約8割が歯周病と予備軍!?犬猫がかかりやすい歯の病気とは【ニュース】

約8割が歯周病と予備軍!?犬猫がかかりやすい歯の病気とは【ニュース】

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人と同じように、ワンちゃん・ネコちゃんも生きるために食事が欠かせません。

生き物にとって「食べる」ということは栄養を体に摂り入れ、体を成長させたり働きを維持することです。
その食生活を支えるためには、お口の健康維持が必要不可欠。

近年、犬猫のオーラルケアにも注目が集まり、ケア商品やサービスを目にする機会も多くなってきました。
とはいえ積極的なオーラルケアの重要性は知っていても、なかなか愛犬愛猫の協力が得られずに苦戦している飼い主さんも多いことでしょう。

ケアは大変ですが、怠ってしまうと重大な病気にかかってしまうこともあるのです。
今回は犬猫がかかりやすい歯の病気について、ペット保険会社がまとめた調査結果を紹介します。

 

最もかかりやすいのは「歯周病」

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まず、どのような歯の病気にかかっているか、集計結果をランキングでご紹介します。

トップは全体の52.9%を占めた「歯周病」。
これに続くのは「歯肉炎」の17.9%で、「その他」は18.4%、以下「歯槽膿漏」が4.1%、「歯根・根尖膿瘍」は3.6%、「口内炎」が3.1%となっています。

「歯周病」が全体の半数超とワンちゃん・ネコちゃんに非常に多く、「歯肉炎」も約18%に見られました。
歯肉炎は歯周病の初期段階であり、歯茎が腫れるといった比較的軽度な炎症の状態です。
歯肉炎を放置すると、歯を支える骨にまで炎症が及び、歯周炎となってしまいます。

歯周病は、一般に歯肉炎と歯周炎の総称として用いられているため、歯肉炎も歯周病のうちと考えることもできます。
歯槽膿漏は、歯周病が最も進んだ病状で、最後には歯が抜け落ちてしまうものです。
よってこれらを合わせた、歯周病と歯周病予備軍では、全体の8割超が占められていることが分かります。

歯根・根尖膿瘍は、やや聞き慣れない疾患かもしれませんが、歯根と呼ばれる歯の根っこ部分、その先端にあたる根尖周辺に炎症が発生し、膿の袋ができた状態をいいます。
進行すると膿がたまり、それによって顔が腫れたり、膿が頬から出てきたりする場合もあります。
歯の周辺にあたる眼下や鼻などに穴が開き、外へ出てきてしまうケースもあるほか、歯の周辺にある骨を溶かし、下顎骨骨折を引き起こすこともあるなど、深刻な症状につながる怖い病気のひとつです。

口内炎は、免疫力の低下やウイルス・細菌などの感染症、歯周病などが関係して発生するといわれ、体調悪化のサインともなりますから、注意してみておきたい症状になるでしょう。
治療には歯石除去や抜歯を要するケースもあり、ワンちゃん・ネコちゃんの場合では、口内炎も歯の病気として扱われています。

 

ネコちゃんは「口内炎」が多い傾向

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続いて、ワンちゃん・ネコちゃん別に疾患の発生状況を分析すると、ワンちゃんの場合では「歯周病」が55.3%と非常に多く、ネコちゃんの35.1%を20ポイント以上上回っていました。

一方、次いで多い「歯肉炎」はワンちゃんが16.4%であるのに対し、ネコちゃんは29.2%と倍近くになっています。
ここから、ワンちゃんの方が歯周病へと進行しているケースが多いことがうかがわれました。

「歯槽膿漏」もワンちゃんで4.4%と、ネコちゃんの1.9%より多く、「歯根・根尖膿瘍」もワンちゃんが4.0%、ネコちゃんでは0.0%と、ワンちゃんに目立つ結果に。

全体にワンちゃんの歯の病気の進行が目立つ中、ネコちゃんでは「口内炎」が16.8%と多く見受けられました。
ワンちゃんがごく少ない1.2%であることと比較すると、その差がより一層、目につきます。
ネコちゃんの口内炎は、人のように口腔内の一部にできるのではなく、広範囲に発症するという特徴があり、深刻な影響をもたらしやすい傾向がみられます。
またこれが歯周病を原因とする場合、歯石除去や全抜歯となることもあり、たかが口内炎と見過ごすことはできません。
十分に注意してあげる必要があります。

 

まとめ

ワンちゃん・ネコちゃんの歯の病気では、歯周病とその予備軍が非常に多くを占めることが分かりました。

歯周病などの歯の病気は、放置して進行すると、歯が抜け落ちたり、骨を溶かしたりしてしまいます。

また近年の研究によると、ワンちゃん・ネコちゃんの歯の病気が、心臓病や糖尿病、肺炎といった全身疾患と深い関わりがあることも明らかになってきました。

元気に美味しく食べることを支えるお口の健康は、あらゆる面で大切なものなのですね。
普段から問題がないか十分に気を配り、異常が見られた場合には、早期治療でしっかり対応してあげるようにしましょう。

 

 

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