皆さんの愛犬は抱っこが好きですか?
病院やトリミングサロンにお世話になる時など抱っこが必要な場面もありますよね。
ワンちゃんの中には抱っこが大好きでせがむ子がいますが、一方で降ろしてほしくて暴れてしまう抱っこが苦手な子もいるでしょう。
もしかしたら間違った抱っこの仕方が原因で怖がっている可能性も考えられます。
だからこそ正しい抱っこの仕方をマスターして、愛犬が安心して体を預けられるようにしてあげましょう。
ワンちゃんによっては、撫でられるのは大好きでも抱っこは苦手という子もいるでしょう。
では、ワンちゃんは抱っこのどういった点を嫌がっているのでしょうか。
考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。
そもそもあまり人慣れが十分でない場合には、抱っこに対して拒否感を持つことがあります。
とくに迎え入れたばかりの時はあまり抱っこしない方がいいかもしれません。
まずは少しずつコミュニケーションをとり、同じ部屋にいること、触られることに慣れてもらいましょう。
ワンちゃんにとって抱っこは、体を人に預けることです。
だからこそ信頼できる人でないと嫌がることがあります。
自分の愛犬ではないワンちゃんと触れ合う時には、突然抱っこしないように注意しましょう。
抱っこをした状態でワンちゃんにとって怖い体験をした場合、「抱っこ=怖いことをされる」と結びつけて記憶してしまう可能性があります。
とくに動物病院やトリミングサロンでの経験を忘れない子がいるようです。
その他にも抱っこから降ろされる時に、足を痛めた経験がある、腰から落ちたなど痛い思いをした場合も、抱っこを嫌なものとして覚えている場合が考えられます。
抱っこをすると普段のワンちゃんの目線よりも高いところに位置してしまうため、恐怖を感じる子がいます。
また、地に足がつかない状態が苦手な子も。
抱っこが得意でない場合には、まずは飼い主さんが座った状態で膝に乗せ、たくさん撫でたりおやつをあげるなど嬉しい体験をさせて慣れてもらいましょう。
飼い主さんが気づいていないだけで、ワンちゃんにとっては不安がある抱き方をしている場合もあります。
抱っこをされていると体の自由がきかないため、余計に不安や恐怖を感じやすくなるのです。
ワンちゃんが抱っこを嫌がる理由が抱き方にあるとしたら、飼い主さんの意識を変えるだけでその不安を取り除けるかもしれません。
ここでは、ワンちゃんが嫌がる抱っこについて見ていきましょう。
人間の赤ちゃんは仰向けに抱っこすることも多いですが、ワンちゃんにとって仰向けに抱っこされるということは恐怖である場合が多いようです。
ワンちゃんにとって仰向けの体勢は、相手に服従させられるということを意味します。
つまり、仰向けに抱っこすると、自由が効かない上に服従を強制されている状態になってしまうのです。
頭を上に足を下に降ろした状態の直立抱っこも、ワンちゃんにはNGです。
この姿勢での抱っこはワンちゃんの腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアの原因にもなってしまうことも。
とくに胴長で短足のダックス・フントやウェルシュ・コーギーなどは注意が必要です。
また、ワンちゃんを正面から抱えるようにして、飼い主さんの肩に前足を乗せる方法は、とても不安定になってしまいます。
ワンちゃんが興奮した時に落下したり、肩をよじ登り飛び降りる危険性もあるため、直立状態では抱っこしないようにしましょう。
ワンちゃんの足が宙ぶらりんになった状態での抱っこも、避けるようにしましょう。
下半身を支えないことで、直立抱っこと同じように不安定になり腰に負担がかかります。
また、ワンちゃんが不安を感じて抵抗することで落下してしまう危険性も。
とくに人間の子供にするような「高い高い」などはしないようにしましょう。
意外とやってしまいがちですが、人間の子供を抱き上げる時のように、両脇に手を入れて抱き上げるのはNGです。
ワンちゃんには鎖骨がないので、前足を真横に開くことができません。
そのため両脇に手を入れて抱き上げることで、前足を無理やり横に開く形になり前足の付け根に負担がかかってしまいます。
その結果関節を痛める原因になることもあるため、このような抱っこはしてはいけません。
抱き方によってワンちゃんが不安を感じたり、体に負荷をかけてしまうことが分かりました。
それでは、ワンちゃんが安心かつ安全にできる抱っことはどんな抱き方でしょうか?
ここではワンちゃんの正しい抱っこの方法について説明します。
どのサイズのワンちゃんでも、共通する注意点は正面から覆いかぶさるような姿勢で抱き上げないことです。
ワンちゃんは、必ず横から抱き上げるようにしましょう。
正面から近づくと、ワンちゃんは襲われるような印象を受け、警戒して体が強張りスムーズに抱き上げられなくなります。
ワンちゃんの背中を水平にして、背中に負担がかからないように抱っこしましょう。
胴が長い犬種のワンちゃんなどはとくに気をつけて、腰を支えながら抱えましょう。
抱いている時は、必ずワンちゃんの体を密着させるようにしましょう。
そうすることで、安定感が生まれワンちゃんを安心させられます。
前項では、どのサイズのワンちゃんにも共通するただし抱っこの仕方を紹介しました。
ですが、体の大きさに合わせて抱っこのポイントは異なります。
ここではワンちゃんのサイズ別に、抱っこのポイントをお伝えします。
・飼い主さんの正面にワンちゃんを横向きに立たせる。
・片方の手を前足のすぐ後ろのあたりからお腹の下に入れる。
・お腹の下に入れた手を、そのまま背中側に回す。
・もう片方の手を、尻尾側の股の間からお腹の下に差し入れる。
・その状態で両手でしっかりとワンちゃんの体を支えながらゆっくり立ち上がる。
・ワンちゃんの体を、地面と平行になるようにして飼い主さんの体と密着させる。
・前足は飼い主さんの腕で、後ろ足は飼い主さんの胸やお腹で支える
・飼い主さんの正面にワンちゃんを横向きに立たせる。
・片膝をついた姿勢で屈み、片方の手を前足のすぐ後ろあたりからお腹の下に入差し入れる。
・差し込んだ手でワンちゃんの胸元を抱える。
・もう片方の手でお尻と太ももを支えるようにして抱き上げる。
・飼い主さんの体を引き起こして背筋を伸ばし立ち上がる。
・ワンちゃんの体を引き寄せて密着させ両腕でしっかりと支え、ワンちゃんの体が水平になるように保つ。
・飼い主さんの正面にワンちゃんを横向きに立たせる。
この時、机やソファなど少し高い所にワンちゃんを乗せるとやりやすい。
・片方の腕をワンちゃんの胸の前側から回す。
・もう片方の腕をワンちゃんの後ろ足の膝の裏あたりに回し、体全体を支えるように持ち上げる。
・後ろ足を支えている方の腕にお尻を乗せるようにする。
飼い主さんの利き手で後ろ足を支えた方がやりやすい。
・飼い主さんの胸の高さでワンちゃんの体を密着させると、飼い主さんの腕への負担が少なくなる。
抱っこの仕方で大切な愛犬を不安にさせてしまったり、体に負担がかからないようにしたり、注意しなければならない点があることがわかりましたね。
正しい方法で抱っこをすれば、飼い主さんとの信頼関係を深めることもできます。
ワンちゃんも大好きな飼い主さんに正しく抱っこしてもらうと、きっと安心感でいっぱいになることでしょう。
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