日本の食卓でおなじみの納豆は「畑の肉」と言われる大豆から作られる発酵食品。
低カロリーな上に植物性タンパク質がたっぷり含まれており、健康食として不動の人気を誇っています。
私たちにとっては、免疫力アップや腸内環境の改善などの効果も期待できる納豆ですが、ワンちゃんにとってはどうでしょうか。
今回は、健康効果がワンちゃんにも有効なのか、どのように与えたらいいのかを紹介します。
納豆にはワンちゃんの体に害のある成分は含まれていないので、食べさせても問題のない食品です。
ただし付属のタレ等を使用したり、中毒の原因となるネギを入れるのはNG。
塩分は足さずに、そのままの状態で与えるようにしましょう。
納豆の独特な香りは好みが分かれますが、ワンちゃんにもあの香りが大好きという子がいるようです。
最近は、納豆をフリーズドライにしたワンちゃん用おやつも登場しています。
私たち人間にとって健康食と言われる納豆は、ワンちゃんにとっても体にいい食品です。
納豆特有の酵素の一種「ナットウキナーゼ」をはじめとして、タンパク質、ビタミンB2、ビタミンK2、カリウム、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、グルタミン酸などが豊富に含まれており、ワンちゃんの健康をサポートしてくれます。
また、納豆にはナットウキナーゼ以外にも、大豆特有の酵素「大豆イソフラボン」と「大豆サポニン」が含有されています。
この3つの酵素が、ワンちゃんの健康にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
ナットウキナーゼとは、大豆の発酵過程で納豆菌が産出する酵素のことで、ネバネバした部分に含まれる成分です。
血栓の主成分に直接働きかけて血栓を溶かしやすくする働きがあり、それにより血圧を下げる効果が期待できます。
中には血栓溶解効果のあるナットウキナーゼのサプリメントを勧める動物病院もあるようです。
免疫力向上に優れた大豆イソフラボンは、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種。
私たち人間にとってはアンチエイジング効果があると言われていますよね。
ワンちゃんにとっては、皮膚の調子を整え毛ヅヤがよくなったり、骨の強化、生活習慣病の予防、認知症の予防、悪玉コレステロールの抑制、動脈硬化予防などの効果が期待できます。
大豆サポニンは優れた抗酸化作用があるため、活性酸素を取り除き、脂肪の酸化予防、抗炎症作用、がん細胞の増殖抑制、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防などに役立ちます。
手軽に手に入る食品だからこそ、ワンちゃんの体にいいとなれば食べさせてあげたくなりますよね。
ですが、与える際にはいくつか注意したいことがあります。
どんな食べ物でも食べ過ぎはいけません。
納豆も体にいいからと言って大量に与えないよう注意してください。
ワンちゃんに与える量の目安は、栄養バランスを崩さないように、一日に必要なカロリーの約10%に抑えましょう。
一般的な1パックは40~50g程ですので、以下の量を目安に一口、二口与える程度がいいですね。
超小型犬 3~5g程度
小型犬 16g程度
中型犬 27g程度
大型犬 27g~45g程度
粒状の納豆をそのまま与えるよりも、予め刻んであるひきわり納豆の方が消化に良いとされています。
粒のまま与えるのであれば、大粒より極小粒のものにするか刻んでから与えた方がよさそうです。
パピーやシニア犬にも納豆を与えても問題ありません。
シニア犬の場合は、食欲が落ちている時に栄養補給や腸内環境を整えるために与えるのがおすすめ。
ただし、シニア犬にタンパク質を与えすぎると、腎臓や肝臓、心臓にも負担がかかる恐れがあるので、与えすぎには注意が必要です。
パピーもシニア犬も、納豆を食べた後に軟便になったり下痢をしたりしないか様子を見ながら、少しずつ与えましょう。
いくら健康に良いからといって、納豆を人間と同じように食べさせるのはとても危険です。
ワンちゃんに納豆を与える時は、下記のことに注意するようにしましょう。
納豆のパックに付属しているタレやからしを加えてはいけません。
ワンちゃんに与えると塩分過多になり、保存料や添加物などで健康を害する恐れもあります。
また薬味のネギもワンちゃんにとってとても危険な野菜です。
うっかり与えないよう、納豆は人間が食べる前に取り分けてください。
大豆アレルギーがあるワンちゃんには納豆を与えてはいけません。
アレルギーの有無が分からない場合は、ほんの少量だけ与えアレルギー症状が出ないかどうかを慎重に見極めなければなりません。
皮膚の痒みや嘔吐、下痢、元気がなくなる、目の充血などの症状があれば、すぐに獣医の診察を受けましょう。
アレルギー症状が出なければ、日数をかけて徐々に量を増やしていきましょう。
また、納豆にはタンパク質やカリウム、リンも多く含まれるため、食べすぎると肝臓や腎臓に負担をかけることも。
腎臓病、肝臓病のワンちゃんには、与えないことをおすすめします。
人間用の納豆加工食品は味付けされていたり、ワンちゃんにとって有害なものが入っている可能性があるので、原材料をしっかり確認してください。
大豆と納豆菌、水以外の材料が入っているものは避けた方が良いでしょう。
また、添加物の入っていないフリーズドライの納豆は水分が抜け軽くなっているので、与える量はほんの少しにしましょう。
大豆サポニンにはメリットも多くありますが、脂質を溶かす力があるため腸表面の脂質にも働いてしまいます。
胃腸が弱っている時や、もともと胃腸が弱いワンちゃんが食べると腸の炎症を引き起こすこともあるので、与えないようにしましょう。
ワンちゃんの食べ方や顔まわりの毛の生え方によっては、納豆のネバネバが毛に絡みついてしまいます。
そのまま放置してしまうと汚れや匂いの原因となってしまうので、さっと水洗いするか、フリーズドライ等を与えるといいでしょう。
ワンちゃんへの納豆の与え方と注意点を解説しましたが、いかがでしたか。
納豆は、正しく与えれば愛犬の健康を守る良い食品です。
愛犬の健やかな生活のために納豆を活用し、おやつやごはんのトッピングに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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