かけがえのない家族である愛犬や愛猫。
できることならずっと一緒に年を重ねたいものですが、彼らの寿命は私たちの5~6分の1程しかありません。
そんな愛犬・愛猫の健康寿命を延ばすためには、日々の健康管理と定期的な健康診断が有効です。
病気には遺伝や外部環境等さまざまな要因があるため、すべてを予防することは難しいと言えるでしょう。
だからこそ重要となるのは、病気や異常の早期発見です。
日ごろから体調や体を観察することはもちろんですが、定期的に健康診断を受けることで、私たちから見えない異常の発見に繋がります。
とくにシニア期になれば、より専門的な観点からケアすることの重要性も高まっていきますね。
今回は、愛犬・愛猫の定期的な健康診断についての実態調査を紹介します。
まず、ワンちゃんの定期健康診断受診率の推移をみると、最新の2021年結果は「定期的に受診」しているケースが49%で約半数、「受診経験はある」人が31%、「受診したことはない」という人は20%でした。
「定期的に受診」している人は昨年の43%に比べ6ポイント低下しましたが、これを除くと2016年以降、順調に定期受診率が伸びてきています。
同様にネコちゃんの定期健康診断受診率推移をみると、今回の2021年では「定期的に受診」しているケースが38%に上りました。
こちらも昨年が34%で4ポイント低下していますが、このポイントを除外すれば、2016年の24%から堅調な上昇傾向がみられています。
2020年の定期受診率低下は、新型コロナの流行に伴う受診控えが背景にあると考えられますが、それも一時的な影響で、直近では再び伸びてきていることが分かりますね。
2016年からの増加幅を見ると、とくにネコちゃんの増加傾向が目立ちます。
ネコちゃんは一般に体調不良を隠す習性があり、長く一緒にいる家族であっても病気の兆候に気づきにくい、気づいた時には遅かったというケースが少なくありません。
だからこそ定期的な健康診断のもつ意義が大きくなります。
2021年でも「受診経験はある」人が43%で、まだ「定期的に受診」する38%を上回っており、より定期の健康診断が広がることが望まれるでしょう。
続いて、初めて健康診断を受けさせた年齢を尋ねたところ、全体では「0歳」が30%、「1歳」が38%、「2~3歳」は13%で、「4~6歳」が11%、「7~9歳」2%、「10歳以上」が6%という結果でした。
0歳~1歳との回答が7割弱にのぼっています。
とくに今の年齢が7歳未満のワンちゃん、ネコちゃんの場合、0歳、1歳での初健診が多く、ワンちゃんでは32%が「0歳」、48%が「1歳」となったほか、ネコちゃんでは45%が「0歳」、43%が「1歳」と回答されていました。
7歳以上に比べて圧倒的に高く、これらの層が今後も定期健診を受け続けていけば、将来、さらに定期健康診断の受診率は全体として高まっていくものと見込まれます。
受診のきっかけを尋ねたところ、「動物病院ですすめられて」という声が41%で最多になりました。
2位は「ペットを病気で亡くした経験があった」の24%、3位は「健診をすすめる記事や情報を見たり読んだりした」の17%です。
ワクチン接種やフィラリア予防などの目的から、まだ小さな子犬・子猫の時に動物病院へ連れて行った際、病院から勧められて健康診断を受けるようになる子が多いようです。
実際に受診する項目を具体的に尋ねると、「問診」が最多の88%、「触診」が続く86%で、3位は「視診」の78%でした。
比較的手軽に行えるものがやはり上位を占めています。
4位は「聴診」と「血液検査」で同率の66%でした。
腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病などの発見に役立つ「尿検査」は31%、消化管内出血や消化状態などをチェックする「便検査」は25%です。
これらは上位5つに比べると受診率が低いものの、昨年に比べると尿検査が15ポイント、便検査でも8ポイントの増加を記録しており、伸長傾向がみられました。
「レントゲン」検査も昨年17%から27%と10ポイントアップし、受診率が上昇していました。
なお「超音波検査」は14%となっています。
問診から触診、視診、聴診、血液検査、尿検査、便検査、レントゲン検査の8項目は、やはり全身の健康状態を正確に把握することを考えれば、いずれも受けておきたいものです。
ワンちゃんの年齢や既往歴によって、受けるべき項目も変わってくるかもしれません。
健康診断を受ける際は、かかりつけの獣医さんに相談して項目を決めると安心ですね。
最後に、こうした定期健康診断で実際に愛犬・愛猫の病気や異常はどの程度発見されているのでしょうか。
発見率を調べたところ、全体では32%、「犬7歳未満」で18%、「猫7歳未満」で21%、「犬7歳以上」では44%、「猫7歳以上」で47%でした。
やはり年齢を重ね、7歳以上になってくると発見リスクが顕著に高まっていると分かります。
病気や異常の内訳では、7歳以上のワンちゃんの場合、「肝・胆・膵」が25%、「歯・口腔」が22%、「消化器」、「皮膚」、「筋・骨格」が各19%でした。
7歳以上のネコちゃんでは、「泌尿器」が49%で非常に高く、「循環器」24%、「肝・胆・膵」の19%と続いています。
家族の一員として、愛犬や愛猫にも定期的な健康診断を受けさせる飼い主さんが着実に増えてきていることが明らかとなりました。
一見、健康そうに見えても、思わぬ病気が隠れていることもあります。
悪くなってから対処するのではなく、普段から健康状態に気を配り、良好な状態を保って、健康寿命を延ばしてあげたいですね。
参考リンク
PRTIMES
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