炎症を起こすこともある?シニア犬にできやすい粉瘤とは

炎症を起こすこともある?シニア犬にできやすい粉瘤とは

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ワンちゃんも人と同じように、年を重ねるとさまざまな体の不調が現れます。
皮膚に見られるできものもそのひとつです。
愛犬を撫でていて、ある日できものの存在に気づく飼い主さんも多くいるのではないでしょうか?

中でも、よく見られるのが粉瘤(ふんりゅう)。
今回はこの粉瘤についてまとめました。

 

粉瘤とは?

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粉瘤は別名アテロームとも呼ばれる表皮嚢胞のことで、皮下に嚢胞という袋ができ、そこに角質や皮脂などの老廃物がたまってしまう良性腫瘍です。
中高年のワンちゃんによく見られ、撫でている時やブラッシング、シャンプー時に飼い主さんやトリマーさんが気付くことが多いようです。

粉瘤は特定の部位ではなく全身どこにでもできるもので、最初は小さくコリコリとした感触があります。
気づかず放置してしまうと徐々に大きくなり、5㎝ものしこりになることも。
とはいえ良性の腫瘤なので、炎症を起こしていなければ、すぐに摘出しなければいけないということはありません。

とくに新陳代謝が衰えたシニア犬は、本来皮膚から剥げ落ちるはずの角質と皮脂が剥げ落ちずに袋状の嚢胞にたまり、しこりのようになります。
脂性肌の犬種にもできやすい傾向もありますが、どの犬種でもできる可能性はあるので、愛犬の体のチェックは日々怠らないようにしましょう。

 

粉瘤の症状

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基本的に粉瘤は、痛みや痒みを伴うものではありません。
そのため飼い主さんも気付きにくく、ワンちゃんもあまり気にしていないことが多いでしょう。

しかし長期間放置してしまうと、大きくなったり、腫れてしまうことがあります。
ここでは悪化した際の症状について見ていきましょう。

 

炎症を起こす

粉瘤は皮膚の開口部から細菌が入ってしまったり、老廃物が漏れ出すことによる異物反応で炎症を引き起こすことがあります。
炎症により周囲が化膿してしまうと、ワンちゃんは痛みや違和感を感じてしまうでしょう。

ひどい場合には粉瘤が破裂し、中の老廃物が出てしまうこともあります。

 

老廃物が出る

しこりが少し大きくなると、中央部からニキビがつぶれる時のように、黄色味がかった灰色の老廃物が出てくることがあります。
この老廃物のほとんどは皮膚のフケと同じような角質や脂で、炎症を伴う場合には悪臭を放つことも。

粉瘤を無理やり潰して絞り出してしまうと、開いた傷口から細菌が入りこみ腫れることがあるため、気になる場合には動物病院を受診してください。

 

粉瘤の治療方法は?

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粉瘤が小さい場合は、あまり気にしなくても良いようですが、大きくなってくると炎症や痛みを伴ってしまうこともあることが分かりました。

そうならないようにするには、どのような治療をするのでしょうか?

 

粉瘤が小さい場合

1cm以下の小さな粉瘤の場合は、細胞診の検査と一緒に表皮嚢胞にある袋ごと絞り出して、そのまま治療が終了となる場合が多いです。

表皮嚢胞にある袋ごと取り出すことで、老廃物が再びたまるのを防ぐことができます。

この場合は、局所麻酔も縫合も必要ありません。

 

粉瘤が大きい場合

粉瘤が大きい場合は、局所麻酔をして切除するという治療法が行われることが多いです。
この場合も、再発防止のために嚢胞の袋ごと取り出します。

何度も再発や破裂を繰り返していると、癒着をおこして局部麻酔の切除ができない場合もあります。
その場合は、全身麻酔の手術と縫合が必要になるので注意が必要です。

どの施術でも、脂肪種などとの区別のために内容物を検査する確定診断を行います。

 

粉瘤の予防方法は?

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残念ながら今のところ原因が解明されていないため、予防法も確立されていません。

シニアに多く見られる病気ですが、ミニチュア・シュナウザーやシーズーなど脂性肌の犬種でも発症が多いと言われています。
またワンちゃんによっては、いくつも粉瘤ができてしまう子や、繰り返し再発する子もいるようです。

粉瘤自体は良性の腫瘍ですが放置してしまうと炎症を引き起こしてしまうので、やはり早期発見と早期対処が、ワンちゃんの負担を軽減する近道と言えるでしょう。
また粉瘤のしこりだと思っていたら、別の病気が隠れていたというケースもあるため、気になるしこりがあれば動物病院を受診することをおすすめします。

 

まとめ

今回は、ワンちゃんに多く見られるできもの「粉瘤」についてお伝えしました。
粉瘤は良性のできものですが、放置すると炎症や化膿をおこしてしまうこともわかりました。

粉瘤を悪化させないためには、日頃のボディチェックで、皮膚の状態をよく観察してあげることが大切です。
もし粉瘤が見つかっても、動物病院を受診して適切な処置をしてもらえば大丈夫です。

粉瘤ができやすくなるシニア時期のワンちゃんも、毎日の飼い主さんとのスキンシップを通して、いつまでも元気に過ごしてもらいたいですね。

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