私たち人間と同じように、ワンちゃんも生きていく上で水分補給は欠かせません。
新鮮でおいしい水を飲ませてあげたいというのが親心ですが、どんな水がワンちゃんに適しているのでしょうか。
また、愛犬にはどれくらいの量の水が必要なのでしょうか。
今回は日々の生活に欠かせない飲み水について、詳しく解説していきます。
私たち人間が口にする水は、カルシウムやマグネシウムの含有量によって軟水と硬水に分けられます。
カルシウムやマグネシウムが少ない軟水は、硬水に比べ尿石症になるリスクが少ないため、ワンちゃんの飲み水に適しています。
尿石症とは、カルシウム、リン、マグネシウムなどの過剰なミネラルにより膀胱(ぼうこう)や尿道、腎臓に結石ができてしまう病気。
摂取したミネラルは尿中に排出されますが、その量が多すぎると溶けきれないミネラルは結晶化して結石となってしまいます。
そのため、ワンちゃんの毎日の飲料水にはミネラルウォーターなどカルシウムを多く含む硬水は適していません。
飲ませてはいけないわけではありませんが、ワンちゃんの体のことを考えると常用するのは避けた方が無難でしょう。
日本では一部の地域を除き、ほとんどの家庭の水道水が軟水。
水道水は厳しく管理され安全性が高いため、安心してワンちゃんに飲ませることができます。
とはいえ、水道水を飲む習慣のない飼い主さんにとっては、愛犬にそのまま飲ませることに抵抗がある方もいるでしょう。
もちろん、水道水はそのままでも十分おいしく安全なものですが、気になる方には以下の方法をご紹介します。
水道水のカルキ臭が気になる場合は沸騰させることで、カルキなどの不純物を取り除き、口当たりがまろやかになります。
煮沸後はワンちゃんが飲めるようにしっかり冷ましてあげましょう。
愛犬の飲み水ボトルに浄水フィルターが付いているものが市販されています。
心配な飼い主さんはそういったグッズを活用し、浄水フィルターを通した水道水を与えてみましょう。
飲水量の目安は、ワンちゃんの体重1㎏あたり50mlが適量とされています。
また、ドライフードやウェットフードにも水分は含まれており、手作り食や茹で野菜のトッピングなどを与えている場合は更に水分が加算されます。全てを含めた水分量は、ワンちゃんの体重1㎏あたり60mlが目安です。
しかし、私たち人間に個人差があるように、ワンちゃんが必要とする飲水量にも差があるため、愛犬が健康な状態で飲んでいる水の量を把握しておくことが必要です。
極端に水を飲む量が多い場合には、病気が隠れている可能性があります。
水のお皿がすぐに空になるなど、飲水量が著しく多い場合は、獣医さんに相談してみましょう。
気温が高い時期は積極的に水を飲んでくれますが、寒い時期になると極端に飲む量が減ってしまうことがあります。
紹介したように、ワンちゃんの健康を維持するためには体重1㎏あたり最低でも50mlほどは飲まんでもらいたいもの。
愛犬があまり水を飲んでくれない場合は、以下の方法を試してみましょう。
無糖ヨーグルトやヤギミルクをほんの少し混ぜてあげると喜んで飲んでくれることが多いです。
大量に与えてしまうと、普通の水を飲まなくこともあるため、少し色や香りが付く程度にしましょう。
ワンちゃんによっては、ヨーグルトやヤギミルクにアレルギーを起こす子もいるため、与え始めはごく少量とし様子を見ましょう。
食欲があるようであれば、食事をウェットフードに切り替えるのも効果的です。
ワンちゃんにとってもおいしいごはんで水分を摂れたら嬉しいですよね。
また、いつもの食事にお肉の茹で汁をかけてあげたり、水分を多く含む野菜をトッピングするのも良いでしょう。
ただし突然水分をたくさん摂ってしまうとお腹をゆるくすることもあるため、量は調整しながら与えてください。
夏の暑い時期には飲み水に氷を浮かべてあげるのもいいでしょう。
氷が大好きなワンちゃんはもちろん、興味をもって咥えようとすることで、自然と水を口にします。
もちろん、氷をそのままあげてもいいですよ。
ただし、与えすぎてしまうとお腹の冷えにもつながってしまうため、量に注意が必要です。
飲み水はいつも新鮮なものを複数用意してあげてください。
ワンちゃんによっては、留守番中にお皿をひっくり返してこぼしてしまうこともあるため、2~3カ所に分けて置いてあげましょう。
また、ケージなどに取り付けられるペットボトルの先にノズルがついているタイプの場合、ワンちゃんが思うように飲めないことがあります。
散歩から帰ってきた時や、室内で運動した後などは、お皿にたっぷり入れた飲み水を用意してあげると、十分に水分摂取ができます。
フルーツなどのフレーバーが添加された人間用の飲料水は、糖分が多く含まれているものがあるため、ワンちゃんには好ましくありません。
無糖やノンフレーバーのものであっても、炭酸でお腹が膨れてしまう可能性があるので避けた方が無難でしょう。
ワンちゃんが水遊びをしている際に少し飲んでしまうぐらいは問題ありませんが、衛生上問題があるため、飲み水として与えるのは避けましょう。
ワンちゃんにとっても生きていく上で必要不可欠な水。
愛犬を水不足にさせないために、いろいろな工夫をして最低限の水は飲ませてあげるようにしましょう。
また「水を飲まなくなったな」と早く気づくためにも日頃から愛犬がどのくらい水分を摂取しているのか観察しておきましょう。
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