近頃は老若男女問わず、ワンちゃんやネコちゃん、その他小動物を大切な家族と考える人が増えています。
高齢者にとっても、豊かで幸せな生活を続ける上で、こうした生きものとともに暮らすことは、心身に良い影響を与えると考えられていますが、一方で自らの体調面などから十分なお世話ができなくなったり、多頭飼育崩壊が発生したりといったケースが社会問題ともなってきました。
今回はこのような昨今の社会変化を受け、生きものと暮らす60代以上の高齢者を対象に実施された調査結果を紹介します。
まず、現在どんな生きものと暮らしているか複数回答可で尋ねたところ、1位は「犬」の45.8%で、2位が「猫」の41.2%でした。
王道といえるワンちゃん・ネコちゃんの人気はやはり圧倒的で、3位以下を大きく引き離しています。
3位は「熱帯魚」の8.4%、4位に「鳥」の7.9%、5位は「カメ」の5.2%でした。
「その他」の10.5%には、フェレットやヘビ、カエル、ヤドカリといったユニークなペットと暮らしている方もみられました。
続いてペットとの暮らしを始めたきっかけを尋ねたところ、「家族のすすめ」が32.4%で最多回答になりました。
2位は「ペットショップで見かけた」の21.8%、3位が「他で買えなくなったペットを譲り受けた」の15.1%となっています。
「その他」も20.3%にのぼり、きっかけはさまざまですが、高齢者の場合、社会とのつながりや生活のメリハリが減少しやすいこともあってか、「家族のすすめ」で一緒に暮らし始めたというケースが比較的多いと分かりました。
一緒に暮らすようになって良かったことを尋ねると、「癒される」が81.2%で圧倒的多数で1位となり、家族が増えることで心の安寧を得ている人が多くみられました。
2位は「家族や友人とのコミュニケーションが増えた」の35.4%、3位に「寂しさを感じない」の32.0%がランクインし、以下4位「散歩を含む外出の機会が増えた」の25.1%、5位「地域住民とのコミュニケーションが増えた」の13.6%などとなっています。
愛犬や愛猫たちをきっかけに、周囲とのコミュニケーションが増えたり、外出機会が増えたりと活動的になり、心身の健康に良い影響がもたらされている様子がうかがわれました。
生きものたちと暮らす上での不安や心配事について尋ねた結果では、「ペットの介護」が45.4%で最も多く、2位は「飼育費用(フード代や診療費)」の30.8%となりました。
「自分自身の体調」を挙げる人も22.6%にのぼり、責任をもって最期まで世話をしてあげなければいけないという思いからくる、高齢者ゆえの不安もみられています。
「心配や不安事はない」とした人も29.5%と約3割になり、まだまだ元気な方も多いのかもしれませんが、先を見据えた際に生ずる悩みには、何らかの対処も必要と考えられます。
今後利用してみたいサービスは何かを問うた結果では、とくに「利用したいサービスはない」という声が42.3%で最多になったものの、「高齢のペットに対する動物病院での検診」は28.7%と高く、また「ペットの一時預かりサービス」も24.5%と約4人に1人が利用してみたいとしています。
現時点で日常生活においては、問題なく一緒の生活が送れているため、新たなサービスに関心が向いていない方が多いとみられますが、専門家による健康チェックや、いざという時に預かってくれる安心のサービスには、一定以上の利用意向があるようです。
以下は「ペットホテル」が18.0%、「トリミングサロン」14.2%、「ペット可の高齢者住宅」の9.4%、「訪問ペットケアサービス」の8.6%などとなりました。
高齢者の方がペットを迎える場合には、経済面はもちろんのこと、その子の寿命や自身の健康状態、最期まで責任をもってお世話してあげられるかなど、よく検討しておかなければなりません。
もちろん、予期せぬこともあるので困難な状況が生じた場合に備えて、家族や友人の協力が得られる状態を事前に作っておくことも大切です。
ペットと暮らすことが高齢の飼い主さんにとって、心身の健康を良好に保つことが期待できるのは言うまでもありません。またペットにとっても、日中も一緒に過ごしてくれる人が側にいることは、寂しくすごす時間が減り、お互いがともに幸せな暮らしを送ることが出来るでしょう。
互いに健康的な日々を、豊かな時間を共有していけるならば理想的ですから、飼い主さん自身が知識・情報を積極的に得ることはもちろん、社会や周囲も理解を深め、サポートしていけると良いですね。
参考リンク
PRTIMES
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