この十数年で犬・猫の殺処分は、多くの自治体や保護施設の活動により、減少傾向にあります。
しかし依然として年間、約3万頭の尊い命が奪われています。
こうした犬猫をさらに減らすため、新たに環境省が開始した「つなぐ絆、つなぐ命」プロジェクト。
今回は、国や企業の新たな取り組みをご紹介します。
アマゾンジャパン合同会社(以下、Amazon)は8月30日、環境省による新たな犬猫の譲渡拡大推進プロジェクト「つなぐ絆、つなぐ命」の連携先として、同省と第1号のパートナーシップを締結したことを発表しました。
Amazonはこのプロジェクト最初のパートナー企業として、環境省と連携し、地方自治体や動物保護施設で展開される譲渡活動を広く支援。行き場を失ってしまったワンちゃんやネコちゃんが、可愛がってくれる新しい飼い主のもとへスムーズに引き取られ、終生安心して暮らせるような社会の実現を早急に目指していくとしています。
Amazonでは、これまでにも独自に「動物保護施設 支援プログラム」と呼ばれる取り組みを実施。全国各地の保護施設をサイト上で紹介したり、保護施設が必要とする物資を掲載した「ほしい物リスト」を活用してAmazonユーザーから支援を募り、各施設の取り組みや活動に必要な物資提供を行ったりする活動を続けてきました。
これによって動物保護施設や保護犬・保護猫の存在を知り、問題を身近にとらえるようになった方も多いと考えられます。
しかし実際に保護犬や保護猫を新たな家族の一員として迎え入れようという方たちにとって、「近隣の信頼できる動物保護施設を把握することが難しい」「保護犬・保護猫の譲り受けに関する情報が不足している」といった状況がなおあり、今後の課題になっていたと言います。
そこでAmazonは、今回の環境省プロジェクト「つなぐ絆、つなぐ命」との連携を機に、これまでの「動物保護施設 支援プログラム」を刷新、新しく「保護犬・保護猫 支援プログラム」を開始することにしました。
パートナーシップをもとに今後、環境省は地方自治体へ、Amazonによる「保護犬・保護猫 支援プログラム」への参加を呼びかけていきます。
地方自治体を通じて全国の動物保護施設にも参加が呼びかけられ、Amazonはそうした施設への物資支援と、施設に関する情報提供をさらに広く人々へと届けていきます。
プログラム上で紹介される動物保護施設は、Amazonが業務委託した第三者機関による審査を経た施設はもちろん、地方自治体の動物愛護センターやそのセンターが協力団体として認める動物保護施設も対象に含まれるものとなり、掲載施設数が現状の約140から2024年までには500に拡大される見通しとなっています。
環境省の働きかけがあることでプログラムへと参画し、Amazonが紹介できる動物保護施設は全国規模で拡大すると見られ、掲載方法も都道府県別に変わります。
保護犬・保護猫の譲り受けを希望するユーザーにとって、より多くの情報を得やすくなり、近隣の希望に合う動物保護施設をチェックしやすくなるでしょう。
さらに大きな注目点として、初めてワンちゃんやネコちゃんを飼う、保護犬や保護猫を家族に迎えた経験はない、先住犬・先住猫がいるから相性面などに不安がある……そうしたさまざまなお悩みに応える、Amazonからのサポートも開始されることになりました。
具体的には、Amazon専属の獣医師が無料で相談に応じるサービスで、保護犬・保護猫の譲渡に関する質問や悩み事であれば、メールにより専門的な観点からのアドバイスが受けられるようになっています。
身近な生活サービスの窓口として浸透したAmazonが、環境省の保護犬・保護猫にかかる新プロジェクトで最初のパートナーになることが決定しました。
その意義は大きく、Amazonが展開してきたペットたちとの理想的な共生社会を目指す、支援プログラムのさらなる拡充につながります。
自治体や保護施設から、家庭に引き取られる犬猫が増えれば、殺処分される犬猫を減らすことが可能となります。
そして、より沢山の人が自然と保護犬・保護猫を家族に迎え入れるという選択肢を持つことができれば、社会全体の意識もより良い方向へと変わって行くかもしれません。
こうした取り組みの広がりを積極的に支援し、いずれは保護施設自体がなくとも、ワンちゃん・ネコちゃんが幸せに暮らせる社会になるようにしていきたいですね。
参考リンク
Amazon
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