多くの飼い主さんは、愛犬を家族の一員としてともに生活しています。
最近ではワンちゃんも一緒に楽しめる施設や複合型施設等も増え、公共の場でのマナーやしつけについて考えさせられることも多くなってきました。
私たちと長く豊かに暮らしていくためには、ある程度ワンちゃんの行動を制するしつけが欠かせません。
散歩の時の飛び出しや拾い食いなど命に関わるような危険な行為があれば、決して繰り返さないよう理解させなくてはいけませんし、噛んだり吠えたりといった癖のある子には周囲に迷惑をかけないよう、基本的なルールを教えることも大切です。
とはいえ、言葉の通じないワンちゃんが相手ではなかなかうまくいかず、悩みを持つ方も多いようです。
今回はそんな「ペットのしつけ」に関して、興味深いアンケートを紹介します。
飼い主さんとプロであるドッグトレーナーでは、捉えているしつけの現状に差があるようです。
まずワンちゃんの飼い主さんに愛犬のしつけで悩んだことがあるか尋ねたところ、「ある」が73.0%で「ない」の27.0%を大きく上回りました。
7割超の悩んだことが「ある」人を対象にどのような悩みか複数回答可で尋ねると、トップは「インターホンや他人に吠えてしまう」の51.6%で、2位が「噛む癖がある」の25.4%、3位は「イタズラをする」の24.1%となりました。
以下「散歩の際にリードを引っ張る」の21.7%、「どこでも排泄してしまう」の21.2%などとなっています。
フリーコメントでは、次のような声が寄せられました。
「家に上がってもらうと、その人が座るまで吠えてしまう」
「新築ですが、複数箇所の壁紙を噛み切られてしまった」
「台所に入りゴミ箱をあさる」
来客に興奮して吠えてしまったり、家具や内装を傷つける、ゴミ箱をあさるなど、飼い主さんが抱える悩みが見えてきました。
愛犬に悪気はないことは分かっているだけに、飼い主さんとしても辛いところですよね。
では続いて、先ほどのような愛犬の問題行動に対し、飼い主さんはどのようにしつけを行っているのかを見ていきましょう。
複数回答可で尋ねたところ、「いけないことをしたときは叱る」が59.1%でトップ、次いで「褒めて教える」の47.4%となりました。
ダメなことはダメとしっかり覚えさせ、正しく行動できたり我慢できたりしたら、たっぷり褒めてあげるといったメリハリをつけてしつけるように心がけている方が多いようです。
3位は「トイレの場所を覚えさせる」の43.2%、4位に「触られることに慣れさせる」の39.8%、5位は「アイコンタクトが取れるようにする」の32.3%でした。
排泄場所をきちんと守るようにしつけるのは、共に長く、気持ちよく暮らしていく上で、やはり重要なことでしょう。
散歩中や外出時、来客時など、慣れない人から触られても興奮しすぎないようにさせておくと、トラブルを回避しやすいとも考えられます。
さらに、こうした方法でのしつけについて上手くいっている(上手くいった)と思うかどうか、尋ねた結果では、「とてもそう思う」が18.2%、「ややそう思う」が最多の50.5%で、合計68.7%、約7割の方は、ある程度上手くいっている実感を得られていました。
次に、ワンちゃんのしつけの専門家であるドッグトレーナーを対象に実施した調査結果を見ていきましょう。
まず、誤ったしつけの仕方をしている飼い主さんが多いと思うかどうかを尋ねると、「とても多い」とした方が45.9%、「やや多い」が44.7%で、この2つを合わせると、なんと90.6%ものトレーナーさんがしつけに問題のある飼い主さんは多いと感じていました。
「あまり多くはない」は7.4%、「少ない」と回答したドッグトレーナーさんは、わずか2.0%となっています。
プロの視点から見ると、飼い主さんが効果があると思って行っているしつけも、方法として正しくないと感じられることが多いと分かりました。
続いてドッグトレーナーから見た、やってしまいがちな誤ったしつけとして何が挙げられるのか、複数回答可で尋ねました。
最多回答は「常にご褒美を与える」で、なんと43.6%の回答率に。
ワンちゃんに正しい行動を学習させるためにおやつを与える方も多いと思いますが、その頻度が多いと思われているようですね。
また、2位は「吠えているときに叱る」の38.5%、3位が「上から見下ろして叱る」の29.9%でした。
周囲の迷惑も気になり、ついその場で叱るといったことはありがちですが、これも誤った方法と考えるトレーナーは多いことが分かります。
さらに見下ろして叱るのはよくないなど、叱るときの姿勢や方法についても、注意が必要なようです。
さらによくやりがちな誤ったしつけについて具体的に尋ねたところ、次のような声が寄せられました。
「できないと叱る」
「叱るときに名前を叫んだり、食べ物で釣ろうとしている」
「犬のペースで散歩をさせる」
また、反対に望ましいしつけ方法については、次の回答が見られました。
「コミュニケーションを増やしながら目を見て優しく語る」
「なるべく気持ちに寄り添ってあげる」
「できたときはすごく褒める」
「愛情を持って接する」
どれも基本的なことのようですが、しっかりとした信頼関係を築いて諭していくこと、気持ちに寄り添うことが重要なのですね。
次に食事のしつけにおけるポイントについて、ドッグトレーナーに複数回答可で尋ねました。
すると「食事の時間を決める」が38.1%で最も多く、2位は「いつでも食べられると思わせないこと」の32.3%、3位が「ねだられても許可しない」の18.4%でした。
いずれも食事やおやつをあげるのは決まった時間内とし、飼い主さんがしっかりコントロールすることが求められています。
ワンちゃんが欲しがるから与える、なかなか食べきれないからそのまま食事を置いておくなどの行動には注意が必要です。
また、この食事ルールをしっかり身につけさせることで、その他のシチュエーションにおいても、飼い主さんとの意思疎通ができるようになっていく可能性も指摘されています。
ワンちゃんと生活していると、無駄吠えや噛み癖、イタズラなど、問題行動に悩むことも少なくありません。
飼い主さんはしっかりとしつけをした気でいても、その仕方がワンちゃんの習性や行動に寄り添えていない場合があるようです。
もちろんより本質的に大切なのは愛情を込めて接することですが、しつけに不安を感じている場合には、ドッグトレーナーなどプロに相談するのもひとつの手ですね。
とはいえ、トレーナーさんの考えもさまざまなので、飼い主さんや愛犬に合う人に出会えるよう情報収集からはじめてみてもいいかもしれません。
参考リンク
PRTIMES
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