ワンちゃんが鼻にシワを寄せ歯をむき出してうなる行動を見たことがありますか?
多くの人はこの状態を、威嚇や攻撃のサインととらえるのではないでしょうか。
しかし必ずしも威嚇や攻撃だけではなく、じつは何らかの不快やストレスによりイライラした感情を伝えようとするボディランゲージでもあるのです。
こういった行動にはさまざまな理由があるため、飼い主さんは愛犬がどのような心理を伝えようとしているのかをあらかじめ理解しておきたいですね。
そこで今回は、ワンちゃんのイライラサインとその理由、怒りを鎮める方法について解説します。
私たちがイライラしている時にとる言動や態度、表情は人やその場によって異なりますよね。
同じように、ワンちゃんがイライラしている時に見せる仕草や行動、表情にはいくつものパターンがあるのです。
ですが、もちろん以下に挙げるサインでも、状況によってはイライラを表すものではない場合もあります。
ワンちゃんが置かれている状況を鑑みながら、イライラサインに気付いてあげられるようにしましょう。
・低いうなり声を出す
・歯をむき出す
・吠える
・執拗に鳴く
・前後肢を硬直させて身構える
・首や背中の筋肉が硬くなる
・首の後ろの毛が逆立つ
・尻尾を高く上げ毛を逆立てる
・尻尾を下げる、後ろ足の間に挟む
・耳が後ろに倒れる
・目つきが鋭くなる、睨む
・瞳孔が拡大する
・前足を跳ね上げる
・地団駄を踏む
・歯をカチカチさせる
・震える
・他者から距離をとろうとする
続いてワンちゃんがどうしてイライラするのか、その理由について見ていきましょう。
ここでは一般的に考えられる理由をいくつか紹介します。
私たちと同じように、体に痛みや不快感を感じるとワンちゃんもイライラします。
さらに痛みを感じている時に体に触れられることで、怒りの表現をすることも。
傷や怪我などの目に見えるものだけでなく、内臓や体調にかかわることもあるため、しっかりと様子を見てあげましょう。
ワンちゃんは私たちが想像する以上に、環境の変化や刺激に敏感な動物です。
過剰な騒音、初めての環境、留守番など、さまざまな原因によって恐怖や不安を抱くことも。
その状態をほおっておくとストレスレベルが上がり、怒りを表すようになります。
ワンちゃんは自分自身や大切なものを守るために怒ることがあります。
初対面の人の来訪時やおやつやおもちゃを取り上げる時など、身の危険や大切なものを奪われると感じた場合、うなり声や歯をむき出すなどして威嚇します。
自身のテリトリーや所有物への不用意な接近、また複数のワンちゃんが同じ空間にいる場合、ヒエラルキー(上下関係)の確立によるトラブルなどが発生して怒りを示すこともあるため注意が必要です。
愛犬がイライラする理由がおおむね分かれば、その対処をしなくてはいけません。
イライラの理由を取り除いてあげることが一番の近道ですが、そのために飼い主さんがどのような対処をしたら
いいのかを紹介します。
愛犬が体調によってイライラしている様子が見られる場合には、痛みや不快感を取り除いてあげなくてはいけません。
まずは健康状態の確認が必要ですが、触られるのを嫌がる場合には無理強いはせずに動物病院へ相談を。
また、健康状態に問題がある場合には動物病院で適切に治療します。
運動不足や長時間の留守番等、具体的な理由に心当たりがある場合には、ワンちゃんが不満に感じていることを改善してあげましょう。
天候等で外を散歩するのが難しい場合には、室内ドッグランやショッピングモールへのお出かけなどをしてみてはいかがでしょうか。
また、飼い主さんとのコミュニケーションを深めるために、室内でおもちゃの引っ張りっこやかくれんぼ、レトリーブなどの遊びをすることでストレスを発散できますよ。
愛犬が何らかの恐怖や不安を感じている場合には、そのストレスとなる要素を特定し原因を排除したり対処してあげることが欠かせません。
環境の変化や騒音等、物理的に取り除くことが難しい場合には、飼い主さんが寄り添ってあげる、身を隠せるようなベッドを準備するといった対策が有効です。
愛犬のイライラサインが見られる場合には、飼い主さんの行動によってお互い怪我をしてしまったり、イライラが増長させてしまうことも。
以下に挙げる注意点に注意し、冷静に対処してあげてください。
愛犬がイライラをあらわにしている場合、噛まれてしまう可能性もあります。
また、屋外などの安全が確保できない場所では、ワンちゃんが意図せず怪我をしてしまうことも。
飼い主さん自身とワンちゃんの安全を最優先に考え、追い詰めたり刺激を与えたりせずに適切な距離を保ち、愛犬が安心できるスペースを与えましょう。
イライラしている愛犬に刺激を与えたり、興奮させたりする行動は避けましょう。
痛みなどの理由以外でイライラサインを強く示している場合には、落ち着くまで視線を向けたり手を出さないのも一つの手です。
できるだけ騒がしい環境や緊張感のある状況を避け、刺激を減らしてあげましょう。
飼い主さんが怒ったり叱ったりすることで状況を悪化させることもあります。
冷静で穏やかな態度を保ち、愛犬に対して怒ることは避けましょう。
愛犬との関係を損なうだけでなく、愛犬の不安や攻撃性を増長させる可能性があります。
愛犬のイライラサインは、何らかの理由があっての行動です。
「イライラサインかもしれない」と感じたら、健康状態や行動の背後にある理由を確認し、対処してあげなくてはいけません。
そのためにもイライラサインを見逃さないでくださいね。
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