冬は寒さで体を動かすのが億劫になる季節。
夏や春に比べて、愛犬も寝てばかりいるなと心配になったことはありませんか。
じつは実際に冬場はワンちゃんの睡眠時間が長くなると言われています。
そこで今回は、冬に睡眠時間が増える理由や快適に寝てもらうための工夫について解説します。
なかには病気を原因とするケースもあるため、このコラムを参考に愛犬の健康状態を把握するようにしましょう。
ワンちゃんの睡眠時間の目安は年齢によって違いがあり、パピーが14~20時間、成犬が10~15時間、シニアが18~19時間程度です。
ルーツとされるオオカミが夜行性だった影響により、眠りの浅いレム睡眠が8割を占めるとされています。
また、熟睡できていない分寝る時間が長くなり、さらに冬季になると以下の要因によって睡眠時間が増加する傾向にあるのです。
ワンちゃんの体内時計は、日光の影響を受けているといわれています。
日が昇る時間に合わせて目覚めるため、冬の起床時間は遅くなりがち。
日照時間が短く太陽の光が弱い冬は、ワンちゃんの体が夜の時間が延びたと錯覚し、眠い時間が長くなると考えられています。
ワンちゃんの脳が、外の暗い時間帯に体を休息させようとしているのかもしれません。
冬の寒さは、人間が暖かい布団から抜け出せないように、ワンちゃんにとっても起きられない原因となるでしょう。
暖かい部屋から外に出るのが億劫になるワンちゃんもいるようです。
とくに冬の寒さを不得意とする犬種は、寝てばかりいて起きない状態が続く場合も。
また、ワンちゃんは冷えた部屋にいると、体温を維持しようと体を動かさなくなります。
活動量の減少は眠りを誘い、睡眠時間の増加につながることもあるのです。
普段からしっかり睡眠をとるワンちゃんもいれば、散歩や遊びで疲れた時に長時間眠るワンちゃんもいます。
また、シニア犬は食事と散歩以外は寝てばかりいることも多いです。
しかし、人間が体調不良の時に長く寝てしまうように、ワンちゃんの睡眠時間が長すぎる場合は、病気のサインである可能性を忘れてはいけません。
寝てばかりいる原因が見つからず、急に睡眠時間が延びたならばケガや病気などが疑われます。
以下のような異変があったら動物病院を受診しましょう。
食欲の低下
水分摂取量の変化
排尿頻度の変化
下痢や吐く症状
寝る体勢の変化
体を痛がる様子
ワンちゃんの寝る体勢が普段と異なる場合は、体の不調を和らげようと姿勢を変えている可能性があります。
普段から愛犬の様子をしっかり観察して、すぐに異変に気が付けるようにしましょう。
睡眠時間の増加が見られ、異変のチェックポイントに該当した場合は、以下の病気が原因の可能性も考えられます。
①甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が減る病気です。
4~10歳の中型犬や大型犬がかかりやすく、睡眠時間が増えるほか、脱毛や皮膚感染症などが見られます。
②クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎皮質ホルモンが副腎から過剰に分泌される病気です。
飲水量の増加やお腹の膨れ、皮膚トラブルなどの症状があり、8歳以上のシニア犬がかかりやすく、病気が進むと糖尿病や膵炎などを併発します。
③関節炎
関節炎は関節部分に炎症を起こす病気で、痛みから歩いたり立ち上がったりしなくなり、寝る時間が増加します。
どの関節でもなる可能性があるものの、ワンちゃんでは前肢や後肢での発症が多いようです。
受診時には獣医師さんの診断の助けとなるよう睡眠状況に加えて、食欲・散歩や遊びの活動量・排泄の状態など、ワンちゃんの過ごし方の変化を詳しく伝えましょう。
ワンちゃんは寒さを感じると震えたり吠えたり、水を飲まなくなったりします。
睡眠の質は健康状態に影響を与えるため、飼い主さんがワンちゃんの就寝環境を整えてあげましょう。
ワンちゃんが寒がらないよう、部屋はエアコンで19~26度に保つのがおすすめです。
部屋の乾燥は皮膚トラブルやドライアイなどの引き金になるため、加湿器を設置して湿度が40~60%の範囲内になるよう調整しましょう。
また、ヒートショックを起こさないよう、散歩時や部屋の移動で大きな寒暖差が生じないよう配慮してください。
私たち人間だけでなく低い位置で生活するワンちゃんも冷えで眠りを妨げられないように、ラグやカーペットなどを敷いて対策しましょう。
とくにペット用ホットカーペットはピンポイントで温められ、ワンちゃんが暑い時には自分で移動して調整できるため、熱中症になりにくくおすすめです。
ペット用ホットカーペットを選ぶ時は、噛んだりひっかいたりしても壊れにくいものや、排泄しても清潔に使える防水加工されたもの、低温やけどになりにくい温度を一定に保つものを採用すると重宝します。
低温やけどを防ぐため、ペット用ホットカーペットの温度の目安は34~35℃程度です。
それでも低温やけどが心配な方は温度を低めに設定し、ボアやファー素材のカバーを使うと高い保温効果が期待できます。
ワンちゃんは物音に敏感なため、玄関や廊下近くは避けて静かな場所に寝床を設けましょう。
また、暗くて狭いきれいな場所を好むため、寝床は屋根の付いたクレートをトイレから離して設置するのがおすすめです。
ケージを使う場合は、冷気がワンちゃんに当たらないよう壁側にダンボールを挟むほか、周りをタオルで囲って対策しましょう。
ふわふわのブランケットやクッションなどを併せて用意すると、ワンちゃんが自分で温まれます。
ワンちゃんが冬に眠たくなる理由や睡眠時間が長くなる症状の病気、快適に眠るための対策をお伝えしました。
睡眠時間が延びると同時にワンちゃんの様子に異変があれば病気の可能性がありますが、冬季に眠くなるのは自然な現象でもあります。
ワンちゃんがゆっくりと寝られる環境づくりの参考にしてくださいね。
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