雷の音が聞こえると、愛犬がパニックを起こしそわそわしたり急に吠えてしまうなんてお悩みの方は多いでしょう。
私たちでも雷の大きな音や地響き、ピカっと光る様子に驚いてしまうので、人間よりもはるかに優れた聴覚を持つワンちゃんが敏感に反応してしまうのは当然ですよね。
そんな時、飼い主さんがどう接してあげれば愛犬の不安を軽減できるのでしょうか。
今回は、雷とワンちゃんについてまとめました。
ワンちゃんが雷を怖がる理由を理解し、飼い主さんができる対策、予防策を身につけましょう。
まずは、ワンちゃんがどうして雷を怖がるのか、その要因を5つピックアップしてご紹介します。
ワンちゃんが雷に怯える理由を知っていれば、もしもの時に冷静に対応しやすくなり、予防にも生かすことができますね。
野生で暮ららしてきた犬にとっては、命を脅かしかねない雷。
現代のワンちゃんもその名残として、本能的に恐怖を感じている可能性が考えられます。
また、過去に雷と関連し怖い経験をしたことがトラウマになっているケースがあります。
例えば、すぐ近くに雷が落ちた、停電によりエアコンが停止し体調を崩したなどが考えられます。
ワンちゃんは聴覚が優れているため、私たちよりも大音量で雷鳴が聞こえてしまいます。
その音に驚き、不安を感じてしまうワンちゃんが多いのです。
さらに雷により空気が震動するため、揺れるような衝撃もワンちゃんにとって恐怖になるのかもしれません。
また、光に敏感なワンちゃんにとっては、雷の瞬間的な光も恐怖となります。
雷は強力な静電気から発生するもの。
近くで雷が鳴ってると身の回りのものが静電気をおびやすくなるように、ワンちゃんにも静電気が伝わります。
ワンちゃんは全身が毛で覆われていて汗腺がないことで静電気がたまりやすい体質と言えます。
さらに、体にたまった静電気が濡れた鼻先でパチッと放電してしまうことも。
そういった違和感や不快感により、雷を嫌がるようになる子がいるようです。
また、雷によって発生するオゾンの匂いが関係している可能性も考えられます。
オゾンは「生臭い」「プールの匂い」と表現される独特な匂いがあるため、鋭い嗅覚を持つワンちゃんには嗅ぎ分けることができ、そのオゾン臭を嫌がる子も多いようです。
人間と同様に気候の変化による気圧や湿度の低下が、ワンちゃんの体調を左右することもあります。
雷の前後に、愛犬が怠そうな様子を見せたり、調子が悪くなったりする場合は、この要因を疑ってみましょう。
また、普段通りの呼吸をしていても酸素の供給量が減り、食欲がなくなったり体調を崩したりする子もいるため注意が必要です。
ワンちゃんは飼い主さんの表情や態度を、敏感に感じ取ることができます。
そのため、飼い主さんが怖がったり緊張していると、同じように恐怖や不安を感じてしまうもの。
雷が近づいて大きな音が鳴り響いていても、できるだけ飼い主さんが平静を装いいつものように過ごすことで、愛犬の不安の軽減につながるでしょう。
ワンちゃんが雷を怖がる理由をふまえて、飼い主さんができる対策と予防を実践していきましょう。
具体的にどのような対策ができるのか、まとめてみました。
前述したとおり、まずは飼い主さんが冷静でいることがワンちゃんの安心につながります。
雷がピカッと光った時に「きゃー!」などと大きな声を出して、耳を塞いで怖がっている様子を見せてはいけません。
家事をしたりテレビを見たり、できるだけ普段通りの生活を心がけましょう。
室内にワンちゃんが安心できる、逃げ場を用意するのも有効です。
雷が鳴ってから準備しても安心してもらえないので、普段からワンちゃんが自由に出入りできる隠れ家を用意しておくと良いですね。
その際は、窓がなく(もしくは窓が小さい)屋外の騒音が伝わりにくいクローゼットや小さな部屋がおすすめ。
サークルやドッグベッドを置き、カーテンや大きめのタオルで覆ってあげると直接稲光を見ることがなくなり安心感を得やすくなります。
また、お気に入りのおもちゃやタオルなど、ワンちゃんの匂いのついたものを入れておくとさらにリラックスできますね。
ワンルームで一人暮らしをしている飼い主さんは、ワンちゃんが雷から避ける場所を作るのが難しい場合もありますよね。
その場合は、雷が激しい時間に合わせてお手やお座りの練習をしてできたらご褒美のおやつをあげる、などのご褒美タイムで気を紛らわすのもおすすめです。
雷が近づいたらご褒美がある、と覚えてくれたらこっちのもの!
ワンちゃんにとって、雷が鳴っている間は怖い時間ではなく楽しみな時間になります。
また、日常的に慣れ親しんだ生活音で気を紛らわす方法もおすすめです。
テレビや掃除機、洗濯機などの普段から流れている生活音を立てて雷の大きな音から意識をそらせてあげましょう。
最近では、雷の静電気によるストレスを軽減するネックレスやスプレー、マットなどの静電気除去グッズも目にするようになりました。
また、ワンちゃんの体に長い布をたすき掛けにし、体を包まれる安心感を与える方法などもインターネットで紹介されています。
ワンちゃんによって効果を感じられない場合もあるので、レビューなどをチェックして選んでみてくださいね。
ワンちゃんによって、雷への恐怖心が強く「雷恐怖症」と呼ばれる症状がでる子もいます。
愛犬がパニックを起こしたり、行動に不安がある場合は、動物病院に相談しましょう。
必要に応じて、抗不安薬や抗不安サプリメントを処方してもらえます。
ワンちゃんが雷で怖がっている際の対応について、いくつか注意点があります。
怖がっているからといって間違った対応をしてしまえば、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとってもマイナスに…。
ついついやりがちな間違った対応を紹介していきますので、心にとめておいてくださいね。
雷が鳴っても、必要以上にワンちゃんをなだめてはいけません。
雷が鳴ってワンちゃんが普段と違う行動をとった際に、「怖いね~、よしよし~」となだめてしまうことで、雷を怖がれば飼い主さんが優しくしてくれる、と間違って覚えてしまいます。
雷で不安そうにしているワンちゃんを見ても、あくまでも普段通りの生活をすることを心がけましょう。
ワンちゃんが雷を怖がる理由でも述べたとおり、ワンちゃんは悪気があって普段と違う行動をとっているわけではありません。
不安になっているワンちゃんをケージに閉じ込めて「うるさい!」などと叱ることは絶対にやめましょう。
さらに不安が高まり、自傷行為や思わぬケガ、事故につながることになります。
ワンちゃんの隠れ家、逃げ場を用意することをおすすめしましたが、この時、ドアを閉めたり閉じ込めることはNGです。
あくまでも安心できる場所ですので、自由に出入りができる安心スペースを作ってあげるようにしましょう。
地域にもよりますが、日本では夏に局地的な雷雨(スコール)が起こりやすくなります。
ワンちゃんをお迎えしたら、いざという時に備えて普段から安心できる隠れ家を作って突然の雷雨や震災にも備えておくと良いですね。
ワンちゃんは不安行動から、パニックになると何をするかわかりません。
万が一外に飛び出してしまった時のことも考えて、迷子札をつけておくのもおすすめです。
気候の変化があっても、ワンちゃんが安心して暮らせる環境を普段から心がけておきましょう。
ワンちゃんが雷を怖がってぶるぶる震える原因を知って、上手にケアしてあげてくださいね。
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