2016年からブッチがフード支援を続けている「認定NPO法人 日本レスキュー協会」様(以下、日本レスキュー協会さん)では、セラピードッグと災害救助犬の育成・派遣を行っています。
地震や土砂災害等の自然災害が発生した際、ニュースで災害救助犬の活躍を耳にすることも多くなってきましたよね。
しかし、セラピードッグについてはその活動内容をあまり知られていないのが現状です。
そこで!
子どもたちが長期入院する病院や、福祉施設、被災地の仮設住宅で活躍する彼らの活動を皆さんに知っていただきたく、ブッチスタッフが日本レスキュー協会さんを訪問し、セラピードッグについて取材してきました!
さらに、日本レスキュー協会さんで活躍する7匹のセラピードッグも紹介しちゃいます♪
訪問したブッチスタッフは、人が大好きなセラピードッグの歓迎っぷりにすっかり骨抜きにされてしまいました!
活動内容はもちろん、日本レスキュー協会さんのセラピードッグたちののびのびとした姿も一緒にお届けします。
私たちブッチは、ご愛用中の皆さんがいるからこそ支援を続けることができます。
だからこそ、この素晴らしいセラピードッグの活動を皆さんに知っていただければ嬉しいです。
ぜひ、ご一読ください(^^)
▲ブッチスタッフを大歓迎してくれる笑吉くん!初めて会う人もこの懐っこさに癒されること間違いなしです
セラピードッグとは、高齢者や治療が必要な方、障がいのある方など、さまざまな人の心のケアを目的に活動するワンちゃんのことを指します。
ワンちゃんを見たり触れ合ったりすると、心が癒され温かい気持ちになりますよね。
その温かい触れ合いによって、ケアを必要とする人の不安やストレスが軽減されたり、緊張感が緩和されるのです。
さらに、病気や怪我をしている人の闘病意欲やリハビリへのモチベーションの向上も期待できます。
そんな大役を担うセラピードッグは、慣れない場所を訪問したり初めて会う人と触れ合うため、さまざまな適性が求められます。
性格はもちろん、人や環境への適応力、見慣れないものに対する反応などにおいて適性があると判断されたワンちゃんが訓練を重ね、セラピードッグになることができるのです。
訓練と聞くと厳しいイメージを持つかもしれませんが、日本レスキュー協会さんではお座りや待てなどの基本的なしつけの他に、遊びながらできる訓練を日々行っています。
たとえばマットなどの決められた場所に自ら乗って待てをさせたり、おやつを与える時はジャーキーを持つ手に歯があたらないように食べさせるなどといったトレーニングです。
さらに、訪問先の施設では利用者と一緒におもちゃを使ったアクティビティを行うこともあるため、ボールキャッチやフラフープなどで遊びながら教えているそうです。
セラピードッグにおいては、ワンちゃん自身がストレスを感じずに楽しくいられることが、訪問先で人を癒すための必要条件。
実際に訪問したブッチスタッフに対しても、撫でてほしくて体を寄せてきてくれる子やお腹を見せてくれる子ばかりで、初対面にも関わらず大歓迎を受けました!
中にはもらったおもちゃを咥えたまま私たちに見せびらかしにくる子も(笑)
その様子は厳しい訓練で律されたものではなく、心から「人が大好き!遊ぼう!」と言っているようで、セラピードッグとして活動することが性に合っているのだなと実感しました。
▲アイコンタクトをしながらご挨拶。見つめ合うことで幸せホルモンが分泌されますよ♪
前述したように、セラピードッグと触れ合うことで人はさまざまなプラス効果を得ることができます。
その効果について少し専門的な言葉を使いながら、より具体的に紹介しましょう。
まず、知っておいていただきたいのが私たち人間がワンちゃんと見つめ合うことで分泌される「オキシトシン」というホルモンについてです。
別名「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれ、お互いの絆を深めたり不安や恐怖を抑えてくれることが国内の研究で明らかにされています。
このオキシトシンによって、ドッグセラピーでプラスな効果が生まれるのです。
その効果は、大きく「身体的効果」「心理的効果」「社会的効果」の3つに分けられます。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
脳性麻痺などにより体を動かすことやリハビリを必要としている方に、より積極的に体を動かしてもらえるという効果が得られます。
ワンちゃんを撫でるだけでも腕を動かす運動に繋がりますが、日本レスキュー協会さんではこの効果を高めるために、訪問先でセラピードッグとのレクリエーションを行っています。
レクリエーションでは参加者の方にボールを投げてもらったり、手にしたフラフープをワンちゃんがジャンプしてくぐるなど、セラピードッグと一緒に楽しみながら体を動かしてもらうのです。
セラピードッグの存在がモチベーションを向上させ、意欲的に体を動かすことに繋がります。
食事やトイレなどの日常生活において補助が必要な方に対しては、セラピードッグとの触れ合いで「誰かを喜ばすことができる」という前向きな思考を持ってもらうことができます。
セラピードッグにおやつを食べさせたり、ブラッシング等のお世話をすることが、自信や自尊心を取り戻すことに繋がるのです。
福祉施設や仮設住宅への入居等の環境の変化により、周囲とコミュニケーションが難しくなってしまった方が、セラピードッグとの交流によって他の参加者との接点を作ることができます。
自宅や自室からあまり出られない方でも、セラピードッグの来訪に興味を持ち参加してくれるケースも多いようです。
さらに日本レスキュー協会さんでは、参加者同士が交流できるようなレクリエーションを行うことでその効果を高めています。
▲子どもたちに読み聞かせしてもらう海音ちゃん。そっと寄り添う姿が愛らしいですね
前述したようにセラピードッグは高齢者や治療が必要な方、障がいのある方など、さまざまな人の心のケアすることができます。
そのため、福祉施設や病院、災害のあった地域の仮設住宅等を訪問し、直接の触れ合いを大切にしているのです。
日本レスキュー協会さんでは、2016年から和泉市にある大阪母子医療センターさんを定期訪問しています。
「さまざまな病気で入院する子どもたちを元気づけ、闘病意欲を高めるためにドッグセラピーを導入したい」という病院からの要望を受け、この取り組みがスタートしました。
免疫力が低下している子どもたちがいる院内にワンちゃんが足を踏み入れることについて感染症の懸念もありましたが、獣医師を招いた講習会を病院スタッフ向けに実施し理解を深めるとともに、基本的な健康管理やワクチン接種の他に、定期的な検査・健診をすることで感染症を予防しています。
このようなさまざまな課題を乗り越えながら準備に半年を費やし、セラピードッグたちの定期訪問がスタートしました。
現在では週に一度の訪問を、長期入院中の子どもたちやその家族が待ちわびています。
子どもたちは日々の治療や手術、一時帰宅の後の再入院など辛いことがあっても「セラピードッグに会うために頑張る」「セラピードッグに会える」と前向きな気持ちを取り戻すひとつのモチベーションになっているそうです。
中には生まれてから一度もワンちゃんを見たことがない子や、接し方が分からない子もいるそうですが、穏やかで人が大好きなセラピードッグだからこそ次の訪問が楽しみになるのではないでしょうか。
日本レスキュー協会さんでは上記以外にも、図書館を訪問し子どもたちの読み聞かせ相手として活動する読書介助犬等、活動の分野を拡げています。
読書や人前で話すことが苦手な子どもたちは、読み間違いを指摘せず大人しく耳を傾けてくれるワンちゃんを相手に読み聞かせをすることで、自己肯定感や自発性を育てられるのです。
さらに、セラピードッグたちが暮らす施設を訪れる来場型の「セラピードッグハウス」の取り組みも注目されています。
大勢の人と接することが苦手な方でも、個別にワンちゃんに触れ合えるため安心して利用することができるのが大きな魅力です。
定期訪問先の病院を退院した子が遊びに来てくれることもあるのだそう。
このようにセラピードッグはさまざまな場で、たくさんの人を勇気づけ癒していることが分かりますね。
これからもその活動の場を広げられるよう、ブッチも陰ながら応援させていただきます!
▲セラピードッグハウスでの1枚!見た目も性格もバラバラな7匹ですが、みんな人が大好き♪
取材をした2023年5月現在、日本レスキュー協会さんで活躍するセラピードッグは犬種も性格も異なる7匹のワンちゃんたち。
どの子も人懐っこいのですが、コミュニケーションの取り方や接し方はワンちゃんによってさまざまです。
訪問活動で触れ合っている子どもたちの中には、お気に入りのセラピードッグを「推しワンコ」として活躍を応援する子もいるのだそう。
そんな魅力いっぱいの日本レスキュー協会さんのセラピードッグを紹介します!
7匹の中でいちばん体の小さなトイ・プードル。
連続ジャンプをしながら、「撫でて~」とアピールしてくれます。
得意技はジャンプをしながらのバンザイ!
小さな体で膝に乗ることができるので、高齢者や子どもたちにも大人気です。
白い毛色がきれいなラブラドール・レトリバー。
笑顔満点のかわいい女の子です。
大好きなおもちゃを咥えると、ご機嫌に見せびらかしてくれます(笑)
温かくて大きな体を抱きしめると気持ちが安らぎます。
7匹の中でいちばん体の大きいゴールデン・ドゥードゥル。
元気いっぱいな男の子です。
尻尾だけでなく全身を大きく揺らして喜ぶ姿がキュート!
もふもふの毛の下にはスリムで筋肉質な体が隠れているんですよ。
おしとやかな振る舞いが魅力のミックス犬。
高知県の保健所からレスキューされた元保護犬です。
柴ミックスのような見た目でスリムな美ボディが魅力的!
お尻を撫でられるのが大好きで、そっとお尻を向けてくれます(笑)
7匹の中でいちばんベテランの柴犬。
キリっとしたお顔で男の子に間違えられることもしばしば。
若い者には負けないやんちゃな一面も。
芸達者でドッグダンスもできちゃうんです!
もうすぐ3歳を迎えるチワワ×トイ・プードルのミックス犬。
元気いっぱいの性格でやんちゃな末っ子。
パテラの手術を経て今は療養中です。
ふわふわの触り心地が気持ちいいミックス犬。
元保護犬でしたが、人好きな性格からセラピードッグへ。
座る人の膝の上を滑り台のようにして触れ合ってくれる人懐っこさ!
初対面の人にも出会って数秒でお腹を見せてくれます(笑)
今回、日本レスキュー協会さんにお邪魔し、セラピードッグの生き生きとしている姿に目を奪われました。
「人が大好き!」「一緒に遊ぼう!」という気持ちが溢れ出ていて、見知らぬ人との出会いを心から喜んでいるのが伝わってきます。
訪問活動へのお出かけを察知すると「行きたい!連れて行って!」とアピールしてくる子も多いのだそう。
「セラピードッグ自体がこの活動を楽しんでいなければ、セラピーにはならない」というハンドラーさんの言葉の通り、まずはワンちゃんたちが人との出会いやさまざまな経験を楽しんでいます。
そんなセラピードッグが活躍する活動を、これからもブッチは応援していきます!
また、日本レスキュー協会さんでは、災害救助犬の育成・派遣や犬の保護活動も行っています。
さらに佐賀県に誘致されスタートした佐賀県支部「MORE WAN」は、平常時はさまざまな講習会の場やドッグランとして、有事の際はペット同伴の避難所や緊急物資の集積所としての機能を兼ね備えた災害支援拠点として地域の防災に一役買っています。
こういったさまざまな取り組みについては、ぜひ日本レスキュー協会さんのホームページをご覧ください!
活動を知ることがひとつの応援・支援に繋がります。
私たちにできる第一歩として、ご家族やご友人にこの活動についてお話ししてみてはいかがでしょうか。
※掲載写真の一部は、日本レスキュー協会さんよりご提供いただきました。
参考リンク📝
認定NPO法人 日本レスキュー協会
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