定期的に支援をさせていただいている日本レスキュー協会様より「ぜひ、ペットの防災についての知識を広めてほしい」というお言葉をいただきました。
恥ずかしながら、災害時の備えについてなんとなく聞いたことはあったけれど、実際に準備まではできていなかったスタッフ。
いざという時に役立つ防災知識をご共有いただき、とても勉強になりました。
大切なワンちゃん・ネコちゃんと一緒に災害をのりこえる中で、皆さまの困りごとを少しでも減らせるよう、ご共有いただいた情報をまとめました!
少し長いコラムになってしまいましたが、日本で暮らす以上、人だけでなく動物たちにとっても災害は身近なこと。
ぜひ、最後までお読みいただけると嬉しいです。
また、災害などのトラブルでワンちゃん・ネコちゃんが行方不明になってしまった時のため『わんにゃん捜索ポスター』をご用意しました。
ダウンロードして自由にお使いいただけるようにしていますので、ぜひこちらもご活用ください!
◆『わんにゃん捜索ポスター』 ダウンロードはこちらから↓↓
ブッチオリジナル『わんにゃん捜索ポスター』(PDF)ダウンロード
「同行避難」という言葉を耳にしたことはありますか?
災害が起きた際、ペットと一緒に避難所に避難することを指していて、環境省では、災害時の同行避難を推奨しています。
とはいえ、混乱する実際の災害現場では、どれほどの方が同行避難を出来ているのでしょうか。
日本レスキュー協会様では、平成29年7月5日から6日にかけて発生した九州北部豪雨災害において、各避難所の避難状況を以下のように調査しています。
土砂災害のため、川沿いの家が局所的な被害にあったことも要因のひとつではありますが、災害発生から3~4日経過していても、同行避難できているペットの数はこんなにも少ないのです。
同行避難が出来なかった原因は様々。
「地域の避難所にペットが入れるのかが分からない」
「避難所では他の被災者の迷惑になるのではないか」
「ケージに入らずに逃げてしまった」
飼い主と離ればなれになってしまったペットは、満足な食事や水分が摂れず衰弱したり、怪我をしてしまうことも。
もしもの時、スムーズに同行避難を行うために、あらかじめ備えておくことが重要です。
災害時には何よりも人命が優先されるため、ペットの支援物資は到着まで3日~1週間かかると予想されます。
だからこそ飼い主である私たちが責任をもって、非常用持ち出しセットなどの準備をしておく必要があります。
避難所での慣れない生活から食欲がなくなってしまう子も多いです。
ドライフード等のいつものご飯だけでなく、嗜好性が高くて水分も摂れる缶詰やレトルトフードがあると良いでしょう。
残念ながらブッチは冷蔵フードのため、ブッチや手作り食をメインで食べている愛犬・猫には、災害時にドライフードが食べられるよう、日ごろから慣らしておくことも必要です。
ペットに用意する水は軟水をおすすめします。
ミネラル分が多い硬水を飲み続けると、尿路結石や膀胱結石を引き起こす原因になりうると言われています。
避難所でミネラルウォーターが配られたときは、ボトルの表記から軟水か硬水かをチェックするようにしましょう。
ワンちゃんの場合、予備の首輪とリードのほか、装着している首輪に以下の3つを付けておきましょう。
・鑑札
・狂犬病予防注射の接種後に受け取る注射済票
・飼い主の連絡先が記載された迷子札
※鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は、飼い主の義務と定められています。
猫ちゃんの場合は、ケージから出した時に脱走されないよう、負荷がかかると外れる安全首輪のほか、迷子札を付けたハーネスとリードを用意すると良いでしょう。
愛犬・猫に合った薬や療法食が支援物資として届かないことも考えられます。
普段から投与している薬や療法食がある場合には、多めに持ち出せるように備えておきましょう。
集団生活を余儀なくされる避難所で、動物が苦手な方やペットを飼っていない方への気配りは大変重要です。
また、慣れない生活により睡眠不足やストレスが発生し、愛犬・猫の免疫力が下がることが予想されます。
うんちやオシッコ、抜け毛の処理を適切に行い、ドライシャンプー等で清潔な状態を保てるように準備しましょう。
愛犬と同伴できる避難所でも、鑑札と各種ワクチン接種証明書のコピーがなければ屋内に入れない場合があります。
災害時に首輪が外れてしまった時の事を考え、証明書のコピーを用意しておきましょう。
※出典:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html)
マイクロチップは、万が一愛犬・猫とはぐれてしまった場合、個体識別できる大変有効な手段です。
皮膚が一番伸びる首への装着するため、過度な痛みや出血もなく、短時間で埋め込むことができます。
脱落や破損することもほとんどなく、データが書き換えられることもないため、半永久的に使用できる身元証明となります。
主治医に相談の上、装着を検討しましょう。
万が一、愛犬・猫とはぐれてしまった場合に備え、あらかじめ写真をカラー印刷した迷子ポスターを作っておくことをおすすめします。
また、避難時に写真を印刷することは難しいため、事前の準備が必要です。
ワクチン接種など各証明書のコピーと一緒にファイリングし、油性マジックやガムテープと一緒にまとめておくと良いでしょう。
今回、皆さんにお使いいただけるよう、ブッチで迷子探しのためのポスターを作成しました。
クリックしていただくと保存ができるようになっています。
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ブッチオリジナル『わんにゃん捜索ポスター』(PDF)ダウンロード
<使い方>
印刷したポスターにご愛犬・猫の全身が分かる写真を貼り、必要事項を記入してから、複数枚カラーコピーをしておきましょう。
行方不明になったエリアや連絡先については、後から手書きで書き足してください。
もしもの時に、ぜひご活用ください!
避難所には当然ながら、たくさんの見知らぬ人が集まり、寝食を共にします。
以下のしつけをしっかりとしておくことで、周りの人の迷惑にならないだけでなく、慣れない避難生活の中での愛犬・猫のストレス軽減にもつながります。
・ケージの中で落ち着いていられる
・おとなしく抱っこされている
・呼び戻しができる
・ムダ吠えや要求吠えをしない
・口輪やネッカー(別名:エリザベスカラー)が付けられる
ケージに入るトレーニングや、犬用の靴を履くためのトレーニングについては、日本レスキュー協会様のホームページに詳しく掲載されていますので、ぜひそちらもご覧ください。
◆ハウストレーニング | 災害救助犬・セラピードッグを育成、派遣する認定NPO法人 日本レスキュー協会
http://www.japan-rescue.com/動物福祉・保護について/disaster-control/training/
◆靴の履かせ方 | 災害救助犬・セラピードッグを育成、派遣する認定NPO法人 日本レスキュー協会
http://www.japan-rescue.com/動物福祉・保護について/disaster-control/shoes/
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今回、ご協力いただいた日本レスキュー協会様では、災害救助犬の育成・派遣や、被災地へのセラピードッグの派遣を行っていらっしゃいます。
このコラムでは、そんな被災地を知るプロ直伝の災害時の備えをご紹介しました。
いつか準備しておかなくちゃと思いつつ、ついつい先延ばしにしてしまっていた……
なんて方はこの機会にぜひご家族で取り組んでみてください(^^)/
今回、監修してくださった日本レスキュー協会様では、災害救助犬の育成・派遣を行っています。
災害救助犬の訓練の様子や、有事の際の活動についてまとめました!
◆災害救助犬ってどんなことをしているの? ~日本レスキュー協会の活動~
https://www.butch-japan.jp/archives/pecola/rescuedog
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