住まいの引っ越しは、愛犬にとっても大きな変化を伴うものです。
私たちも新しい環境にワクワクする反面、不安を感じることがありますよね。
ワンちゃんが住み慣れた家を離れて新しい環境に慣れるためには、飼い主さんのフォローが必要不可欠です。
私たちにできることをしっかりと準備してあげましょう。
今回は、ワンちゃんが引っ越しによって感じるストレスや、対処法のポイントについて紹介します。
私たちが引っ越しをするのには、新しい学校や職場に通うため、広い部屋に移るためなどさまざまな理由があります。
何のためにどこに引っ越すのかを理解して行動する人間とは違って、ワンちゃん達は訳も分からないまま知らない場所に移動させられることになります。
ワンちゃんの性格にもよりますが、荷物が段ボールに移されていったり、引っ越しの業者さんなどの出入りなど、準備段階からいつもと違う出来事にストレスを感じることもあるでしょう。
引っ越し当日には見知らぬ人が家具や荷物を運び出す様子に不安を覚えるかもしれません。
また、ワンちゃん自身を新しい家に連れて行く際、乗り慣れない電車や自動車、飛行機を使うことで恐怖を覚えるでしょう。
引っ越しを完了しても、慣れない匂いのする部屋や初めてのお散歩コース、見知らぬ場所に戸惑い心細く感じるものです。
このように引っ越しは準備段階から新しい環境に慣れるまでの長期にわたって、ワンちゃんにストレスがかかる出来事であると言えます。
ワンちゃんは言葉を話せませんが、行動や仕草によってストレスを感じていることを伝えてくれます。
愛犬が出しているストレスサインを見逃さないように、引っ越し後はとくに愛犬の行動に注意してあげてください。
普段は決まった場所で排泄できるワンちゃんでも、新しいお家に引っ越してから粗相を繰り返すことがあります。
トイレの場所が新しくなって場所を把握していないことも原因のひとつです。
その場合は、トイレトレーニングを繰り返すようにしましょう。
また、新しいお家では安心感が得られないために我慢してしまう子もいます。
トイレトレーやトイレシートは以前と同じものを使い、引っ越し前の部屋に近いように家具やトイレを配置するなどしてあげましょう。
食事の内容を変えたわけでもないのに下痢が続く場合は、過度のストレスが原因の場合も。
人でも緊張やストレスでおなかが緩くなったりすることもあるように、ワンちゃんでも起こりえます。
下痢が続く場合は、脱水症状などの危険もあるので動物病院を受診するほうがよいでしょう。
前の家では夜になるとぐっすり寝ていた愛犬が、夜に眠らなくなったり夜鳴きをするのもストレスのサイン。
夜は昼間よりも音が響くため、小さな物音や光に敏感になりやすいようです。
部屋の雨戸やカーテンをしっかり閉めたり、クレートに毛布を掛けるなどして安心できる環境を作ってあげましょう。
環境の変化で、ちょっとした刺激でも吠えてしまうことが多くなることもストレスのサインです。
放っておくと無駄吠えの癖がついたり、ご近所迷惑にもなります。
愛犬が吠えるタイミングや原因を注意深く観察して、刺激を減らしてあげましょう。
知らない場所で一人になるのを不安がって、今までできていた留守番ができなくなることもあります。
分離不安になり少しでも飼い主さんから離れることを嫌がる場合も、ストレスが原因かもしれません。
引っ越しによって、ワンちゃんにはさまざまな負荷がかかることが分かりました。
ですが、事前にしっかり準備をしておけば、ワンちゃんの不安な気持ちを軽減できることもあるようです。
ここでは、その対処法について見ていきましょう。
引っ越してからストレスサインが出てしまっても、対処法を知っていれば慌てずに対処できますよ。
引っ越しをするにあたり、車で長時間の移動をしなければならない場合には、前もって愛犬を車に慣れさせておきましょう。
車に慣れていないワンちゃんをいきなり長時間の移動をさせてしまうと、心身ともに大きなストレスがかかります。
たとえ日頃から車に慣れているワンちゃんでも、長時間の移動になる場合は、途中でこまめに休憩をはさみ車外を歩くなどして気分転換をしてあげましょう。
車酔いが心配なワンちゃんなら、事前に動物病院で酔い止めを処方してもらっておくと安心ですね。
日頃から眠る時や落ち着きたい時に、キャリーバッグにワンちゃんが入れるようにしておきましょう。
慣れておけば引っ越しでの移動時や新しいお家に着いてからも、ワンちゃんが落ち着ける場所として活躍しますよ。
トイレやサークルを引っ越し前の家の配置と同じにすることで、ワンちゃんの戸惑いが軽減し、トイレも失敗しないでできる確率が高くなります。
トイレトレーやサークルも以前と同じ物を使用することで、徐々に落ち着いて過ごせるようになりますよ。
新居に引っ越したからといって、ワンちゃんグッズをすぐに新しい物に買い変えるのはおすすめできません。
新しい環境では、使い慣れたベッドやおもちゃがワンちゃんを落ち着かせてくれます。
買い替えをするのは新しいお家に慣れてからにしましょう。
住環境ががらりと変わって、体の不調や不安を感じている愛犬には、いつもより声をかけ、たくさん撫でてあげましょう。
たとえ環境が変わっても、飼い主さんとは前と変わらずにずっと一緒に過ごせるということを行動で伝えるようにしてください。
新しいお家に引っ越してからたくさん遊んだり、おいしいものを食べるなどして楽しい時間を過ごすこともストレス軽減に効果的です。
ワンちゃんの性格にもよりますが、飼い主さんとの散歩は楽しみのひとつであるとともに、体を動かすことがストレス発散に繋がります。
まだよく知らない土地だからと、散歩を躊躇していると余計にストレスが溜まってしまうことも。
まずは人通りや車の少ない自然の多い道などを探し、徐々に新しい散歩コースに慣れさせていきましょう。
引っ越しをするにあたり、いくつか注意してほしいことがあります。
大切な愛犬のために、飼い主さんにはぜひ知っておいてほしい事柄です。
ワンちゃんと一緒の引っ越しでは、できるだけ飛行機やフェリー等の移動は避けましょう。
飼い主さんの姿が見えなくなることに加え、気圧の変化・音・振動などワンちゃんには大きなストレスがかかります。
また、航空会社によってはフレンチブルドッグやパグといった短頭種は、呼吸障害を起こしかねない懸念から搭乗することができません。
飼い主さんの見えないところでパニックをおこしたり、事故につながることもありえるため、移動手段は陸路が望ましいでしょう。
愛犬と一緒に引っ越す場合には、移動手段をあらかじめ確認しておく必要があります。
引っ越し時には、引っ越し業者などの出入りが多く、荷物の運搬のためにドアや窓が開けっぱなしになります。いつものように部屋の中でワンちゃんをフリーにしておくと、脱走につながります。
退去時も入居時も、ワンちゃんがフリーにならないようキャリーバッグやクレートに入っていてもらいましょう。
また、引っ越ししてからも新居を自分の新しいお家だと理解できず、前のお家に戻ろうとして家を飛び出すケースも。
引っ越しをしてからもしばらくは、以前の生活以上に出入口の開閉や散歩時の首輪抜けなどに注意するようにしましょう。
また、マイクロチップを入れている場合には登録している住所や電話番号の変更もお忘れなく。
以前の住まいから近いところへの引っ越しであれば、かかりつけの動物病院を変える必要はありません。
ですが、通える距離にない場合は、あらかじめ近隣の動物病院を確認しておきましょう。
とくに、夜間救急や土日の診療時間をチェックしておくといいですね。
今回は、引っ越しに伴うワンちゃんのストレスについてお伝えしました。
新しい土地でお気に入りの場所を見つけたり、新しいお友達ができたりと引っ越し先では素敵なことが待っているかもしれません。
飼い主さんにとっても、ワンちゃんにとっても、引っ越しがストレスではなく、楽しいイベントになればよいですね。
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