皆さんは愛犬のおしっこや、排せつ時の様子を日々チェックしていますか?
排泄物であるうんちやおしっこは、健康のバロメーターと呼ばれ、観察することで体の不調や病気の早期発見につながります。
そこで今回は、ワンちゃんのおしっこの回数や量が極端に増えた場合、どのような問題が考えられるかを紹介します。
ワンちゃんのおしっこの回数や量は、年齢や習慣、個体差で異なります。
室内での排泄が習慣化してないワンちゃんの場合、散歩の時にのみおしっこをするため必然的に回数が少なくなります。
一方、室内での排泄ができるワンちゃんの場合は、いつでもトイレを利用できるため回数が増え、平均3~5回程度する場合が多いようです。
パピーの場合には小さな体におしっこを大量に溜めておくことができないため、1日に10回以上おしっこをすることもあります。
このように回数には個体差があるので、いつもどれくらいおしっこをしているか、愛犬の平均的な回数を把握しておくといいですね。
また、成犬の1日のおしっこの量の目安は体重1kgあたり50mlとされています。
例えば3㎏のワンちゃんなら、1日に150ml前後であれば平均的と言えますね。
あまりおしっこの量を測ることはありませんが、参考までに覚えておくといいかもしれません。
愛犬が頻繁におしっこをしていたり、1回の量が極端に多いと感じる場合には、下部尿路疾患の疑いがあります。
下部尿路疾患とは、膀胱から尿道の出口までの下部尿路に生じる疾患の総称のこと。
その中でもワンちゃんの場合、尿に含まれるミネラルが膀胱や尿道の中で結晶化し、砂や石のように固まってしまう「尿路結石症」が多くみられます。
また、細菌感染を原因とする膀胱炎も発症しやすいようです。
とくに女の子は尿道が短いために細菌が外から侵入しやすいため、注意が必要です。
細菌性膀胱炎は、菌に対して効果的な薬を使うことで改善するため、動物病院での治療が欠かせません。
しかし膀胱炎を繰り返したり、完治までに時間がかかったりすると、別の病気が疑われることも。
その場合はしっかり検査してもらいましょう。
下部尿路疾患になった場合、飼い主さんが愛犬のおしっこや排泄時の様子に異常を察知し、発覚するパターンが非常に多いです。
ワンちゃんによっては痛みを我慢し不調を見せない子もいるので、日ごろからおしっこの回数等をチェックし、ささいな変化に気づけるようにしておくと安心ですね。
ワンちゃんの下部尿路疾患を早期に発見するには、私たち飼い主が排泄の様子を観察することが一番の近道です。
下記の症状が1つでも当てはまる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
・頻繁におしっこをする
・極端におしっこの回数が減る
・排泄しようとしてもおしっこが出ない
・トイレ以外での粗相が増える
・尿漏れが見られる
・排泄時に鳴く唸るなど痛そうな様子を見せる
・お腹を触られるのを嫌がったり、痛がる
・尿の色がいつもより濃いまたは薄い
・尿の色が赤みをおびている、白く濁っている
・尿の匂いがいつもよりキツい
・急に飲水量が増えた など
ワンちゃんは言葉で病気を伝えることができないので、飼い主さんが愛犬の体調をしっかりと把握することが大切です。
下部尿路疾患は再発しやすいため、完治してもまたすぐにかかってしまうことがあります。
治っても油断せず、以下のポイントを押さえて日々の生活から予防を心掛けましょう。
水分量が不足してしまうと尿中のミネラル濃度が高まり、結石ができやすくなります。
水を飲ませるのが望ましいですが、あまり積極的に飲んでくれない場合には、お肉の茹で汁やワンちゃん用のミルク等で少し香りをつけたものを用意してあげましょう。
また、ミネラルウォーターはその名の通り、ミネラル分が多く含まれるため、ワンちゃんに与えるのは避けましょう。
水道水やワンちゃん用の飲料水を飲ませてください。
尿路結石は結石の成分によって、ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石、尿酸塩結石などに分類されます。
それにより控えるべき栄養素が異なるので、再発の予防をする際はかかりつけの獣医師に確認するようにしましょう。
また、ドライフードは水分量が非常に少ないため、お湯でふやかすかウェットフードに切り替えるなどの予防策もおすすめです。
飲むにしても食べるにしても、ワンちゃんが口にする水分を増やすことを心がけましょう。
下部尿路疾患を予防するには、おしっこを我慢させないことも大切です。
室外でしかトイレをしない子の場合は、外に連れ出す回数を増やし排泄をさせましょう。
一方、室内でトイレができる子の場合は、トイレまわりを清潔に保ちストレスなく排泄できる環境を作ります。
どちらの場合でもトイレ後には褒めてあげるなどして、積極的に排泄をするよう促してあげてください。
下部尿路疾患は、毎日の食事や排泄環境が大きく関係します。
反対に言えば私たち飼い主が気を付けることで予防できる疾患です。
日々の食生活や運動、排泄に気を配り、予防してあげてくださいね。
また、下部尿路疾患が疑われる場合には速やかに動物病院を受診し、早期治療ができるようにしましょう。
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