症状や治療法を解説!歩行障害のナックリングとは?

症状や治療法を解説!歩行障害のナックリングとは?

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ワンちゃんが歩き方に異常をきたす、ナックリングという病気をご存じでしょうか?
歩くという行為はワンちゃんにとって楽しみでもあり、健康面においてもとても大切なことです。
思うように歩けなくなるとストレスを感じたり、歩くことや起き上がることさえ嫌になってしまうこともありえます。

今回はワンちゃんの歩く楽しみを妨げるナックリングについて症状や原因、予防法などについてお伝えします。

 

ナックリングとは?

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あまり聞きなれないナックリングという病気は、いったいどんな病気なのでしょうか?

 

どんな病気?

シニアのワンちゃんに多く見られるナックリングという病気は、加齢により足の筋力が落ちることで発生しやすくなります。
筋力が落ちることで足が上がりにくくなり、足の甲や爪を地面に擦りつけるような歩き方になります。
そのような歩き方をナックリングと呼びます。

一般的にナックリングを発症するワンちゃんは、感覚が鈍くなっているので痛みを感じません。
そのため症状がひどくなると、足の甲が血だらけになって歩こうとすることもあります。

 

ナックリングの症状

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ワンちゃんの歩き方に異常が見られるナックリングには、具体的にどのような症状が見られるのでしょうか?

 

初期症状

散歩中など、ワンちゃんが歩いている時に足の先がカクッとなってしまいます。
人間の足首がカクッとなるような感じに似ています。
頻繁にカクッとなる症状が見られるのですが、ワンちゃんは痛がりもせず何事もないように歩き続けます。

 

症状が進行すると

ナックリングの初期症状が、だんだん進行していくとワンちゃんは足先を内側に曲げたまま歩いたり、立とうとしたりします。

足先を丸めたまま地面に立っていたり、足の爪を地面に擦りながらズルズルと引きずって歩くこともあります。
足首が曲がったまま歩いても、感覚異常があるため痛みを感じないので、時には血が出ていても平気で歩こうとします。

また、曲がった足先は自力で戻すことができません。
しかし、飼い主さんが手で曲げ伸ばしをすると正常に戻るので、関節が固まっているのではありません。

歩行がかなり困難な状態になると、転倒などの二次的事故も起こりやすくなるので、注意が必要です。

 

ナックリングの原因

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ではナックリングになってしまう原因にはどのようなことがあるのでしょうか?

 

老化

ワンちゃんが加齢により筋力や神経が衰えてくると、発症することがあります。
人間と同じように高齢になると、つまづきやすくなったり、転びやすくなったり実際に転倒したりしてしまうこともありますが、その延長でナックリングになってしまうことがあります。

また犬種的には、ウェルシュ・コーギーやダックスフンドなどのワンちゃんは、若いうちに変形性脊椎症や椎間板ヘルニアなどの病気が原因でナックリングが症状として現れることがあります。

 

神経の異常・脳の伝達障害

頚髄に何らかの原因で損傷を受けて、前足にナックリングを発症してしまうことがあります。
胸髄や腰髄が損傷を受けると、後ろ足にナックリングを発症することも。

神経に異常が出て発症する原因としては、高い場所からの落下、交通事故や転倒などの外傷、椎間板ヘルニアなどの病気が原因になることもあります。

そのほかには神経に直接の障害がなくても、脳の伝達障害が原因でナックリングが起こることもあります。

 

ナックリングの治療法

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ワンちゃんが普通に歩けなくなるナックリングですが、症状が出てしまった時は、どのように治療するのでしょうか?

 

マッサージ

老化による神経の衰えなどが原因の場合は、マッサージが有効な時があります。
足先をマッサージすることで、血行が良くなり神経の機能が回復することがあります。

 

ブーツやカバーの使用

ワンちゃんの足先にブーツやゴム製の足先カバーを履かせて、足を保護してあげるのも良いでしょう。
上手く歩けない時に胸や腹をハーネスなどで補助すると、足を擦ることなく散歩に行けることがあるので、利用してみるのも良いかもしれません。

 

サポーターの使用

ワンちゃんのナックリング用のサポーターも、色々な物が市販されています。
足先を保護できるだけでなく足底に滑り止めがある物など、便利なものも多いので探してみてくださいね。

 

テーピング

ナックリングには、テーピングも効果がありますが、足に毛が多いワンちゃんにはあまり向かないようです。
テーピングはあくまでも応急処置として使用するのが良いかもしれません。

 

投薬・手術

神経の働きや関節の動きを補助するサプリメントで回復を促せることがあります。
通常は痛みはあまり感じないのですが、病状次第で痛み止めの薬を処方されることもあります。

また症状によっては手術で改善することもありますが、体に大きな負担がかかるため動物病院とよく相談して決めましょう。

 

まとめ

ワンちゃんが高齢になり、足の機能がだんだん低下してしまうのはある程度は仕方のないことですが、若い頃から日常的に散歩や適度な運動をすることで、足腰の筋力が鍛えられナックリングの予防にも繋がります。

比較的痛みは感じない症状のため、発見が遅れることも多いナックリング。
もし愛犬の歩き方の異常に気づいたら、早めに動物病院を受診することが症状の改善に有効です。

愛犬がいつまでも元気に、大好きな散歩を続けられるように適切なケアをしてあげましょう。

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