら、愛犬に合わせた食事環境を提供してあげましょう。
ここでは、ごはんを飲み込めなくなった時の対処方法について解説します。
食べ物を飲み込む力が弱くなったワンちゃんには、缶詰やウェットタイプのごはんなど、水分が多く柔らかい食事がおすすめです。
ドライフードをふやかして与える方法もありますが、それでも食べにくそうにしているようであれば、とろみのあるフードや、ペーストになるものを試してみてください。
また、体温に近い温度の食べ物や飲み物はむせやすいと言われているため、少し冷やしてから与えると飲み込みやすいかもしれません。
前述しましたが、シニア犬は食器の位置が地面にあると顔が下向きになりごはんが飲み込みにくくなったり、足腰や首に負担がかかってしまいます。
愛犬の負担を減らすために、台などを使って食器の位置を食べやすい位置まで高くしてあげましょう。
そうすることで、飲み込む力が弱くなっているシニア犬でもごはんを飲み込みやすくなり、ごはんを食べる体勢も楽になります。
また、飼い主さんが一口一口食べさせてあげる際は、顔の位置を上げ過ぎないよう注意が必要です。
頭のてっぺんが一番高い状態になるような体勢で食べさせるようにしましょう。
今回は、シニア犬が食べ物を飲み込めなくなる理由や、食べ物を飲み込めなくなった時の対処方法について紹介しました。
加齢によって噛む力や飲み込む力が弱くなるのは避けられないことですが、食事環境を改善することはできます。
愛犬のごはん中の様子や食べ終わった後の様子を観察し、愛犬のライフステージに合ったごはんや与え方などを見直していきましょう。
また、大切な愛犬の健康を守るためにも、シニア犬の場合は年に2回の定期健診を受けるのがおすすめです。
愛犬の様子が少しでも「おかしい」と感じた場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
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