私たちは日常生活において、水をはじめとするさまざまな飲み物を日々、口にしています。
ワンちゃんと暮らしていると、コップやグラスの中身に興味を持ったり、においを嗅ごうとすることがありますよね。
ですが、私たちにとってはおいしく喉を潤してくれる飲み物でも、ワンちゃんにとっては健康を害したり、命に関わったりする危険があることをご存知ですか?
愛犬の命を守るためにも、危険な飲み物をしっかりと認識しておくことが大切です。
今回はワンちゃんが飲んではいけない飲み物、飲ませて良い飲み物、また危険な飲み物を誤飲してしまった時の対処法を解説します。
ワンちゃんの体は60〜70%が水分からできています。
毎日体内の水分は失われていくため、生きていくためにも水分補給は欠かせません。
しかし、私たちと体の構造が違うワンちゃんにとっては、私たちが当たり前に口にする飲み物が体に悪影響を与えることもあります。
飼い主さん自ら与えることがなくても、目を離したすきに飲まれてしまうことがないよう、以下に紹介する飲み物は取扱いに注意しましょう。
アルコールはワンちゃんにとっては非常に毒性が強く有害です。
人と違い、ワンちゃんは摂取したアルコールを分解する酵素を持っていないため、誤飲すると重篤な問題を引き起こす可能性も。
アルコールに含まれるエタノールは急速に吸収されるため、30分〜1時間以内に嘔吐や呼吸の異常、意識朦朧などの症状が出始めることがあります。
ほんの少量でも中毒を起こす危険性があるので、絶対に飲ませてはいけません。
コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに多く含まれるカフェインは、ワンちゃんにとって非常に危険な成分です。
カフェイン入りの飲み物を少量でも摂取すると、2~4時間以内に嘔吐や下痢、パンティング(荒い呼吸)、心拍異常、過度の喉の渇き、排尿、震え、痙攣などの症状を起こし、命に関わることもあります。
牛乳には「乳糖(ラクトース)」という成分が豊富に含まれています。
ワンちゃんの体には、この乳糖を分解する「ラクターゼ」という消化酵素が少なく、乳糖の消化吸収がスムーズに行われず「乳糖不耐症」となり、下痢や消化不良、嘔吐といった悪い影響を引き起こしてしまいます。
また、牛乳に含まれるタンパク質成分に対して、アレルギーを発症することもあるので注意しなければなりません。
一方で、ヤギミルクは下痢になりにくく、栄養価も高いため、ワンちゃんに飲ませても問題ありません。
水はワンちゃんにとっても非常に大切な飲み物です。
しかし、水の種類によっては健康を害することも。
硬水(ミネラルウォーター)は、少量なら問題はありませんが、毎日与えるのはNG。
硬水は、下痢や尿路結石などの原因となるカルシウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んでおり、毎日与えるとマグネシウムやカルシウムの過剰摂取となってしまうためです。
また、道路などにできた水たまりは、自動車から落ちたオイルや不凍液などで汚染されているだけでなく、ネズミなどの野生動物の尿が含まれている可能性も。
野生動物の尿を誤って飲んでしまうと、尿を介して「レプトスピラ症」などに感染する危険性もあります。
散歩中には、水たまりに愛犬を近づけないようにしましょう。
フルーツジュースや炭酸飲料には糖分が多く含まれているため、ワンちゃんに与えるのは避けましょう。
また、コーラなど一部のジュースにはカフェインが含まれているものもあるので注意が必要です。
野菜ジュースは糖分だけでなく塩分も高く含まれているので、血圧の上昇や心臓への負担となりかねません。
さらに原材料にアボカドやぶどう、玉ねぎといったワンちゃんに有毒な野菜が含まれている可能性があります。
ワンちゃんに有害な食べ物としてよく知られているチョコレートを原料としているので、ココアも飲ませてはいけません。
中毒症状を引き起こすこともあります。
※少量なら心配する必要がない飲み物も含まれています。
愛犬が飲んではいけない飲み物を誤飲してしまった場合、自己判断でむやみに吐かせるといった行為は絶対にやめましょう。
愛犬の命をより危険にさらす可能性があります。
誤飲後に元気がない、嘔吐、下痢、よだれが多く出る、呼吸の異常、震えるなどの異変が見られる場合は、迅速に獣医師に連絡し指示を仰ぎ、適切な対処を行うことが大切です。
また、舐める程度の少量であっても、時間の経過とともに症状が出ることも。
中毒症状が出るような危険性の高い飲み物を万が一誤飲してしまった時は、手遅れにならないよう、躊躇せずに動物病院へ連れて行ってください。
可能であれば飲んだ物を持参し、いつ、どのくらいの量を飲んでしまったのか、どのような症状が出たのかを獣医師に詳しく伝えましょう。
普段から、休日や時間外でも緊急で駆け込める動物病院を探しておくと安心ですね。
何がワンちゃんの体によくない飲み物かを飼い主さんが知っていれば与えることはありません。
ですが、私たちのちょっとした気の緩みで、愛犬が誤飲してしまうケースもあるのです。
ここでは誤飲を防ぐための注意点を紹介します。
飲み物だけでなく食べ物にも共通することなので、ぜひ日々の生活に当てはめてみてくださいね。
ワンちゃんの誤飲は、留守中や飼い主さんが就寝中や別の部屋にいる時に起こりやすいもの。
テーブルやキッチンに飲み物を置きっぱなしにすると、興味を持ったワンちゃんが手をだしてしまうかもしれませんし、同居のネコちゃんが倒してしまう可能性もあります。
また、たとえ未開封のものでも同様です。
ワンちゃんならパッケージを破ることができる牙を持っていることをお忘れなく。
飲み終わったペットボトルやパックは、ワンちゃんの手の届かないように処理してください。
底に残ったものを舐めてしまう可能性があります。
また、誤飲だけでなくペットボトルや缶に無理やり舌を捻じ込んでケガをしてしまうケースも。
食べ物や飲み物の匂いが付いたゴミは、ワンちゃんが開けられないフタ付きのゴミ箱に捨てるか、ワンちゃんが自由にアクセスできない部屋で管理しましょう。
普段の生活において、私たち人間の飲み物をむやみに与えたり、においを嗅がせることは避けましょう。
もちろん、ワンちゃん用のミルクやスープであれば与えて構いませんが、与えるべきでないものに興味を持たせないように心がけることが大切です。
紹介した注意点は、家庭内で実行しなくては意味がありません。
愛犬の健康のため、家族全員が注意点を共有するようにしましょう。
紹介したように私たちが普段何気なく飲んでいるものが、愛犬の健康を害することもあることを飼い主さんは知っておかなくてはいけません。
とくにアルコールやカフェインには最大限の注意が必要です。
家庭内での保管はもちろん、外出先での取扱いにも気を配るようにしましょう。
愛犬の健康と命を守るためにも、ワンちゃんにとって有害な飲み物を把握し、誤って摂取しないように、家庭での保管には十分に注意することが大切です。
この記事はいかがでしたか?みんなにシェアしていただけると嬉しいです♪
ブッチ・ジャパンによる愛犬・愛猫との毎日を応援するペットのためのコラムページ『PECOLA(ペコラ)』。犬・猫に関する豆知識や、ペットの健康・しつけなどのお悩みに関する情報をご紹介します。