オメガ-3脂肪酸とは?知っておきたいワンちゃんと栄養の関係!脂質編

オメガ-3脂肪酸とは?知っておきたいワンちゃんと栄養の関係!脂質編

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ワンちゃんが健康的に生活するためには、主に5つの栄養と新鮮な水が必要です。
この5つの栄養とは、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルを指し、これらを合わせて5大栄養素と呼ばれています。

このなかでも1gあたりのカロリーが一番高いのが脂質。
脂質と言うと「あまり摂らない方がいいのでは?」と考える方も多いでしょう。
過剰摂取は肥満にもつながりますが、だからといって脂質が必要ないということではありません。

そこで今回は、ワンちゃんにとって脂質の重要性や、その種類について解説していきます。

 

脂質の働き

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脂質の大きな働きは効率の良いエネルギー源になることです。
同じくエネルギー源となるタンパク質や糖質に比べ、なんと2倍以上のエネルギーを供給します。

他にも、細胞膜や血液、ホルモンなどを作る成分となり、臓器の保護や、脂溶性ビタミンを吸収するためにも重要な働きがあります。

そのため、欠乏してしまうと、運動機能や皮膚・被毛、繁殖機能などに異常を引き起こすことも。

また、脂質はワンちゃんの嗜好性を上げることができるため、食べムラのある子や食欲が落ちている時に効果的です。
しかし、過剰に摂取すると、肥満の原因にもなりますので、摂取量には注意が必要です。

 

脂質の種類

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食べ物の脂質は、そのほとんどを脂肪酸によって構成されています。
脂肪酸にはさまざまな種類がありますが、大きくは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分類され、それぞれ異なる特徴が見られます。

それぞれの特徴について見ていきましょう。

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べ、エネルギーになりやすい脂肪酸。

しかし、常温では個体となるものが多く、体内でも固まりやすいため、コレステロールや中性脂肪増やす作用があります。過剰摂取には十分注意しましょう。

肉や乳製品、卵黄などの動物性脂肪に多く含まれます。

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は常温では液体で存在し、コレステロールを下げる作用があります。

しかし、体にいいからと撮りすぎると、善玉コレステロールを減らしてしまうことも。また、不安定な性質のため傷みやすく、酸化しやすいのも特徴です。

魚介類や大豆、オリーブ油、アマニ油などに多く含まれます。

 

「オメガ-3脂肪酸」と「オメガ-6脂肪酸」

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先ほど説明した不飽和脂肪酸には、さらに必須脂肪酸と呼ばれるものがあります。
必須脂肪酸とは体の中で合成することができないため、食事などで摂取する必要がある栄養素のことです。

この必須脂肪酸の中でも注目されているのがオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸。
皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ここでは、この2つの脂肪酸について詳しく見ていきましょう。

 

オメガ-3脂肪酸

オメガ-3脂肪酸は白血球の働きを抑制、炎症を抑える働きがあります。
犬アトピー性皮膚炎や関節炎などの治療にも活用され、心臓病や腎臓病の悪化を防ぐ効果が期待されています。
 

■不足すると?

オメガ-3脂肪酸が不足すると、皮膚の炎症や関節炎などを引き起こすことがあります。
また、認知能力の低下や細胞死が促進されるといった研究結果も出されているようです。

 

■過剰摂取すると?

過剰に摂取してしまうと、免疫機能障害や黄色脂肪症という、体の脂肪が炎症を起こし痙攣してしまう重篤な病気を引き起こす可能性もあります。
また、出血が止まりにくくなったり、肥満などの原因になることも。

 

■多く含まれる食品

サーモン、マグロ、マス、ムール貝、アブラナ油、えごま油などの植物油。
他にも、EPAやDHA犬用サプリメントやオメガ-3脂肪酸を配合したオイルなども販売されています。

 

オメガ-6脂肪酸

オメガ-6脂肪酸には炎症を促進する作用があります。
炎症と聞くと体によくないイメージを想像してしまいますが、白血球を活性化して病原菌などと戦う重要な働きをしています。

 

■不足すると?

オメガ-6脂肪酸が不足すると、皮膚や被毛の乾燥を引き起こします。
皮膚の水分を逃さないようにする働きがあるので、十分な量を摂取できないと皮膚トラブルにつながることも。

 

■過剰摂取すると?

過剰に摂取してしまうと、皮膚の炎症や肥満などを引き起こすことがあります。
オメガ-6脂肪酸が増えると、オメガ-3脂肪酸が減少してしまうため、皮膚の炎症を抑えにくくなります。

 

■どんな食べ物に含まれているの?

ベニバナ油、コーン油、大豆油、グレープシードオイル、ラード、牛脂など。

 
 
ご紹介したように、オメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸は、その作用が相反するもの。
さらにこの2つは相互に作用しあうため、摂取においてはそのバランスが重要視されています。

ワンちゃんにはオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸を、「5:1」もしくは「6:1」の比率で摂るのがよいとされているので、サプリメントなどで必須脂肪酸を補う際には、一方が過剰にならないように注意しましょう。

 

まとめ

今回は五大栄養素の脂質についてご紹介しました。
脂質は肥満になりやすい印象が強く、「控えた方がいいのでは?」と思う方も多いでしょう。

しかし、脂質の中にはオメガ-3脂肪酸やオメガ-6脂肪酸などのように、体の機能に必要な脂質成分もあるので、バランスよく摂取することを心がけてくださいね。

 

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