ワンちゃんやネコちゃんの食器のぬめりが気になったことはありませんか?
大切な家族の口に触れるものだから、しっかり除去してあげたいですよね。
なかにはしぶといぬめりに手を焼き、食器を捨てた経験のある飼い主さんもいるかもしれません。
今回は、そんなぬめりの正体と、正しい食器の洗い方についてご紹介します。
食器についたぬめりの正体は、繁殖した細菌などの微生物が作るバイオフィルム。
私たちはもちろん、動物の口内にはさまざまな細菌が存在しています。
なかでも犬猫の唾液はアルカリ性のため、酸性に比べ細菌が繁殖しやすい性質があります。
そのため、アルカリ性の唾液が付着した食器をそのままにしてしまうとフードの残りを栄養に細菌が繁殖し、自らを守るため、表面にバイオフィルムと呼ばれる膜を張ります。
このバイオフィルムが頑固なぬめりを生み出しているのです。
食後、食器を洗わずそのままにする時間が長ければ長いほど、バイオフィルムは頑固なものになってしまいます。
そのため、時間をおかずに正しい洗浄をすることで清潔な状態を保つようにしましょう。
ここでは、ぬめりを残さないための食器の洗い方についてご紹介します。
洗い方はさまざまありますが、まずは食べ終わった食器を乾いた布やキッチンペーパーで拭き取りましょう。
食器に残った食材や唾液など残さないようにすることがポイントです。
食後すぐに拭き取ることで、ぬめりの発生を防止できます。
フードボウルを洗う際、人間用の食器用洗剤を使用している方が多いでしょう。
しかし、アルカリ性のバイオフィルムは中性の食器用洗剤では落としにくいのです。
そこで、毎日の食器洗いに取り入れたいのがペット用の食器スポンジ。
最近では、さまざまなメーカーから販売されていますが、どれも特殊繊維が使用されています。
洗剤不要できれいに洗えるものや、速乾性素材で衛生的に使用できるものなどもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
また、掃除用のメラミンスポンジで代用もできますが、プラスチックなどの食器だと傷をつけてしまうこともあるので注意が必要です。
食器についたバイオフィルムは酸性に弱いため、クエン酸を使えばぬめりをきれいに取ることができます。
スーパーなどでも食器用のクエン酸スプレーや、粉末状のものも市販されており、手軽に購入できるのも嬉しいポイントですね。
粉末の場合は小さじ1と水200mlをスプレーボトルに入れ軽く振れば、使いやすいスプレータイプにすることができます。
食事が済んだ食器に吹きかけ、しばらく時間を置いてから洗い流し、しっかり乾燥させましょう。
クエン酸以外ではお酢を利用することも可能ですが、ニオイが刺激的なため薄めたものを短時間で使い、しっかり洗い流すことが必要です。
特別に何か用意することなくできるのは、熱湯消毒。
1週間に1~2回程度、食器に熱湯をかけるだけでバイオフィルムをきれいに取り除くことができます。
ただし、食器の材質によっては熱湯に耐えられないものもあるので、しっかりと確認してから行ってください。
前述したように、ぬめりの原因であるバイオフィルムは、細菌の繁殖によって発生します。
食器の内側に傷がついてしまうと細菌が付着しやすくなるため、傷のつきにくい陶器や磁器、ステンレスなどの丈夫な食器がオススメです。
プラスチックなど傷のつきやすい食器を使用する場合には、細菌の繁殖を防ぐためにクエン酸などを使い、常に清潔を保つようにしましょう。
また、食器の内側に傷がある場合には、新しいものに取り換えることをオススメします。
食器を洗う方法はいくつかありますが、それに共通して注意したい点をご紹介します。
食器用のスポンジや布巾は、私たち人間用とペット用で分けて使用するようにしましょう。
発生は稀ですが、人から動物へ、そして動物から人へ感染する人畜共通感染症を未然に防ぐためにも、食器を同じスポンジで洗うことはオススメできません。
また、スポンジの保管場所も分け、人間用とペット用とが付着しないよう注意が必要です。
スポンジは水分を溜め込んだまま放置してしまうと、雑菌が繁殖してしまいます。
使用した後はしっかりスポンジを洗い、水分を切ってから、風通しの良いところで乾かしましょう。
直接日光の当たる場所で乾燥させると、スポンジが劣化してしまうことがあるので、日陰がオススメです。
また、スポンジを除菌するためには、75~90度程度の湯の中に1分以上さらすのも有効。
お湯の中からスポンジを取り出し、冷水で冷ましたらしっかり水気を切ります。
その後、風通しの良い場所でしっかり乾かし、保管しましょう。
今回はワンちゃんやネコちゃんの食器に潜むぬめりについてお伝えしました。
ぬめりは食後に食器を放置することで発生するため、食事を終えたらすぐに洗うことが理想です。
しかし、外出前などに食事を与えることもあるでしょう。
そんな時はご紹介したような方法でぬめりをしっかり除去すれば、衛生的に使うことができます。
大切な家族の口に触れるものなので、いつもきれいな状態で使ってもらいたいですね。
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