愛犬に受けさせていますか?健康診断の検査項目を解説

愛犬に受けさせていますか?健康診断の検査項目を解説

Veterinarian Stroking Dog Close Up

 
人の場合、職場や自治体などで毎年の健康診断を受ける機会がありますが、ワンちゃんはそうはいきません。
ですが、ワンちゃんも動物病院で健康診断を受けることができるため、定期的に受診している飼い主さんが増えてきているようです。

獣医師による診断や各種検査によって、それまで気付けなかった愛犬の病気が見つかることもあります。
早く見つかればその分、悪化する前に治療に入れるのでできれば受けさせたいですよね。

しかし、どのような検査があるのかをまだあまり知らないという方も多いでしょう。
また、検査にかかる費用についても気になるところですよね。

今回はワンちゃんの健康診断の内容や費用など、気になるポイントを紹介します。

 

ワンちゃんに健康診断は必要?

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元気で病院に行くことがあまりないワンちゃんは、健康診断にもあまり縁がないかもしれません。
そもそも、健康診断はワンちゃんにとって必要なものなのでしょうか。
まずはその必要性について見ていきましょう。

 

病気が見つかる

ワンちゃんは人間と違い、体に不調があっても言葉で伝えることができません。
そのため、病気が隠れていても飼い主さんが気づけない場合も多いのです。
しかし健康診断を受けることで、病気の早期発見につながることがあります。

また、検査結果から特定の病気になる可能性が高い「病気予備軍」の発見も期待できるでしょう。
予備軍だと分かれば、食事制限や運動を通して予防することもできますね。

 

体の基準値がわかる

健康な時に検査を受けておくことで、愛犬の普段の基準値がわかります。
ワンちゃんによっては、普段から白血球の数が少ない子や、肝臓機能の数値が基準値内でも高い子もいます。
健康な時の愛犬の基準値を把握しておくことで、体調不良の時の数値と比較することができ、体調不良の原因がわかりやすくなります。

 

何歳から必要?頻度は?

パピーのうちは検査自体がストレスになることがあるので、目安としては2回目のワクチンが終わり、去勢や避妊手術を視野に入れ始める生後6ケ月前後が、最初の健康診断の適期と言えるでしょう。

成長期・青年期は基本的な血液検査とレントゲンを主に検査項目にし、内臓が衰え始める中年期にさしかかる頃には、ホルモン検査や超音波検査を受けることをおすすめします。
頻度としては6歳くらいまではだいたい1年おきに定期的に受けるのが望ましいでしょう。

6歳以降の中年期からは体調の変化や異常が出やすくなるので、半年おきの検査を受けておくと安心ですね。
毎年春にフィラリア検査の採血がされることが多いので、その時に一緒に健康診断を受けるように動物病院が推奨することもあります。

 

健康診断の検査項目とは

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健康診断にはさまざまな検査項目があります。
できれば全部受けさせてあげたいと思う一方、費用や愛犬への負担、かかりつけ病院の設備等によっては難しいですよね。
動物病院ではワンちゃんに合わせて、検査項目を選ぶことができます。

ここでは、どんな検査項目があるのか主なものをまとめて紹介します。

 

問診

通常はまず問診から始められます。
お家での普段の活動の様子や、食欲、食べているもの、排泄の状態などを聞かれます。

気になっていることがあれば予めまとめておき、この時に相談をすると良いでしょう。
些細なことでもワンちゃんの健康を改善するためのヒントになります。

 

触診、聴診

聴診器を使用して心臓の音や気管の音などを聴いたり、ワンちゃんの体を触ってしこりなどの有無を調べます。
体の音を聞くため、愛犬があまり興奮しすぎないよう飼い主さんが落ち着いた状態で診察室に入るようにしましょう。

 

血液検査

一概に血液検査と言っても、その項目は多岐にわたります。
肝臓や腎臓などの内臓の検査から、副腎などのホルモン検査なども可能です。
項目数によって費用に差ができるので、ワンちゃんの年齢や状態に合わせて選択してもらうと良いでしょう。
血液検査には、下記のような項目があります。

血液学的検査:血液から白血球や赤血球、血小板などに異常がないかや、貧血の有無などを調べます。
生化学検査:肝臓や腎臓の機能、脂質のバランス、糖の代謝、栄養状態などの検査です。
感染症検査:ウイルス性の伝染病や寄生虫感染、また細菌培養検査などです。

 

 

尿検査・便検査

尿や便は健康診断当日に採取したものを持っていくのがベターです。
尿検査では尿結石や細菌の有無や腎臓の機能、便検査では消化器の状態や、寄生虫の有無もわかります。

 

レントゲン検査

基本は胸や腹部のレントゲンです。
心臓、肝臓、肺や気管などの内臓の大きさや形の異常、腎臓に結石がないかなどを確認できます。
そのほかには先天的な骨格異常や、関節の炎症や脊椎の異常、腫瘍性の変化がないかなども見ることができます。

 

超音波検査

超音波検査はレントゲン検査よりも細部にわたり、内臓内部の状態を確認することが可能です。
血液検査などで心配な症状が見られる場合や、高齢のワンちゃんに推奨される検査です。

 

MRI検査

MRIは電磁波で骨の内側にある臓器を調べる検査で、主に脳の異常を調べます。
検査には全身麻酔が必要で、一般的な健康診断には含まれませんが、必要に応じて受けると良いでしょう。

 

健康診断の費用

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健康診断にかかる費用は、行う検査項目の数や種類によって数千円~数万円と差があります。
また病院によっても料金が違いますが、統計では平均で14,000円程度です。

愛犬の年齢や体調などから、どの検査を受けた方がいいのか獣医さんにあらかじめ相談しておくといいですね。
その際に費用についても聞いておくと安心ですよ。

また、ほとんどのペット保険会社では、健康なペットに対しての健康診断は保険の適用にはなりません。
ただし健康診断で見つかった病気の治療費は、病気の内容によって保険適用になります。

 

健康診断の注意点

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ワンちゃんが健康診断を受ける時には、いくつか注意するべきことがあります。
どのようなことに気を付けておけば良いのでしょうか?

 

予約が必要

ワンちゃんが健康診断を受ける時は、ほとんどの動物病院では予約が必要になっているでしょう。
検査項目によっては長時間になることもあるので、事前に動物病院と相談して、どのような検査を受けるかも話し合っておく必要があります。

 

朝ご飯を抜いて行く

検査項目にもよりますが、胃の中に食べ物が入っていると、レントゲンや超音波検査が詳しくできないので、検査当日は朝ご飯を抜いて行くようにするのが通常です。

 

便や尿の持参

動物病院からの指示で便や尿を持参するように言われることがあります。
その場合は、できるだけ当日の朝に採取した便や尿を持参するようにしましょう。
病院によっても検査内容によっても、必要な場合と不要な場合があるので、予約時に確認しましょう。

 

まとめ

ワンちゃんは、飼い主さんに心配をかけまいと、体の不調を隠すことがあります。
飼い主さんのセルフチェックだけでは、病気を見落としてしまうこともあるかもしれません。

定期的に健康診断を行うことで、見落としがちな病気も早期発見することができます。
費用や時間もかかりますが、大切な愛犬が元気に長生きしてくれるように、ぜひ健康診断を受けてあげてください。

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