秋になると、ホクホクで甘いさつまいもを食べたくなりますよね。
さつまいもはワンちゃんも好んで食べる子が多い人気の食材。
ワンちゃん用のおやつにもさつまいもを使用したものをよく見かけますよね。
そんなさつまいもについて、ワンちゃんの体にどのような影響を与えるのかご存知ですか?
今回は、ワンちゃんが好むさつまいもについての解説や、与え方・注意点について詳しく解説していきます。
さつまいもは焼き芋やふかし芋だけでなく、スイートポテト等のスイーツなど幅広く使用されている食材です。
甘みがあり、さつまいもを好むワンちゃんが多いイメージがありますが、一体どんな栄養成分が含まれているのでしょうか?
さつまいもの主成分は炭水化物。
炭水化物は、体を動かすために必要なエネルギー源になります。
さつまいもには腸内環境を整え、排便を促すはたらきを持つ食物繊維が多く含まれています。
さらに老廃物の排泄も促し、デトックス効果も期待できるんです。
さつまいもには、ビタミンC・ビタミンB6・ビタミンEといったビタミン類が含まれています。
これらのビタミンには抗酸化作用があるので、細胞のサビつきや破壊を防ぎ、体を若々しく保つ効果が期待できますよ。
さらには、免疫力を高め、ガンや皮膚病などを抑制する働きも。
さつまいもに含まれるカリウムは、体にたまった塩分を体外に排出する働きがあるほか、心筋や筋肉の機能調節に役立ちます。
さつまいもにはβ-カロテンも含まれており、これは体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは皮膚や視力の健康を保つ働きのある成分です。
クロロゲン酸とは、ポリフェノールの一種です。
抗酸化作用と、抗炎症作用があり、さつまいもの表皮から約5mmの部分に存在しています。
ヤラピンとは、さつまいもを切った時に出る白い液体で、樹脂の一種です。
腸のぜん動運動を促進する働きがあり、便秘解消に役立ちます。
さつまいもには、体によい成分が数多く含まれていることが分かりました。
ワンちゃんの健康面にはどのような効果があるのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
食物繊維とヤラピンは排便を促進させる効果があるので、慢性的な便秘の改善が期待できます。
また、ヤラピンには胃の粘膜を保護する働きも。
さつまいもはビタミン類が豊富。
ビタミン類は病原菌が体に侵入するのを防ぐ免疫力アップ効果があります。
また、皮膚や粘膜を強化してくれるといった効果も。
ビタミンCに注目すると、細胞のサビ付きを防ぐ抗酸化作用をもっているといった側面があります。
よって、シニアや運動量の多いワンちゃん、術後、病後のワンちゃんなどにもさつまいもはオススメなのです。
ワンちゃんにさつまいもを与えることで、さまざまな効果があることが分かりました。
一方で、愛犬にさつまいもを与える際注意しなくてはいけないこともあります。
どういったことに気を付けなくてはいけないのか確認をしていきましょう。
さつまいもはアレルギーが出にくい食材ですが、ワンちゃんの中には稀にアレルギー反応をおこしてしまう子もいます。
アレルギーを発症した場合は、下痢や嘔吐・目の充血・肌のかゆみなどの症状が出ることが多いようです。
初めてさつまいもを食べる時には少量からスタートすると良いでしょう。
さつまいもはカロリーや糖質が多め。
ワンちゃんにあまりたくさんさつまいもを与えると、肥満になってしまうリスクがあります。
肥満は万病の元といわれるように、ほかの病気を誘発する恐れがあるのでさつまいもの与えすぎには注意しましょう。
さつまいもには食物繊維が多く含まれており、整腸作用があるため、食べすぎると逆に消化不良を引き起こす可能性があります。
せっかくの栄養効果も、与えすぎによって逆にリスクに変わってしまうので、ワンちゃんに与える時は適量を与えるようにしましょう。
さつまいもにはシュウ酸という成分が含まれており、シュウ酸がカルシウムと結合すると膀胱結石(シュウ酸カルシウム尿結石)を引き起こすリスクがあります。
皮をむいてゆでこぼすと、シュウ酸はほぼ除去されますが、結石になったことがあるワンちゃんには、念のため与えない方がよいでしょう。
さつまいもはよい栄養素が豊富に含まれている反面、与えすぎには注意が必要であることが分かりました。
ワンちゃんには下記のように正しくさつまいもを与えるようにしましょう。
説明したとおり、ワンちゃんの中には稀にさつまいもにアレルギー反応をおこす子がいます。
はじめてワンちゃんにさつまいもを与える時は、ごく少量から与えてみて、ワンちゃんの体調に異変がないかどうか確認するようにしましょう。
少しでも異変があればすぐに与えるのをやめ、獣医師さんに相談するようにしてください。
さつまいもは栄養価やカロリーが高く、与えすぎると肥満になるリスクがあるので、適正量を与えるようにしなければなりません。
ワンちゃんに与える時は、1日に必要なカロリーの10~15%以内の量を目安に与えましょう。
具体的には下記の量を目安に与えてください。
・超小型犬(4kg未満):輪切りのさつまいも1枚程度(約20gまで)
・小型犬(10kg以下):さつまいも8分の1本程度(約40gまで)
・中型犬(25kg以下):さつまいも3分の1本(約100gまで)
・大型犬(25kg以上):さつまいも半分くらい(約150gまで)
ワンちゃんの体格や体重によって適正量が変わってくるので、愛犬の体重の増減に注意しながら与えてください。
パピーは大人のワンちゃんのように消化器官が発達していません。
そのため、さつまいもを与えると消化不良から下痢や嘔吐をおこす危険性があります。
目安としては、消化器官が発達する生後10ケ月から1歳になってから、与えるようにしましょう。
生のさつまいもは消化に悪いので、ワンちゃんには加熱してから与えるようにしましょう。
調理法としては、茹でたり蒸したりするのがおすすめです。
NGなのは素揚げする調理法。
さつまいもを素揚げにすると、油分によって膵炎(すいえん)を引き起こしてしまう危険性があります。
さつまいもをワンちゃんに与える時は、素揚げにするのはやめましょう。
愛犬に下記の持病がある場合は、事前に動物病院に相談してから与えるようにしましょう。
・糖尿病:さつまいもは糖質が高いため
・尿路結石:さつまいもはシュウ酸が多く、シュウ酸カルシウム結晶ができやすいため
・慢性腎不全:さつまいもはカリウムが多く含まれ、悪影響を与える可能性があるため
・胆泥症:さつまいもはたんぱく質が多く含まれ、悪影響を与える可能性があるため
人もワンちゃんも大好きなさつまいも。
さつまいもは、調理の仕方で、愛犬と一緒に美味しく楽しめる野菜です。
栄養素が豊富で、上手に取り入れればワンちゃんのからだによい効果をもたらしますが、その反面、与え方を間違うと健康をおびやかすことになります。
飼い主さんは愛犬の体調をよく観察し、さつまいもを与えるリスクも念頭において、秋の味覚を楽しんでくださいね。
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