毒性は低い?使い捨てカイロ誤食の対処法

毒性は低い?使い捨てカイロ誤食の対処法

使い捨てカイロ

 
寒くなるにつれて使用頻度が増える使い捨てカイロ。
飼い主さんがうっかり置いてしまったカイロを、ワンちゃんが見つけて遊んでしまうこともあります。
噛んで振り回したときに中身が飛び出て誤食してしまうと、ワンちゃんの体にどのような影響があるのでしょうか。

そこで今回のコラムでは、愛犬がカイロを食べてしまった時に現れる症状や対処法について解説します。
万が一の場合に備えて、飼い主さんが落ち着いて対応できるようヒントを集めました。

 

使い捨てカイロの危険性は?

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好奇心旺盛なワンちゃんは、興味を持ったものを口に咥えることがあります。
それが誤食につながり、体調を崩すことも少なくありません。

もし使い捨てカイロを誤食してしまった場合、毒性はあるものの、その毒性は比較的低いものに分類されます。

しかしながら、カイロの危険性はその構成成分が大きく関係しているため、使用されている主な材料を把握しておくことが大切です。

カイロに使われている材料

鉄粉


保水材
活性炭
バーミキュライト
不織布

 

カイロが熱を生じるのは、鉄粉が空気中の酸素や水と一体化する酸化反応が生じるためです。
内容物のうち水や塩、バーミキュライトは酸化反応を促進する役割、活性炭は酸化反応が進むのを抑えて長時間暖かさを保つ役割を果たしています。

カイロの内容物は、基本的に重篤な中毒症状を引き起こすものではないため、ワンちゃんが少量だけ食べたとしても重症化リスクは低いでしょう。
しかし、ワンちゃんが中身を大量摂取してしまったり、使用前・使用中のカイロを食べてしまった場合や不織布まで飲み込んでしまった場合は危険性が高まります。

 

カイロ誤食で見られる症状

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カイロを食べてしまった際、何を口に含んだのか、またどんな使用状況だったのかによって現れる症状が異なります。
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

 

大量の酸化鉄を食べた

ワンちゃんが酸化鉄を大量に食べると過剰摂取となり、胃腸の粘膜が傷ついて下痢や嘔吐、腹痛などの初期症状を起こします。
なかには元気がなくなったり、眠ったように動けなくなる様子が見られることも。

さらに、鉄分が腸から吸収されると、体中をめぐって肝臓や心臓などの臓器に悪影響を与えかねません。
カイロによる中毒が進めば、心臓が弱って低血圧や肝不全を起こし、最悪の場合は命を落とす危険性もあります。

 

使用前・使用中のカイロを食べた

ワンちゃんが使用前・使用中のカイロを誤食した場合はどのような異変が起きるのでしょうか。

すでに発熱が始まっているカイロを食べた時には、その熱によって食道や消化器官の粘膜を傷つけることがあります。
また、使用前であってもワンちゃんがかんだ刺激で発熱することがあるため、注意が必要です。
熱を帯びれば、使用中のカイロと同様に粘膜を傷つける可能性が十分に考えられます。

 

カイロの不織布を食べた

カイロの中身を包む不織布は誤食すると胃や腸に詰まることがあります。
不織布が消化されないまま、胃の出口で詰まると以下の症状が見られます。

不織布が詰まった症状

元気がなくなる
げっぷをする
嘔吐をする
お腹が張る

 

不織布が腸に詰まった場合には、手術により摘出処置が必要です。
誤食した形跡があり、食欲不振や嘔吐、便秘や下痢などが見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

ワンちゃんがカイロを食べてしまった場合の対処法

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ワンちゃんがカイロを口にしていたり、食べた形跡がある場合には、、落ち着いて次の対処をしましょう。

 

カイロを咥えていたら交換を促す

ワンちゃんがカイロを咥えているのを見つけたら、思わず慌てて取り上げようとしてしまいますよね。
ですが、そうするとワンちゃんは飼い主さんが遊んでくれていると思い、面白がって渡そうとしないことがあります。
また、とられないように急いで飲み込んでしまうことも。

咥えている姿を目にした場合には、ワンちゃんが大好きなおやつやおもちゃを見せて興味を引き、カイロと交換してもらいましょう。
もしくは、ごはんを用意して注意を引く、散歩用のリードを手にするなどして自ら口を離すように促すのも効果的です。

 

まずは様子を確認する

カイロの中身や不織布を少量食べたと思われる時は、その場所からワンちゃんを離しましょう。
片付ける前にカイロの状態を見て、ワンちゃんが食べたものが中身だけなのか、それとも不織布も食べたのか確認してください。
散らかっているカイロの残量から、どれだけ飲み込んでしまったのかわかるかもしれません。

また、ワンちゃんを観察し、以下の様子が見られないか確認しましょう。

ワンちゃんの様子

元気がない
食欲がない
嘔吐を繰り返している
下痢をしている
呼吸が荒い

 

嘔吐や下痢が続き、呼吸困難を起こしている時は深刻な状態のため、急いで獣医師に診てもらいましょう。

 

誤食した場合はすぐに動物病院へ

ワンちゃんがカイロを誤食したことがわかったら、深刻な状態ではない場合でもワンちゃんの健康を守るため、早めの受診が推奨されます。

カイロの誤食に関わらず、夜間や休日だった場合に備えて、24時間対応の動物病院を事前に調べておくと安心です。

受診の際には、飲み込んでしまったものの種類や量、ワンちゃんの様子の変化を伝えるようにしましょう。
獣医師さんの適切な診断の手助けとなります。

 

家では無理やり吐かせない

基本的に、誤食したものは家で吐かせないようにしましょう。
ワンちゃんの口を無理に開けて手を突っ込むと、ワンちゃんが反射的に噛んでしまい、飼い主さんがケガをする原因となるためです。

また、ワンちゃんを逆さにして振ることによって吐き出させる行為は誤嚥につながります。

加えて、水や塩を与えてワンちゃんの吐き気を促すことも止めましょう。
水を与えると異物が体に吸収されやすくなるほか、塩の摂取は腎臓に負担をかけ、中毒の危険性が高まります。
万が一、手術することになった時に、胃の中に水分が多く残っていると誤嚥を起こす可能性があり、麻酔を使用できなくなることも。

家で緊急的にできる措置はとくにないため、ワンちゃんを助けるためといっても手荒なことはせず、動物病院へ行きましょう。

 

まとめ

ワンちゃんがカイロを食べた時の危険性やそれによる症状、対処法をお伝えしました。

使い捨てカイロには毒性がありますが、少量であれば重篤な症状を引き起こす可能性は低いとされています。

ただし、誤食した量やカイロの状態によっては危険性が高まるため、注意が必要です。
食べたものの種類や量を確認して、素早く動物病院へ連れて行き、愛犬の健康を守りましょう。

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