肛門腺絞りって？重要性や正しいケアの仕方を解説 │ ブッチ・ジャパン公式通販サイト

ワンちゃんのお尻に「肛門腺」という箇所があることをご存じでしょうか？
肛門腺には悪臭のする分泌物が溜まるのですが、定期的にこの分泌物を排出させる必要があります。
このケアのことを「肛門腺絞り」といい、ワンちゃんの体にとってとても重要なことなのです。
今回は、この肛門腺絞りの必要性と注意点についてお伝えします。

すでに愛犬の肛門腺絞りを行っている飼い主さんは改めての復習として、初めて耳にする飼い主さんは愛犬の為の重要な知識として、しっかりと確認をしてくださいね。

肛門腺とは？

 
肛門腺はどんなワンちゃんにも存在する、肛門の左右に位置するニオイ袋のことです。
この肛門腺にある肛門嚢(こうもんのう)という袋状の器官に、独特のニオイのする分泌物が溜まります。
分泌物は、ワンちゃんによって違いがあり、ワンちゃん同士で肛門腺のニオイを嗅いで相手を認識するのだとか。

そのため、ワンちゃん達は挨拶やマーキング、情報交換に利用しています。
ワンちゃん同士が出会った時に、よくお尻のニオイを嗅ぎ合っている場面を目にすることがありますが、あれは肛門腺からのニオイで相手が誰なのか、どんな子なのかを認識しているのです。

肛門腺絞りをしないとどうなる？

 
ワンちゃんの肛門腺に溜まる分泌物は、通常は排便と一緒に出ることが多いもの。
しかし、排便で排出できないワンちゃんもいるため、このような時には飼い主さんによる肛門腺絞りが必要となります。

排便により分泌物を排出できない子は、特に小型犬に多いようです。
しかし、年齢を重ねるとともに、若いころは必要のなかった肛門腺絞りが必要になるワンちゃんもいるのだとか。
肛門腺に分泌物が溜まりすぎることによって、次のような弊害がおこります。

炎症を起こす

肛門腺の分泌物が排出されることなく肛門嚢に溜まり続けているところへ細菌が入り込むと、肛門腺内で繁殖して炎症を引き起こすことがあります。
肛門の周囲が赤くなったり、かゆみから肛門周辺をなめたり噛んだりといった様子が見られることも。
分泌物が溜まりすぎると、お尻の不快感やかゆみからワンちゃんがお尻を地面にズリズリと擦り付けるような行動をすることがあります。
この行動が見受けられた時点で、獣医師さんに相談しましょう。

放置すると破裂することも

炎症がさらにひどくなると、肛門腺が破裂してしまう場合があります。
こうなってしまうと、出血したりひどい痛みを伴い手術となってしまうケースも。
破裂が小さかったとしても、膿が出続けてしまうなど、ワンちゃんにとって辛い状態となります。
このような深刻な状況を防ぐためにも、肛門腺絞りをしっかり行い、正しくケアすることが大切なのです。

肛門腺絞りのやり方

 
定期的に愛犬をトリミングに出している飼い主さんなら、トリマーさんに肛門腺絞りをお願いしている人もいるかもしれませんね。
トリミングサロンや動物病院で都度絞ってもらっているのであれば安心ですが、そうでない場合は飼い主さんがケアをしてあげなければなりません。
肛門腺絞りのやり方と、どんなことに気をつけなければならないのかしっかりと確認をしていきましょう。

肛門腺の絞り方

肛門腺の場所は、肛門周りを時計であらわすと、4時と8時の位置にあります。
その場所にあるぷっくりと膨らんだ場所が肛門嚢です。
この肛門嚢の中に悪臭のする分泌物が入っています。
場所を確認したら、その少し下側から、人差し指と親指ですくい上げるようにして押し上げると、溜まっていた分泌物が排出されます。
この時分泌物が飛び散る事が多いので、ティッシュなどで受け止められるようにすると良いでしょう。
慣れないうちは、1回で絞り切ることはなかなか難しいので、何回かに分けて絞り出します。
あまり強く力を入れすぎるとワンちゃんが痛がるので、力加減を調整しながら行なってください。
上手に絞り切れると、膨らんでいた肛門嚢がへこんでいるはずです。

肛門腺絞りの注意点

 
愛犬の肛門腺絞りをする時に、気をつけなければならない注意点にはどのようなことがあるのでしょうか？

タイミングや頻度

肛門腺に分泌物が溜まると、ワンちゃんはお尻がムズムズして、お尻を頻繁に舐めたり、お尻を地面に擦り付けて歩いたりするような動作が見られます。
このような、動作が見られたら肛門腺絞りをするタイミングだと思ってください。
肛門腺絞りの頻度の目安としては、パピーから成年期までのワンちゃんならだいたい月に1回くらい、シニアのワンちゃんで2週間に1回くらいがおすすめです。
シニア期に入ってくると分泌物が若い時よりも溜まりやすくなるのだとか。
定期的にケアをしてあげてくださいね。

のぞきこまない

分泌物は勢いよく飛び出す場合があります。
ワンちゃんのお尻をのぞきこんで行なうと、飼い主さんの顔などに分泌物がかかってしまうことも。
お伝えしているように、この分泌物は強いニオイがするので、周りに飛び散ってしまうと後片付けが大変です。
あまり、お尻をのぞきこまないようにすると同時に、ティッシュや柔らかいガーゼなどで挟んで絞るなど工夫すると良いかもしれません。

処理後は清潔に

ワンちゃんによって違いがありますが、肛門腺の分泌物は非常にくさいです。
そのため、肛門腺絞りを行なったあとはワンちゃんのお尻も汚れていて、嫌なニオイが残ってしまうことが多いもの。
あとで綺麗に洗えるように、お風呂に入れるタイミングで行なうのがベストです。
そうでない場合は、お尻周りだけ綺麗に洗うか、もしくは消臭スプレーなどでティッシュを濡らして拭くなどして、清潔にしましょう。

まとめ

肛門腺絞りはワンちゃんにとって、とても大切なケアだということがわかりましたね。
肛門腺の分泌物が排出されずにいると、大切な愛犬が辛い思いをすることになってしまいます。
定期的なケアを行い、ワンちゃんが気持ちよく生活できるようにしてあげられるとよいですね。