ワンちゃんを迎える選択肢のひとつに!保健所について知ろう

ワンちゃんを迎える選択肢のひとつに!保健所について知ろう

大きな耳の茶色い子犬をクローズアップ

 
各自治体に設置されている保健所には、迷子で引き取り手のない子や、繁殖引退犬、野犬の他、飼い主によって連れて来られたりするなど居場所のないワンちゃんたちが収容されています。

保健所や自治体にもよりますが、日本ではこういったワンちゃんの多くが、新しい家族が見つからずに収容期限が来ると残念ながら殺処分の対象となりえます。
「殺処分ゼロ」や「殺処分数の減少」を目標に、自治体の動物愛護センターや民間団体、個人ボランティアが懸命に活動していますが、まだまだ多くの自治体でワンちゃんが多数殺処分されているのが実状です。

近年、殺処分への問題視の高まりやSNSの普及により、そういった境遇のワンちゃんを保健所から引き取る方が増えてきています。

今回は保健所からワンちゃんを引き取る方法や、里親になるための必要条件、かかる費用などを解説します。

 

保健所でワンちゃんを引き取るための条件

 veronika-jorjobert-27w3ULIIJfI-unsplash
 
下記は環境省の「収容動物検索情報サイト」のリストです。
まずはここから、居住地に設置されている保健所を探し、HPや電話などで問い合わせをしてみましょう。
譲渡希望者には来所前に調査や面接、オンラインでの譲渡前講習会が必要な場合もありますので、各保健所の指示に従ってください。

環境省-譲渡会等のお知らせ|収容動物検索情報サイト

必要な手続きを経てから、実際に保健所に足を運びワンちゃんとの面会が可能になります。
職員に希望を伝えてマッチングされた子や、HPに掲載されている情報から選んだ子に会うことができるので、事前に調べておくといいかもしれません。

その後、お迎えしたいという気持ちが固まれば申し込みし、譲渡の審査に移るというのが主な流れです。
文章で見るとスムーズですが、実際に里親となることができる人は、さまざまな条件をクリアすることが大前提です。
その条件は各保健所によって違いがありますが、一例を紹介しますので参考にしてください。

里親となるための条件例

・ペット飼育可能な住居であること
・同居する家族全員の同意があること
・終生飼育すること
・室内飼育(戸外での飼育は不可)
・年齢制限(18歳以上60歳未満など)
・自治体への登録
・譲渡後の調査、指導を受けることができる
・狂犬病予防接種、混合ワクチン接種
・保健所所在地在住であること(地域によっては所在地外が可能な場合もあり)
・生涯飼育できるだけの経済力があること

 

一見、条件が多いように感じるかもしれませんが、保護犬たちが新しい家族の元で幸せに暮らすことを第一に考えられた条件であり、ワンちゃんが再び家を失ってしまうことがないように考えられている内容です。

また、ワンちゃんの性格や必要な生活環境なども引き取る上でとても大切なポイントと言えます。
保護犬に面会した際にあまり相性が良くない、生活リズムが合わないと判断されれば、引き取りができない場合もあります。

 

保健所で引き取る際にかかる費用

anoir-chafik-2_3c4dIFYFU-unsplash
 
多くの保健所で引き取り費用は無料ですが、ワンちゃんの自治体への登録料(3000円程度)が必要です。

この他にも不妊・去勢手術が済んでいない子を引き取る場合は手術を行う必要があり、手術費を負担しなければなりませんし、子犬であればワクチンの接種も必要となります。
自治体によっては補助金が出ることもあるため、予め確認するか職員に相談してみましょう。

 

保健所で引き取る際の注意点

 chris-robert-Y0G4uSDIHys-unsplash
 
悲しいことに保健所に収容されているワンちゃんたちは、過去に辛い思いをしている子も多く中には人に対して攻撃的な態度をとる子もいます。
そのような子たちを温かく迎え入れ、二度と悲しい目に遭わせず、生涯幸せに暮らさせてあげるという心の準備は飼い主さんにとって最も重要なことでしょう。

お迎えしても、最初はなかなかうまく関係を築く事ができない可能性が高いものです。
慣れない環境でストレスを感じ、ごはんを食べない、トイレをしない、脱走を試みる、夜鳴きする等、心を閉ざしたままなかなか距離を縮められないケースもあります。
言葉が通じないからこそ、時間をかけて信頼関係を築かなければならず、飼い主さんは苦労することもあるでしょう。

そんな時はYouTubeやブログなどで、経験者の人の話を集めるのもひとつの手のです。
保健所から引き取ったワンちゃんとの向き合い方やトラブル対処法などを詳しく紹介したものもあるので、参考にしてみましょう。

飼い主さんとの距離の取り方はそれぞれ異なりますが、焦らず愛情いっぱいに向き合えば、かけがえのない大切な家族になれるはずです。

 

引き取り後に必要なことは?

razvan-sassu-AHE0IR8ceVY-unsplash
 
保護犬のワンちゃんをお迎えした後に必要なことを確認しておきましょう。

 

新しい環境に慣れさせる

ワンちゃんは初めて会う人、慣れない環境に大変緊張します。
まずは新しい場所や一緒に暮らす人が、ワンちゃんにとって安心できる存在・環境であることを知ってもらうことが重要です。

飼い主さんが過ごす空間にケージを置き、その中を「安心できる自分の居場所」であると理解させます。
ケージの中には寝心地のいいベッドを置き、新鮮なお水を用意しましょう。

ワンちゃんが慣れてきたら、ケージを置いている部屋に放ち探検してもらいます。
この時、誤飲の可能性のあるものは置かないように安全面を確認してくださいね。
室内でフリーにする習慣をつけ、少しずつその時間を延ばしていきましょう。

また、慣れる前に構いすぎると余計に警戒してしまうこともあるので焦りは禁物。
ワンちゃんを迎えた側である飼い主さんも、リラックスして愛犬を受け入れてあげてくださいね。

 

しつけはゆっくり優しく

自宅の環境や飼い主さんに慣れてきたら、少しずつしつけをはじめましょう。
保健所にいた子の中には、虐待やネグレクト(飼育放棄)を受けた経験をした子もいます。

完全に心を閉ざしてしまう可能性もありますので、どんなことがあっても、大きな声で罵声を浴びせたり叩いたりすることをしてはいけません。

保護犬のしつけはハードルが高そうと思っている人もいるかもしれませんが、前の飼い主さんからしつけをされていてスムーズに色んなことを覚えてくれる場合もあります。
引き取った時点でのしつけの有無や、覚えるスピードはワンちゃんそれぞれですので、焦らず心に余裕を持って取り組みましょう。

 

まとめ

保健所からワンちゃんをお迎えする場合は、家族や環境に慣れるまでに時間がかかったり、予想外のトラブルが生じる場合もあります。
もちろん、スムーズに新しい環境に慣れてくれるケースもありますが、迎える前はさまざまなリスクがあることを覚悟しておきましょう。

愛情を持って向き合えば、必ずその気持ちはワンちゃんにも通じ、かわいい家族の一員となるでしょう。
お迎えしたい犬種などさまざまな希望はあるかもしれませんが、どんなワンちゃんも一度迎え入れれば愛らしいパートナーとなるはず!

ワンちゃんを家族として迎え入れたいと考えている方は、ペットショップへ行く前にぜひ保健所という選択肢も検討してみてくださいね。

この記事が気に入ったら
いいね !しよう

この記事はいかがでしたか?みんなにシェアしていただけると嬉しいです♪

ブッチ・ジャパンによる愛犬・愛猫との毎日を応援するペットのためのコラムページ『PECOLA(ペコラ)』。犬・猫に関する豆知識や、ペットの健康・しつけなどのお悩みに関する情報をご紹介します。

上へ戻る