おすわりはワンちゃんへのしつけの基本です。
多くの飼い主さんが愛犬へのしつけのファーストステップとして教えているのではないでしょうか。
じつは、おすわりを覚えてもらうことは、飼い主さんだけでなくワンちゃんにとってもメリットがあるんです。
どんなメリットがあるのか、そしてトレーニング方法についてご紹介します。
ワンちゃんを迎えたばかりの方はもちろん、「じつはまだおすわりが完璧じゃない」というワンちゃんと暮らす方も、ぜひ参考にしてみてください。
ワンちゃんが飼い主さんのおすわりの合図をしっかり理解し、すぐに行動にうつせることには、さまざまなメリットがあります。
飼い主さんだけでなくワンちゃん自身の身を守ることにも繋がるので、しっかり教えてあげましょう。
ここでは、3つのメリットをご紹介します。
ワンちゃんにおすわりを教えるメリットの一つ目は、散歩中の事故を防げること。
車の通りが多い道や、危険がある場所でのお散歩の際におすわりができれば、ワンちゃんの不意の飛び出しを防ぐことができます。
たとえば信号待ちや、車とすれ違う時などにおすわりができると、飼い主さんも安心できますよね。
おすわりを覚えることは、周囲の人へ迷惑をかけることを防止できます。
ワンちゃんによっては、お散歩中に人に吠えてしまったり飛び掛かったりしてしまう子もいますよね。
人が大好きだからこその行為であっても、周りの人からすると迷惑になることもあるでしょう。
そこで、人とすれ違う時や愛犬が嬉しそうに人に近寄ろうとした時におすわりをさせることで、そういった行為を防ぐこともできます。
飼い主さんのおすわりの合図に応えるといった一連の行動は、ワンちゃんの気持ちを落ち着かせることにつながります。
それにより、吠える、噛むといった問題行動を抑止するメリットも。
例えば、来客時に興奮して吠えるワンちゃんにおすわりをさせると、気持ちが落ち着き大人しくなります。
おすわりを合図に、興奮状態から脱することができるのです。
しかし、こういったメリットはワンちゃんがしっかりとおすわりをマスターしていることが大前提になります。
まずはワンちゃんにおすわりマスターになってもらうことからスタートしましょう。
ワンちゃんにおすわりを教えるためには準備が必要です。
ここからはトレーニングを始める時期や必要なものを紹介します。
ワンちゃんのしつけは早ければ早い方が良いと言われていますね。
人間と同じように若いうちは吸収が早く、新しいこともすんなり覚えることができます。
しかし、お迎えしてからしばらくは新しい環境での生活に慣れるための期間が必要です。
お迎え時期にもよりますが、トレーニングを始めるのは生後3ヶ月くらいがおすすめ。
飼い主さんとの絆を深めるためにも、新しい環境に慣れたら早速おすわりの練習を始めてみましょう。
また、成犬になってから迎えたワンちゃんでも、トレーニングでおすわりを覚えてもらうことはできますよ。
パピーと同じように新しい環境に慣れたころから、トレーニングを始めてくださいね。
ワンちゃんにおすわりのトレーニングをする際には、まずおやつを用意します。
おやつ選びのポイントは、カロリーが低く小粒のものを選ぶこと。
何度も繰り返し練習するので、カロリーが高く大粒のものは肥満の原因になります。
ワンちゃんはおやつの大きさよりももらった回数に喜びを感じ、頑張って練習に挑んでくれますよ。
ジャーキーなど大きなおやつを使う場合は、なるべく小さくちぎって準備をしましょう。
準備が整えばすぐにでもトレーニングはスタートできます。
ワンちゃんの犬種や性格によって教え方の工夫は必要ですが、ここでは基本となるおすわりのトレーニング手順を解説します。
あまり厳しくなりすぎず、愛犬のスピードに合わせて日々トレーニングを重ねていきましょう!
まずは、ワンちゃんと飼い主さんで向き合います。
おやつを1つだけ手に握ってニオイを嗅がせ、おやつがあることに気づかせましょう。
次に、おやつを握った手をワンちゃんの目線と飼い主の目線の間に持っていき、アイコンタクトをとりましょう。
おすわりを覚えてもらうためには、このアイコンタクトがとっても重要です。
愛犬とのアイコンタクトがとれるようになったら、おやつをワンちゃんに少しずつ近づけます。
手を舐めたり前足を乗せて来たりしても、まだおやつをあげてはいけません。
そのままおやつをワンちゃんの頭上に上げていくと、自然とワンちゃんはお尻を床につけて座ってくれます。
そして座った瞬間に「おすわり」の合図をかけてから、手に握ったおやつをあげて褒めてあげましょう。
もし、おやつを持ち上げても座らないようであれば、おやつを持っていない方の手でワンちゃんのおしりを優しく押してみてください。
ワンちゃんを壁の前に立たせて同じようにやってみると、ワンちゃんは後ろに下がれないため、腰を下ろす姿勢をとりやすくなるのでおすすめです。
ワンちゃんは大好きな飼い主さんに褒められることが大好き。
おすわりができたら大げさなくらい喜んで褒めてあげることで、「自分がやったことを褒めてもらえた!」「飼い主さんが喜んでくれた!」「もっともっと!」と頑張ってくれますよ。
最初はおやつ欲しさにやっていても、繰り返し練習していくうちに、合図だけで座るようになります。
合図だけでおすわりができるようになったら、肥満予防のためにおやつのご褒美は徐々に減らしていきましょう。
室内でできるようになったら、今度はお庭や公園など自宅以外のところでもトレーニングを重ねましょう。
リラックスできる自宅でおすわりができるようになっても、警戒したり興奮してしまう屋外ではなかなかできないという子もいるようです。
ですが、どんな環境であってもおすわりができるようになることが、愛犬のためにもなるので、屋外でもトレーニングを重ねましょう。
基本の練習手順を紹介しましたが、実際にやってみると思うようにはいかないのがしつけです。
ここではワンちゃんにおすわりを教える際の注意点をお伝えしておきます。
練習がなかなかうまくいかない時に参考にしてみてください。
ワンちゃんは褒められて伸びる子がほとんどです。
ワンちゃんも飼い主さんも前向きに楽しんで練習するためには、時間や気持ちにゆとりがあるときにおすわりの練習をするようにしましょう。
おすわりには「おすわり」「すわれ」「シット」「シットダウン」などの指示がありますが、どの言葉を使っても構いません。
ただし、毎回違う言葉で指示をされるとワンちゃんは戸惑ってしまうため、ひとつの言葉に統一しましょう。
とくに家族でトレーニングする際は、指示がバラバラになりやすいので、事前にどの言葉を使うか決めておくことをオススメします。
パピー期のワンちゃんが甘えてくるのは本当にかわいくて嬉しいものです。
しかし、おやつを握った手をペロペロと舐めてきてそのまま食べさせてしまえば、「手を舐めることがお座りだ!」と間違って認識してしまいます。
おやつを欲しがって練習どころではない状況でも、時間が経つとワンちゃんは疲れてストンと腰を下ろします。
そのタイミングですかさずおやつをあげるようにしてみてください。
ワンちゃんと生活していく上で、しつけは欠かせないもの。
とくに、おすわりはワンちゃんの身を守ることにも繋がる基本のしつけです。
皆さんとワンちゃんとの毎日をより幸せに快適に過ごすためにも、愛犬にはおすわりをしっかり覚えてもらいましょう。
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