症状や周期は?ワンちゃんの生理を解説

症状や周期は?ワンちゃんの生理を解説

Woman changing diaper of her dog - estrus cycle concept

 
女の子のワンちゃんと暮らす飼い主さんの中には、生理や避妊手術について調べたことがあるという方も多いでしょう。

ワンちゃんの生理とはどういったものなのか、どのような点に注意したらよいのか、そして避妊手術の必要性など気になることも多いですよね。
また、女性特有の体の仕組みでおこる生理を、ワンちゃん自身はどのように感じているのでしょうか?

今回はワンちゃんの生理や避妊手術についてお伝えします。

 

ワンちゃんの生理とは?

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ワンちゃんの生理はヒートや発情出血とも呼ばれます。
子孫を残すための体作りとして起こる生理は、女の子のワンちゃんにとっては自然な現象です。

では、ワンちゃんの生理にはどのような症状や特徴があるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

 

生理はいつから始まる?

個体差はありますが、一般的に性成熟を迎える生後6ケ月から10ケ月くらいに生理が始まるとされています。
小型犬の方が比較的早熟で、生後5ケ月くらいで始まる場合が多く、大型犬の場合は少し遅く平均で10ケ月から16ケ月くらいで始まることが多いようです。

 

生理の症状は?

生理が始まる前から、陰部が膨らんでくる、乳房が膨らむといった症状が見られ、生理が始まると発情出血が起こります。
その他には落ち着きがなくなる、元気がなくなる、食欲不振などの変化も見られることが多いようです。
また、水を大量に飲んでしきりに排尿をしたり、ぬいぐるみにマウントをとるといった行為が見られる場合もあります。

人間の場合は50代くらいで閉経を迎えますが、ワンちゃんは避妊手術をしないかぎりは基本的に生涯続くものです。
しかしシニアになると周期が不規則になったり、出血量が減る傾向にあります。

 

出血による痛みはない

人間の生理は子宮や子宮内壁の血液の塊が剥がれ落ちることで生理痛を伴いますが、ワンちゃんの生理は子宮内膜の充血によるものなので、出血による痛みはありません。
しかし、ホルモンバランスが乱れることで、前述のように食欲不振や睡眠時間が長くなるなど、元気がなくなることがあります。

 

生理の周期や期間

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出血を伴うのは8日~3週間程度ですが、ワンちゃんの発情の周期は5~10ヵ月程度。
個体差はありますが、おおよそ年に1~2回の頻度です。

発情のサイクルは、発情が始まる「発情前期」、「発情期」、「発情休止期」、「無発情期」の4段階に分かれます。
ここではサイクルごとにどのような変化が起きるのか見ていきましょう。

 

発情前期

前期は生理の出血が始まってからだいたい7日から10日間程で、発情の準備段階です。
生殖器官の成育・維持する働きを持つエストロゲンというホルモンの分泌がおこり、外陰部の腫脹や充血、子宮内膜からの出血などの発情兆候が始まります。
また、性ホルモンが分泌され匂いで異性を引き付けるようになりますが、この段階ではまだ異性に交尾は許しません。

 

発情期

発情前期から徐々に発情期へ移行していきます。
個体差はありますが、発情期はだいだい7日から10日前後です。
発情期間開始後3日目で排卵が起こり、体が異性を受け入れる準備が整います。
また、徐々にエストロゲンの分泌量が減少していくとともに、発情期中期頃からは出血量が減っていきます。

 

発情休止期

発情休止期は発情出血が止まり交尾を許容しなくなる発情終期からの約2ケ月間を指します。
この間、子宮内膜に作用するプロゲストロンというホルモンが分泌されますが、妊娠した時もしなかった時も同様に分泌されるため、ホルモンの影響で乳腺が発達し乳汁がわずかに分泌されることもあるようです。

 

無発情期

発情休止期から次にくる発情前期までの期間を無発情期と言います。
卵巣などが繁殖に関する機能を休止している状態です。
無発情期の期間は個体差が大きく、4ケ月から8ケ月程度の差が見られます。

 

生理中の注意点は?

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生理による体の変化によって、ワンちゃんもさまざまな影響を受けます。
ここでは、ワンちゃんの生理時に注意したい点を紹介します。

 

食事での注意

生理中に食欲が落ちてしまうワンちゃんもいますが、少し残す程度であれば様子を見ましょう。
少しごはんを温めたり、普段のごはんに缶詰を混ぜてあげたりしてみても良いかもしれません。

普段の量を半分以上残す日が何日も続くようであれば、動物病院への相談をおすすめします。

 

ワンちゃんが集まるところに行かない

生理中は男の子のワンちゃんを引き付けてしまいます。
とくに未去勢の子は興奮しすぎることがあり、飛びつかれるなどのトラブルに発展する危険性も。
ドッグラン等ではヒート中のワンちゃんの利用を禁止しているところが多いように、愛犬の身を守るためにも、ワンちゃんが集まる場には行かないようにしましょう。

また、散歩中に出会ったワンちゃんを興奮させてしまうこともあるため、遭遇しにくい場所や時間帯を選んで散歩すると良いでしょう。
生理中あまり散歩に行きたがらないワンちゃんもいますが、そんな時は無理に散歩に連れて行く必要はありません。

 

同居のワンちゃんがいる場合

生理中のワンちゃんは神経質になったり、警戒心が強くなったりする場合もあるので、同居のワンちゃんがいる場合はいつも以上に気を配ってあげましょう。

普段は仲良しのワンちゃん同士でも、生理の期間中はケンカなどのトラブルになることもあります。
また、同居のワンちゃんが未去勢の男の子で妊娠を望まない場合は、部屋を完全に分けるなどの対策が必要です。

 

快適に過ごしてもらうためには

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ここまでに紹介したように、生理中のワンちゃんは体の状態が普段とは異なります。
ワンちゃんによって量の差はあれど出血を伴うため、愛犬が生理期間を快適に過ごすためには、飼い主さんの手助けが必要です。
私たちにどんなことができるのか、見ていきましょう。

 

オムツやサニタリーパンツの利用

小型犬は出血量が少なく、自分で舐めてきれいにする子もいます。
そのような場合にはとくに気にする必要はありませんが、出血量が多いワンちゃんの場合はオムツやサニタリーパンツの使用をおすすめします。
ただしオムツかぶれを引き起こすこともあるので、長時間付けたままにはせず、オムツを外す時間を作ってあげることも必要です。
また、陰部の周りの毛を短くカットしてあげると、ワンちゃんの体に汚れが付きにくくなります。
毛や皮膚が血で汚れてしまった時は、ぬるま湯で湿らせたガーゼやタオルで優しく拭いてあげましょう。

さらにワンちゃんが普段よくいる場所に洗い替えができるタオルやトイレシートを敷いてあげると、清潔を保つことができますよ。

 

過度なお出かけは控える

匂いで男の子のワンちゃんを惹きつけてしまうため、お出かけは控えましょう。
また、精神的にも不安定な時期のため遠出を控えるのはもちろん、ドッグランやドッグカフェなど大勢のワンちゃんが集まる場所へのお出かけも避けた方が無難です。
愛犬がトラブルに巻き込まれないためにも、飼い主さんがしっかり判断してあげてくださいね。

 

避妊手術を受けるメリット 

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避妊手術を受けさせるかどうか悩んでいる飼い主さんも多いでしょう。
手術自体は難しいものではありませんが、全身麻酔を使用するためリスクは生じるものです。

ですが、避妊手術をすることで予防できる病気もあることをご存知ですか?
ここでは避妊手術のメリットについてまとめました。

 

発情のストレスがなくなる

発情は子孫を残すための本能的な欲求です。
そのため、その欲求が満たされないことで強いストレスを受けるワンちゃんも多いようです。
避妊手術をするとストレスの原因となる発情自体が起きなくなります。

 

病気の予防

避妊手術は子宮と卵巣を摘出します。
そのため、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症といった避妊をしていないワンちゃんに多く見られる病気の予防に有効とされています。
なかでも発症率が非常に高い乳腺腫瘍は、初めての生理を迎える前に避妊手術をすることでさらに発症を抑えられるのです。
どちらの病気も中高齢での発症が多くワンちゃんの体力や体調によっては治療が難しい場合もあるため、体力のあるうちにできる予防として避妊手術を選択する方が多いようです。

 

まとめ

生理はワンちゃんの繁殖に必要不可欠なものですが、一方では望まない妊娠の原因にもなりえます。
飼い主さんがしっかりと知識を持って、愛犬に危険がないよう、そしてストレスがかからないよう日々の生活をサポートしてあげましょう。

愛犬の生理期の負担が大きいと感じたり、将来的な病気の予防を考える場合は、避妊を視野に入れるのも良いかもしれません。

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