秋の味覚といえば、栗。
優しい甘みと豊かな香りに、心惹かれる方も多いでしょう。
そんな旬の食材なら、ぜひ愛犬と一緒に楽しみたいですよね。
ですが、木の実の一種である栗を与えてもいいのか、迷ったことはありませんか?
そこで今回は、ワンちゃんは栗を食べられるのかという点に加え、含まれる栄養素や与え方、注意点を解説します。
ワンちゃんと一緒に秋の味覚を楽しむための参考にしてくださいね。
渋皮まで剥ぎ加熱された栗は、ワンちゃんが食べても大丈夫な食品です。
香ばしさや自然の甘みがあることから、人間と同様にワンちゃんも好んで食べてくれる子が多いようです。
栗は1粒が小さいものの、その中に幅広い栄養素がぎっしりつまっています。
食べ過ぎには注意して、少量与えるだけなら問題ありません。
また、マイナス2~0度の状態で3~4週間冷蔵保管してから食べるのがおすすめです。
冷蔵保管は殺虫効果があるほか、栗に含まれるでんぷんが糖に変化するためさらに甘みが増し、ワンちゃんが進んで食べてくれるでしょう。
木の実である栗は栄養満点のスーパーフードと呼ばれることもある食材。
その主成分は炭水化物ですが、ビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。
ここでは、栗に含まれる栄養素がワンちゃんの体内で果たす役割を紹介します。
栗には三大栄養素のひとつである炭水化物が多く含まれています。
ワンちゃんの体を動かすためのエネルギー源になる、重要な栄養素。
さらに消化のサポートをして腸内環境を維持してくれます。
ビタミンAは目の網膜細胞の栄養素となり、体の成長にも欠かせません。
ビタミンAが欠乏すると、免疫機能低下、視覚障害、皮膚疾患、被毛の劣化を引き起こす可能性も。
栗にはビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6が含まれています。
ビタミンB1は炭水化物の代謝に役立ち、ビタミンB2は皮膚を健やかにし、ビタミンB6はタンパク質や脂質の代謝に使われます。
栗に含まれるビタミンCは約33㎎。
ワンちゃんの体内の骨や歯、軟骨の生成に重要な栄養素です。
抗酸化作用のあるビタミンEは、細胞を健やかにする役割を持つ栄養素。
ワンちゃんの体内でビタミンAの破壊を防ぐほか、ビタミンAの働きをサポートします。
ミネラルのひとつであるカリウムは細胞の浸透圧を調節し、タンパク質や糖質、脂質の代謝をスムーズにします。
栗は食物繊維も豊富です。
食物繊維は血糖値が上昇するのを防ぎ、腸内環境を整え、便秘を改善します。
人間は栗をそのまま茹でるほか、料理やスイーツを作って味わいますが、ワンちゃんにはどのようにして与えればよいでしょうか。
ワンちゃんへの栗の与え方を解説します。
木の実である栗は100gあたり160kcal前後であるため、比較的カロリーが高いと言えます。
食べさせ過ぎると肥満につながるため、主食ではなくおやつやトッピングとして少量与えるようにしましょう。
ワンちゃんが栗を食べ過ぎるとカロリーオーバーとなり肥満につながるため、主食ではなくおやつやトッピングとして与えましょう。
おやつの適量は、1日に必要な摂取カロリーの2割以内とされていますが、栗はカロリーが高いため1割程度から始め、体重が増えないように様子を見ることをおすすめします。
ワンちゃんが何個まで食べられるかの目安は、体重や活動量、成長段階によって異なります。
適量の目安は、ワンちゃんの体重が5kg以下ならば栗1個以内、体重が10kg前後ならば栗2個、体重25キロ以下なら栗3個、体重25kg以上なら栗4個程度です。
ワンちゃんが食べられる栗の部分は、硬い鬼皮と薄い渋皮を剥いた中身の部分です。
鬼皮は、喉に詰まったり消化器官内を傷つけたりする可能性があります。
また渋皮はかみ切りにくく消化不良の原因となるほか、タンニンの過剰摂取となりかねません。
また、鬼皮付きの栗は唾液で滑りやすくなるため、そのまま飲み込んでしまい窒息や腸閉塞を引き起こすことも。
万が一ワンちゃんが皮ごと食べてしまったら、動物病院で診察を受けるようにしましょう。
栗は生のままでは固く消化しにくいだけでなく喉に詰まりやすいため、必ず熱を通しましょう。
皮を剥きやすくするため、栗は調理の前日から水に浸しておきましょう。
水からあげたら、沸かしたたっぷりのお湯に栗を入れ、30~40分茹でます。
電子レンジを使用する場合は、あらかじめ鬼皮と渋皮を剥ききるか、鬼皮に半周以上の長さで渋皮まで達する程深く切り込みを入れてから加熱します。
加熱時間は600Wで5分程度が目安です。
皮を剥かない、もしくは切り込みが短かったり浅い場合には、栗が爆発することがあるため、十分に注意しましょう。
ワンちゃんに与える際は、しっかり粗熱をとり、刻んだり潰すなどして喉に詰まらないよう工夫してください。
ここまで紹介したように、基本的にはワンちゃんに栗を与えても問題ありません。
ですが、いくつか気を付けたいことがあるので、確認しておきましょう。
栗は体内の免疫機能が過剰反応する原因となるタンパク質を含むため、すべてのワンちゃんがアレルギー症状を起こさないとは言い切れません。
ワンちゃんが初めて栗を食べる時にはごく少量にして、食べた2日後まではワンちゃんの様子に変化がないか見守る必要があります。
以下のアレルギー症状が現れたら、与えるのは中止し、動物病院を受診しましょう。
皮膚のかゆみ
食欲の低下
目の充血
嘔吐
下痢
ワンちゃんが食べられるのは原材料が栗のみの食品です。
人間用の加工食品には塩や砂糖、脂肪分などが多く使われているため、与えないようにしましょう。
栗そのままに見える甘栗でも、なかには砂糖や水あめを使用している製品もあるため注意が必要です。
与えるのは、犬用のおやつか栗のみを加熱したものにしましょう。
ワンちゃんが腎臓病や心臓病を患っている時に栗を与える場合、栗に含まれるカリウムが原因で体調を崩し、悪化する場合があります。
栗にはさまざまな栄養素が含まれているため、持病のあるワンちゃんに栗を食べさせたい場合は、事前に獣医師さんに確認すると安心です。
栗に含まれる栄養素やワンちゃんへの与え方、注意点をお伝えしました。
美味しい栗をワンちゃんと共に楽しむための参考にしてくださいね。
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