喉に詰まる危険性!ワンちゃんにお餅をあげてはいけない?

喉に詰まる危険性!ワンちゃんにお餅をあげてはいけない?

焼いた切り餅

 

正月の食べ物と言えば、お餅とおせちですよね。
お餅はお雑煮や焼き餅などの食事だけでなく、あんこやきな粉などと一緒に甘いデザートとしても親しまれる古くから日本人に身近な食品。

焼いたり茹でただけのお餅なら、「ワンちゃんも食べられるのでは?」と考える飼い主さんもいるでしょう。
しかしお餅は小さなこどもやお年寄りにとっては、食べ方に注意しなければいけない食べ物でもあります。

そこで今回は、ワンちゃんにお餅を食べさせてもよいのかどうか、さらにどんな注意が必要かについて解説します。

 

ワンちゃんにお餅はNG?

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もち米を加工して作るお餅の主な栄養素は炭水化物。
炭水化物は、体や脳のエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」に分けられます。
その他にも、パントテン酸というビタミンの一種で代謝を高め、免疫力をアップする成分などが含まれているのも特徴です。

味付けをしていないシンプルなお餅であれば、成分的にはワンちゃんが食べても問題ありません。
ですが、あまり咀嚼をしないワンちゃんにとっては喉に詰まりるという危険をはらむため、積極的に与える必要のある食べ物とは言えません。

もし与える際には、与え方に注意が必要です。

 

お餅を与えるなら

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前述したようにお餅はワンちゃんが食べにくい食品です。
そのため、たくさん与えることはおすすめしません。

また、食べさせる際には喉に詰まらないよう細心の注意が必要です。

 

小さく切り加熱して与える

もともと肉食動物のワンちゃんは、穀物の消化が得意ではありません。
お餅を食べると消化不良をおこすこともあるので、ワンちゃんに与える時は小さく切り、少しだけ与えるようにしましょう。

また、小さくカットしたお餅を十分に乾燥させてから電子レンジにかけると、揚げずにかき餅のようになります。
サクサクとした食感で喉に詰まる心配が減るので、安心して与えられます。

 

味付けはしない

ワンちゃんにお餅を与えるときは、人間が食べるときのように、砂糖や醤油などで味付けをすることは避けましょう。
肥満や高血圧の原因になる可能性があります。

 

与えた後も様子を見る

お餅を詰まらせる可能性があるため、与えた後はしっかり様子を観察してください。
また、食べた直後に激しい運動はさせないようにしましょう。

 

与える際の注意点

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その他にも、ワンちゃんにお餅を与えるときには注意しなければいけないことがあります。
ワンちゃんの健康を守るためにも、下記の注意点をあらかじめ知っておきましょう。

 

喉に詰まらせないないように注意する

もともとワンちゃんは、食べ物を噛まずに丸呑みする習性がある生き物です。

もしお餅を噛まずに丸呑みしてしまった場合、喉や消化器官を詰まらせてしまう危険性があります。
その場合は命に危険を及ぼすこともあるので、とくに注意が必要です。
お餅は必ず小さく切って与えるようにしましょう。

 

アレルギーに注意

ワンちゃんの中には、お米にアレルギーを持っている子がいるので、お餅の原料のもち米に反応してアレルギー症状が出る場合があります。
お餅を初めて与えるときは、少量から与えて様子を観察しましょう。

アレルギーを発症するとお餅を食べた後に下痢や嘔吐、皮膚の炎症などの症状が現れることがあります。
症状がひどく現れた場合には、動物病院へすぐに相談しましょう。

 

シニアやパピーのワンちゃんには与えない

消化器官が未発達なパピーのワンちゃんや、消化器官の働きが衰えてきたシニアのワンちゃんは、飲み込む力が弱く、弾力のあるお餅のような食べ物はより喉に詰まらせやすい傾向にあります。

小さく切ったお餅であっても窒息する危険性が高いため、お餅は与えないようにしましょう。

 

お餅を喉に詰まらせたときの対処法

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飼い主さんがお餅を小さく切って与えていても、超小型のワンちゃんなどは、食道が細くお餅が喉に引っかっかてしまうことがあります。

また、ワンちゃんが勝手にお餅を見つけて、小さく切る前のお餅を食べてしまい、喉に詰まらせてしまうこともあるかもしれません。
このような場合に、落ち着いて適切な対処ができるよう、飼い主さんは対処方法を知っておきましょう。

ただし、以下の対処法をあまり強く激しくしてしまうと、ワンちゃんの怪我につながることもあるため、様子を確認しながら行ってください。

 

喉に詰まらせたときの様子

ワンちゃんが食べ物を喉に詰まらせたときは、苦しそうに「ウエッ」という声を出しながら肩を上に上げ、頭を下に下げる仕草をします。
お餅を喉に詰まらせ、このような様子が見られる場合はすぐに応急処置をしましょう。

 

肩甲骨の間をたたく

人間が喉に物を詰まらせたときは、お腹を背後から抱きかかえ引き上げるようにして、喉に詰まったものを吐き出させる処置をしますが、ワンちゃんの場合は肩甲骨の間を少し強めにたたくことがコツです。

肩甲骨の間とは、背中よりも少し上の部分。
手のひらを大きく広げて、面積を広くしてたたき、4~5回たたくごとに吐きだしていないか確認するようにしましょう。

 

胸を圧迫する

肩甲骨の間をたたく以外の方法では、胸の部分から口にかけて両手で圧迫するという方法があります。

下から口に向かって異物を押し出すような感覚で圧迫するやり方で「チェストトラスト法」といい、小型犬に効果的だといわれています。
ワンちゃんが吐こうとしてもがいているタイミングに合わせて行うとより効果的です。

 

ピンセットや手で取り除く

ワンちゃんの口の中を確認して、お餅が見えている状態のときは、ピンセットを使用して取り出すという方法もあります。

ワンちゃんが吐きだそうとして、お餅が上の方まで上がってきている場合に効果的です。
ワンちゃんがパニックになっていると、暴れたりして口の中を傷つける危険性があるので、その場合はピンセットよりも手で取り除く方がよいかもしれません。

取り出す場合はワンちゃんの口の中を見ようとして無理に上を向かせるとお餅が逆に中に入ってしまうことがあるので、飼い主さんの方が頭を下げてワンちゃんの口の中を覗き込むような体制になりましょう。

 

まとめ

年末年始に向けてお餅を飾ったり食べたりする機会が増えてきますね。
ワンちゃんにとってのお餅は、栄養価が高い反面、一歩間違えると危険を及ぼす食べ物にもなり得ます。

どうしても愛犬にお餅を与えたい時は、今回の注意事項を参考にして、慎重に与えるようにしましょう。
お正月の飾り物のお餅も、ワンちゃんの手の届かない場所に飾るなどの配慮をして、飼い主さんがワンちゃんの安全を守ってあげましょうね。

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