小型犬では8歳前後から、大型犬では6〜7歳でシニア犬と呼ばれる年代に差し掛かります。
散歩のために外へ出ても、すぐに引き返してしまうシニアの子も多いのではないでしょうか?
シニア期に入ると基礎代謝の低下や食欲が低下して食欲も落ち着くため、積極的な行動を起こさなくなる子が多くなります。
しかし、運動にはたくさんのメリットがあるため、できるだけ十分な運動量を確保しておきたいところ。
では、シニア犬にはどのくらいの運動量が必要なのでしょうか。
今回は、シニア犬の適切な運動量について、詳しくご紹介します。
1日でも長く元気で過ごすために、シニア犬にちょうどいい運動量を補えるのが散歩です。
ところが、シニア期に差し掛かると散歩に強い興味を示さなくなり、時には散歩を嫌がる素振りを見せることがあります。
こういった反応が返ってくると、皆さんは「運動が辛いのかもしれない」「寝かせておいてあげようか」という気持ちにもなるかもしれません。
強引に散歩に連れ出す必要はありませんが、適切な運動量を維持できないと、愛犬の足腰が弱るスピードは進んでいくばかりです。
下記のポイントを意識しながら、愛犬に「散歩に行こう」という気持ちになってもらえるよう工夫してみましょう。
(1)散歩の回数は1日1〜2回を目安に
(2)1回の散歩の時間は10分程度でもOK
(3)歩くスピードは愛犬に合わせる
(4)あまりにも嫌がる時は、散歩時間を変えたり、回数を減らす
シニア犬の場合、散歩の開始時間や回数に大きくこだわる必要はありません。
気分が乗らない時は無理に連れ出さず、愛犬が動き出したタイミングで散歩へ促すと、スムーズにスタートできます。
散歩の回数や時間もあくまで目安として決めつけず、嫌がる様子があれば「今日は1回でもいいね」など声掛けをして、コミュニケーションをしっかりとるようにしましょう。
シニア犬になって体力が低下することで、歩くスピードが遅くなり、途中で立ち止まることも多くなります。
この場合、歩くことを急かすのは禁物。
ワンちゃんがリラックスできるペースに合わせて歩くようにしてあげる方が、愛犬も安心して歩いてくれます。
散歩時間の目安は、10分程度で十分です。
片道で頑張り過ぎて体力を使い切ってしまうと、帰り道の途中でへばって動かなくなってしまうことも。
小型犬ならだっこで戻ることができますが、中型犬や大型犬はそうはいきません。
元気そうに見えていても、歳を重ねるほど長い距離を歩くことは難しくなってきます。
往復の体力を残しておけるように、日頃からしっかり愛犬の様子を観察し、適切な散歩の距離を決めてあげてくださいね。
足元がおぼつかなくなってきたシニア犬については、固いアスファルトの上を歩かせることに不安を感じる方も多いかもしれません。
その場合は、ドッグカートの使用を検討するのもオススメです。
近くの公園や広場までカートに乗せていき、やわらかい草の上を歩かせてあげるだけでも運動になりますよ。
犬には「自分の足で歩きたい」という本能があります。
「歩くだけなら家の中でも十分運動量は足りているのでは?」と思われるかもしれませんが、できる限り外に連れ出してあげることが愛犬にとって良い刺激となり、日々の活力につながります。
・刺激を受けることで認知症の予防になる
・適度な運動で、睡眠の質をあげる
・肥満の防止になる
・足腰を鍛えることができる
・生活パターンを維持できる
始めは散歩に出ることを嫌がっていても、いざ出てみると元気に歩き始める場合もあるため、カートなどを使って、まずは外に出るところから始めてみましょう。
外からの刺激を受けることで、寝てばかりで乱れがちなシニア犬の生活リズを整えやすくなります。
散歩のために外に出ると、歩いている人や車の音また他の犬のニオイが刺激となり、シニア犬の認知症予防にもなります。
また、昼間に外に出ることで睡眠の質も上がりやすくなり、夜泣き防止の働きも期待できます。
寝たきり生活になる前に、できる限り散歩の時間を作ってあげてくださいね。
シニア犬の散歩で注意しておきたいのが外気温ですシニア期に入ると、徐々に体温調節が難しくなってきます。
夏場は暑い時間帯を避け、寒い冬の季節は日光が当たっている時間帯を選んで散歩に行くようにしましょう。
冬場には、温かい部屋から急に外に出てしまうと心臓に負担がかかるので、室内の廊下や玄関で少し体を慣らしたり、服を着せるなどして体温調節をしてあげると安心ですよ。
雨の日には無理に散歩に行かず、体のマッサージや足の屈伸運動などをしてあげましょう。
愛犬との良いコミュニケーションにもなります。
犬のシニア期は、体の大きさや犬種によって異なります。
一般的には、大型犬であれば6歳以上、小型犬や中型犬は7歳を過ぎた頃からとされています。
ただし、食事や運動量、個体差によっても肉体的な老化スピードには差があるため、明確に「○歳以上からはシニア」と断定できるわけではありません。
犬の年齢を人間の年齢に換算すると下記のようになります。
犬の年齢 | 小型~中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|
6年 | 40歳 | 47歳 |
7年 | 44歳 | 54歳 |
8年 | 48歳 | 61歳 |
9年 | 52歳 | 68歳 |
10年 | 56歳 | 75歳 |
11年 | 60歳 | 82歳 |
12年 | 64歳 | 89歳 |
13年 | 68歳 | 96歳 |
14年 | 72歳 | 103歳 |
15年 | 76歳 | 110歳 |
体の大きさに関わらず、6歳では人間の歳では40代なので、まだまだ元気ですよね。
ただ同じシニア期でも犬によって体力の低下スピードに違いがあり、何歳になっても元気で走り回る子もいれば、シニア期に差し掛かると動きがスローになってくる子もいます。
下記の様子が出始めると「そろそろシニア期に入ったな」と考える目安になります。
・寝ている時間が長くなってきた
・新しいおもちゃに興味を示さなくなった
・毛色が白っぽくなってきた
犬も人間も同じで、足腰の強さは健康維持の基本です。
足腰を意識して鍛えていた方が、体力の低下や老化スピードはゆるやかになります。
何歳になっても自分の足で歩けることが元気の源になりますので、一緒に暮らしているわたしたち飼い主が、1日でも長く愛犬が歩けるように工夫してあげたいですね。
今回は、シニア犬に適切な運動量と散歩が必要な理由について、お伝えしました。
人間と比べると犬たちの成長は速く、お互いの生活リズムがしっくりと合う頃には、愛犬はあっという間にシニア期へと差し掛かかってしまいます。
愛犬をいたわりながらも、その時に必要な運動を可能な限りさせてあげることが、シニア期に入った愛犬にとって幸せな時間になるはずです(^^♪
ぜひ1日でも長く一緒に散歩できるように、工夫をしてあげてくださいね。
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