定期的にちゃんと磨けていますか?ワンちゃんの歯磨きの仕方と頻度

定期的にちゃんと磨けていますか?ワンちゃんの歯磨きの仕方と頻度

 

皆さんはワンちゃんの健康維持のためにどんなことをしていますか?
じつは私たち人間と同じように、ワンちゃんも歯周病になってしまうと歯周病菌が全身にまわり、さまざまな病気のリスクを上げることが分かっています。

できれば毎日ケアをしたいところですが、口を触られることが苦手なワンちゃんも多く、愛犬の歯磨きに悩みを抱える飼い主さんの声もよく耳にします。

そこでこのコラムでは、ワンちゃんの歯磨きの頻度やコツについて見ていきましょう。

 

歯磨きは少なくとも週1~2回の頻度で

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罹りやすい口腔内の病気といえば歯周病が挙げられます。
歯周病は細菌が歯肉の腫れや出血を引き起こす病気。
症状が進めば、あごの骨が溶けて歯が抜ける危険性もあるので注意したいですね。
また、弱った歯肉の血管から細菌が侵入し体中を巡ると、心臓や腎臓、肝臓などの疾患リスクが高まるとも言われています。

そんな歯周病の原因となる歯垢を取り除くケアとして、最も効果が大きいと言われているのが歯磨きです。
歯垢とは、食べカスや口内で分解された糖をエサに繁殖した細菌のかたまりのこと。
この歯垢を放っておくと唾液に含まれるミネラルと結びつき、硬く石灰化し歯石となるのです。
とくにワンちゃんは口内がアルカリ性のため、私たち人間よりも速く、3~5日後には歯垢が歯石に変化してしまいます。
歯垢は歯磨きで除去できますが、歯石は簡単ではありません。
もし歯石をきれいにする場合には、動物病院で全身麻酔をして取り除く必要があるのです。

そのため、ワンちゃんの歯磨きは1日1~2回が理想です。
ですがなかなかそうもいかないため、少なくとも週2~3回の頻度で行うと効果的と言われています。

 

ワンちゃんの歯磨きの方法


 
ワンちゃんの多くが歯磨きが苦手です。
飼い主さんがいきなり歯磨きをしようとすると、嫌がって逃げたり、威嚇されてしまうことも。
そのためいきなり歯ブラシを口に入れるようなことはせず、ステップを踏んで徐々に慣れさせることで、スムーズに応じてくれるようになるでしょう。

 

ステップ1:口を触られることに慣れさせる

まずは、飼い主さんがワンちゃんの口元を触っても平気になるように、次の順番でだんだんと慣れてもらいましょう。

1.口元を触る
ワンちゃんがリラックスした状態で、顔を撫でてスキンシップをとりましょう。
その延長で口元を優しく触り、触らせてくれたらごほうびをあげます。

2.歯や歯肉を触る
口元を触ることに慣れてきたら、口をめくり指で歯や歯肉を触ります。
嫌がる様子がなければ、指に歯磨きジェルを塗って歯を触ってみましょう。

3.奥歯を触る
少しずつ奥歯の方へ指を動かします。
その時にワンちゃんの奥歯の形や歯並びも確認してみましょう。
歯の形や歯並びを把握しておくと、飼い主さんから歯が見えにくくても歯磨きがしやすくなります。

 

ステップ2:歯ブラシに慣れさせる

飼い主さんが歯や歯肉に触れることにワンちゃんが慣れてきたら、歯磨きグッズに慣れさせるステップへ移りましょう。

1.歯磨きシートで磨く
飼い主さんの指の感触が伝わりワンちゃんが怖がりにくいため、まずは歯磨きシートから始めましょう。
シートを指に巻き付け、前歯から奥歯に向かって軽く触れる程度の力でこすっていきます。

2.歯ブラシを見せる
次は歯ブラシに慣れさせましょう。
ワンちゃんの大好きなおやつと歯ブラシを一緒に握ってワンちゃんに見せます。
歯ブラシの方を見たらごほうびをあげてくださいね。

いずれもワンちゃんがリラックスできる時間や場所で行うことが大切です。
ごほうびを与えて、ワンちゃんにとって歯磨きは楽しい時間と認識してもらえるようにしましょう。

 

ステップ3:歯ブラシを使い歯磨きをする

ここまでステップを踏んだら、いよいよ犬用の歯ブラシと専用ジェルを使い、歯磨きに挑戦してみましょう。

人間用の歯ブラシは硬い感触のため、ワンちゃんが歯磨きを苦手になる要因になりやすいです。
また、人間用の歯磨き粉はワンちゃんが飲み込むと消化不良を起こしてしまいます。
中毒を引き起こすキシリトールを含むものも多いため、必ず犬用の歯磨きジェルを使ってください。

1.歯磨きの準備をする
鉛筆の持ち方の要領で、力が入らないように歯ブラシを軽く握ります。
歯磨きジェルにはチキン味やミルク味、フルーツ味など多彩なフレーバーがあるので、ワンちゃんが好きな風味を塗ってあげましょう。

2.歯の外側から磨く
歯ブラシは歯と歯茎の間に45度の角度で当てます。
前歯から奥歯に向かって優しく小刻みに動かして磨きましょう。

3.歯の内側を磨く
ワンちゃんの上あごを片手で優しく持ち、歯ブラシを持った手で下あごを押さえて内側を磨きます。
第4前臼歯と呼ばれる、犬歯の隣の小さな歯から4番目にある大きな歯は、歯石がつきやすい場所なので丁寧に磨きましょう。

初めのうちは、「歯磨き=楽しいこと」という認識を持ってもらえるように1か所の歯磨きを終えたら、ごほうびをあげるのがポイントです。

もし歯磨きを嫌がるようなら、今日は前歯だけ、明日は左側の歯だけというように分割してケアを行ってみましょう。
1~3日かけてすべての歯を磨き終えるイメージです。

なお、ワンちゃんは絶えず舌を動かして歯垢を取り除いているため、最初は磨きにくい歯の内側を省略しても問題ないでしょう。

 

歯磨きが苦手なワンちゃんへの対処法

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歯磨きが苦手なワンちゃんにはどのように対処していけばいいのでしょうか。
飼い主さんもワンちゃんとのスキンシップの一つと捉えて、焦らず練習していきましょう。

 

無理やり歯磨きをしない

ワンちゃんが歯磨きを嫌がった時は、無理やり続けたり、怒ったりしないようにしましょう。
歯磨きは怖いものだと認識してしまい、受け入れてくれなくなる場合があります。

その代わりに歯磨きを嫌がったら、ごほうびをあげないようにしましょう。
抵抗してもごほうびがもらえると思ってしまうので、上手にできた時だけあげるのがポイントです。

 

ワンちゃんが落ち着いている時間帯や場所を選ぶ

歯磨きはワンちゃんが落ち着いている時間帯に行うとうまくいくことが多いようです。
例えば、興奮しやすいワンちゃんは、お散歩やゲームなどをしてストレス解消した後をおすすめします。

また、ワンちゃんがリラックスできる場所を選んであげることも忘れずに。
ほかのワンちゃんや子どもが遊んでいる場所は避け、ゆったりとした気分で歯磨きができる環境で行いましょう。

 

便利グッズを使う

歯磨きが思うように進まない場合は、歯磨きガムや歯磨きおもちゃなどの便利グッズを使ってみてはいかがでしょうか。
補助的な方法にはなりますが、どちらも歯垢をつきにくくするため、歯磨き時間の短縮に役立ちます。

歯磨きを習慣化するには約1か月くらいかかると思っていいでしょう。
便利グッズも併用しながら、焦らずワンちゃんのペースに合わせてトレーニングしていきたいですね。

 

まとめ

ワンちゃんが歯磨き嫌いにならないよう、ステップを踏んでトレーニングする方法をお伝えしました。
歯磨きを習慣化して、ワンちゃんがいつまでも元気でいるための参考にしてくださいね。

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