日本は世界的にも自然災害の発生が多く、災害大国といわれています。
ですが自然災害の予測は難しく、災害時には食料をはじめとした生活に必要な物の入手が難しくなります。
近年は防災グッズや食糧の備蓄を意識する人も増えていますが、愛犬の非常食についての対策はまだ一般的ではなく、何をどのくらい準備すれば良いか分からない人もいるのではないでしょうか。
この記事では愛犬の非常食の必要性や備蓄におすすめの種類、必要な量などを解説します。
災害発生時には、直後の混乱により交通インフラが寸断され、生活必需品の入手が難しくなる場合があります。
また、ライフラインの停止、店舗の閉鎖、商品の制約が長期にわたり続く可能性も。
ペットに対しても行政の支援が行われる場合もありますが、多くは人命が最優先されるため、災害直後の援助は期待できません。
そのため個別に、普段のごはんとは別に愛犬の非常食を確保しておくことが重要です。
災害で避難所へ愛犬と同行避難できたとしても、避難直後はペット用の物資の支給はほとんどありません。
大災害が発生すると、自治体と地方獣医師会、民間団体等で構成された現地動物救護本部等が立ち上がり、避難所や自宅等で避難しているワンちゃんに対して、ペットフードの配布が行われます。
過去の大災害の事例では、ペットフードの支給は災害発生日から1週間ほどで行われることが多かったようです。
けれど自宅待避の場合は、避難所に物資が配給されているか確認しに行かなくてはならず、道路が寸断されてしまっていれば受け取れない可能性も。
これらの理由から、愛犬用の非常食は十分な量を備蓄しておく必要があります。
では、愛犬用の非常食は何日分ストックしておく必要があるのでしょうか。
前項で、被災地の「動物救護本部」からの配給は1週間ほど要する例があると解説しましたが、災害の規模によってはそれ以上の時間がかかる可能性もあります。
そのため、最低でも1週間から10日分のストックを準備しておきましょう。
日常のフードを常に多めにストックしておき、使用したら補充する「ローリングストック法」という備蓄方法にしておけば、消費期限も気にせずにすみます。
ただ、想定をはるかに超える大規模災害が発生した場合は、交通網などのライフラインが復旧するのに数週間から数ヶ月間かかることも予想されます。
自宅に保管スペースがある人は、ひと月分くらいの非常食を用意しておけば、より安心です。
非常食に向いているフードの種類を、その理由とメリット・デメリットもあわせて解説します。
非常食には、ドライフードとフリーズドライフード(冷凍した食材を真空状態で乾燥させたもの)が、最も向いています。
ドライフードやフリーズドライフードは、消費期限が長く、保存性に優れ、持ち運びにも便利です。
しかし、ドライフードは水分量が10%以下と非常に少く、水分補給が不十分になってしまう可能性があります。
水をあまり飲まない子には、水でふやかして与えるなどの工夫が必要です。
ドライフードが苦手な子には、普段から少しでも口にあいそうな製品を見つけておくようにしましょう。
半生タイプのドライフードなら食べられる子もいます。
ウエットフードも、缶詰やレトルトタイプのものは賞味期間が長く、常温保存や持ち運びが可能です。
水分含有量が多いため、災害のストレスから水をあまり飲まなくなってしまった場合や、飲み水が不足しがちな避難生活の環境下でも水分補給ができます。
ドライフードが苦手な子には、ウエットフードをトッピングしてあげると食欲が増すこともあります。
ですが、デメリットとしては、空き缶やゴミが増える点があげられます。
愛犬が好きなおやつを備蓄しておくこともおすすめです。
ワンちゃんも、災害時には多大なストレスを受けます。
おやつには、疲れを癒したり、気分をリフレッシュさせたりする効果があるため、食欲がない時に、愛犬が好きな嗜好性の高いおやつを与えると良いでしょう。
おやつを与える時間は、飼い主さんとのコミュニケーションにもなり、精神的な安心感を与えるメリットも。
ただし完全な栄養補給とはならないため、フードの代わりにすることは控えましょう。
ドリンクやペースト状のワンちゃん用の栄養剤は、高カロリーでビタミンやミネラルといった栄養価が高いので、健康維持のためにも備えておくと良いでしょう。
嗜好性が高いので、食欲不振や体力低下の補助として与えます。
以上4種のおすすめの非常食を紹介しましたが、療法食など特定のフードのみしか食べられない愛犬の場合は、特に多めに保存しておかなければなりません。
保存方法に迷った場合は、獣医師やメーカーに相談してみるのもおすすめです。
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、飼い主の責任によるペットとの「同行避難」を原則とすることが定められており、ペットの避難に必要な物資の備蓄を行い、避難が必要な場合は一緒に持ち出せるようにしておくようにとの記述があります。
災害時には、愛犬の命を守るために欠かせない非常食を準備しておくことが必要です。
愛犬の健康を守るためにも、非常食の準備は万全にしておきましょう。
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