豆腐は調味料が使用されておらず、おかずからスイーツまでさまざまな料理に活用できる万能食材。
植物性タンパク質が豊富で、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、大豆イソフラボンなど、体に嬉しい栄養素も含まれています。
健康のために豆腐を積極的に食事に摂り入れているという方も多いでしょう。
私たち人間の健康にいいとされる豆腐ですが、ワンちゃんにとってはどうなのでしょうか。
今回はワンちゃんが豆腐を食べることでどんなメリットがあるのか、どのように与えていいのかを解説します。
絹ごしや木綿の他にも、おぼろ豆腐や高野豆腐など「豆腐」とつく食品にはさまざまな種類がありますよね。
ですがたまご豆腐やごま豆腐といった、調味料が入った加工品はワンちゃんには与えてはいけません。
絹ごしや木綿など大豆から搾った豆乳とにがりで作られている豆腐であれば、健康なワンちゃんに与えても問題ありません。
ワンちゃんに豆腐を食べさせることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
体への良い影響についてまとめて紹介します。
大豆から作られる豆腐は、植物性の良質なタンパク質を豊富に含みます。
そのほかにもイソフラボンやサポニン、ミネラル、ワンちゃんの必須脂肪酸でもあるオメガ6脂肪酸の一種であるリノール酸なども含まれるため、豊富な栄養を手軽に摂らせることができます。
豆腐に多く含まれるタンパク質は皮膚の健康を保ち、筋肉をつくるために重要な栄養素。
タンパク質は成長期のパピーからシニアまですべての年代のワンちゃんに欠かせないものです。
ワンちゃんは植物性タンパク質より動物性タンパク質の方が消化吸収しやすいとされています。
しかし豆腐は大豆を豆乳にしているため繊維質が少なく、比較的消化吸収されやすいのです。
豆腐は高タンパクな食品でありながら、肉や魚などに含まれる動物性タンパク質に比べると、比較的低カロリーでコレステロールも低めです。
さらにカロリーを気にするのであれば、木綿より絹ごしがおすすめ。
木綿は製造の過程で水を切るため、その分絹ごしよりもカロリーが高くなるのです。
豆腐には大豆イソフラボンやサポニン、ビタミンEも含まれており、これらの抗酸化物質は皮膚や被毛の健康と美しさを保つ効果が期待できます。
とくに大豆イソフラボンはアンチエイジングに効果的なことで知られ、活性酸素を除去する抗酸化作用のほかにも、骨の強化や循環器疾患の予防にも効果があるとされています。
さらにサポニンにはアンチエイジングに有効な抗酸化作用や、血管に付着した脂肪やコレステロールの吸収を抑制し、肝臓を保護する働きも期待できます。
豆腐には意外にも脂質が多く含まれていますが、その多くが健康に良いといわれている不飽和脂肪酸。
その内のリノール酸にはコレステロールの値を下げ、アレルギーを抑制する効果が期待できます。
豆腐に含まれるオリゴ糖は、腸の中で乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の餌となり、善玉菌を増やして腸内環境を改善する作用があります。
腸内環境を整えることで便通が良くなり、免疫力のアップにも繋がりますよ。
ここまでに紹介したように、豆腐はヘルシーでありながら栄養素がたっぷりと含まれた理想的な食品です。
しかしいくら体に良いものでも、量や与え方に気を付けなければ逆効果になってしまうことも。
量や与え方は以下を参考にしてくださいね。
ワンちゃんに豆腐を与えるときは、1日に摂るカロリーの10%以下になるようにしましょう。
目安量は以下の通りです。
絹ごしよりも木綿の方がカロリーが高いため、木綿を与える際は以下の量より少し少な目を心がけましょう。
・体重2~5kg前後:豆腐約20~40g
・体重6~15kg前後:豆腐約45~95g
・体重20~50kg前後:豆腐約120~300g
上記はあくまでも健康なワンちゃんの場合の目安です。
ワンちゃんの体調や総合的な栄養バランスなども考慮し、栄養が偏らないように与える量を調整してください。
私たち人間は冷奴など豆腐をそのまま食べる習慣がありますが、ワンちゃんにはなるべく加熱してから与えましょう。
豆腐の水分が気になるときは、キッチンペーパーで豆腐を包んで電子レンジで30秒ほど加熱すると簡単に水切りができます。
いつもの食事に加熱した豆腐をトッピングしてタンパク質を積極的に摂らせたり、いつものフードを少し減らしその分を豆腐で補って摂取カロリーを抑えるなど、ワンちゃんの体調や健康状態に合わせて与えてくださいね。
ワンちゃんに豆腐を与える際には、与える量以外にもいくつか気を付けなければならないことがあります。
また、豆腐を与えることを避けた方が良いワンちゃんもいますので注意しておきましょう。
ワンちゃんに豆腐を与えるときは、加熱して与えるようにしましょう。
大豆に含まれるトリプトシンインヒビターという物質は、膵臓のタンパク質分解酵素を阻害する働きがありますが、加熱することで作用しなくなります。
人では少量摂取しても問題ない程度のトリプトシンインヒビターですが、ワンちゃんにとっては少量でも消化不良や下痢の原因になることも。
豆腐は加熱したものを冷ましていつものフードに混ぜたり、ささみと一緒にフードプロセッサーにかけてから、豆腐ハンバーグにするのもおすすめです。
ワンちゃんによっては大豆に対してアレルギー反応を示す子もいます。
大豆アレルギーはもちろん、大豆以外の豆類にアレルギー反応が出たことがあるワンちゃんにも豆腐は与えない方が良いでしょう。
また、初めて豆腐を与える際は少量だけにし、下痢や嘔吐、皮膚を痒がるなどのアレルギー反応が出ないかどうかチェックしてください。
大豆製品に含まれるグリシニンは、鉄の吸収を阻害するとされています。
そのため貧血気味のワンちゃんや、鉄剤を飲んでいるワンちゃんには豆腐を与えないようにしましょう。
豆腐にはカルシウムも多く含まれています。
カルシウムは筋肉・骨・歯の健康のために必要な栄養素ですが、シュウ酸と結びつくとシュウ酸カルシウム結石をつくる可能性があります。
そのためカルシウムが豊富な豆腐は、尿路結石症の既往歴のあるワンちゃんにはおすすめできません。
豆腐に多く含まれるカリウムには筋肉や神経の働きを円滑にしたり、血圧コントロール作用、体内の塩分や水分量の調節や利尿作用など健康なワンちゃんにはプラスに働く成分ですが、過剰摂取すると高カリウム血症を引き起こすことがあります。
とくに腎臓や肝臓、心臓に問題のあるワンちゃんは代謝機能が落ちている場合があるので、豆腐を与えるのは控えた方が良いでしょう。
豆腐は低カロリー高タンパクなため、愛犬にタンパク質を積極的に摂らせたい時にピッタリな食品です。
しかし、いくら体に良いと言っても与えすぎは禁物。
注意点を守った上で、食事に摂り入れてみてくださいね。
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