愛犬が寝ている時に、ぴくぴくっと手や足が動いている様子をみたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
夢の中で散歩を楽しんでいるようで思わず顔がほころんでしまいますね。
しかしこの楽しそうな動きとは違い、体を震わせ焦点が合わず息苦しそうに見える「けいれん」を起こすことがあります。
そういった場面に遭遇した場合、どのようにしたら良いのか困惑してしまう飼い主さんもいるかと思います。
ワンちゃんのけいれんは原因によって、心配の少ない軽い症状から深刻な症状までさまざまです。
もし愛犬がけいれんを起こしてしまっても、原因や対処法が分かっていれば落ち着いて行動出来るでしょう。
また予防策を知っていればさらに安心です。
この記事では、けいれんを起こす原因や対処方法、あわせて予防策について解説していきます。
けいれんとはワンちゃんが怖いときや寒いときにする「震え」とは違い自身の意識がないことが多く、四肢を硬直させる強直性けいれんと、横になって手足をバタつかせるような動きをする間代性けいれんが、発作の代表的な症状です。
ワンちゃんのけいれん発作は、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。
ワンちゃんがけいれんを起こす原因の中で多く見られるのが、「てんかん」です。
てんかんの中でも「突発性てんかん」はけいれんを引き起こしますが、脳の中には腫瘍や炎症などの病変はなく、全身にもとくに異常がないにもかかわらず、けいれんの症状が起きてしまう病気です。
多くは遺伝性の病気で、比較的若い年齢のワンちゃんにも起こります。
突発性てんかんはどの犬種でも発症しますが、遺伝的要素が多い犬種としては、シベリアン・ハスキー、ゴールデン・レトリバー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シェットランド・シープドッグなどがあげられます。
また脳に腫瘍や炎症がある場合も、突発性てんかんと同じようにてんかんが起きてけいれんすることがあり、深刻な状態です。
どちらかと言えば、老犬によく見られることが多いです。
水頭症は脳の脊髄液の産生や循環に異常が起こり、脳内にたまり過ぎて脳圧が高くなる病気です。
水頭症にかかったワンちゃんは、その症状としてけいれんを起こすことがあります。
ワンちゃんがけいれんを起こす原因となる代表的な感染症に、「犬ジステンパーウイルス感染症」があります。
ウイルスに感染することで脳に異常を起こし、症状の一部としてけいれんを起こすことがあります。
けいれんを起こす原因として、中毒症状があげられます。
ワンちゃんが食べてはいけない食べ物や薬品などの有害物質を摂取することで中毒症状を引き起こし、けいれんが起きることがあります。
肝臓や腎臓の内臓の病気があると、体の中の老廃物を代謝・排出することができなくなり、それに伴ってけいれんが起きることがあります。
血糖値がなんらかの原因で急激に低下することで、ワンちゃんのけいれんを引き起こすことがあります。
とくに小型犬やパピーのワンちゃんによく見られます。
パピーのワンちゃんが半日ごはんを食べていないときなどに、血糖値が下がり症状が出ることがあります。
ワンちゃんがけいれんを起こすにはさまざまな原因があることがわかりましたが、実際に愛犬がけいれんを起こしてしまった場合に、飼い主さんはどのように対処すると良いのでしょうか?
ワンちゃんがけいれんを起こすと、飼い主さんは心配でワンちゃんに触りたくなりますが、けいれんを起こしてワンちゃんの意識がない状態のときに無理に触るのは危険です。
とくにワンちゃんの口周りなどに手を出すと、間違って噛まれてしまったり、思わぬ事故やケガにつながったりしてしまうため気をつけましょう。
ワンちゃんがけいれん中に物にぶつかってケガをしないように、周囲の物をどかし、安全な場所に気をつけて移動させます。
ワンちゃんの周りをクッションなどの柔らかい物で囲いましょう。
けいれんには、体が1~2回ほど軽く震える程度のものや、一時的に筋肉が硬直する軽度の症状までありますが、意識を失い何回もけいれんを起こすことや、よだれや尿失禁を伴う重度の症状まであります。
持続時間が1回あたり5分以上と長かったり、頻繁に症状を繰り返すと脳にダメージが起きたりすることがあるので危険です。
病院に報告するために、1回あたりのけいれんの持続時間を測っておきましょう。
ワンちゃんがけいれんを起こしたら、少し落ち着いた段階で必ず動物病院を受診しましょう。
けいれんが重篤な症状ならもちろん、軽度の症状でもその原因にどんな病気が隠れているのかわかりません。
動物病院で診察を受け、場合によっては検査などが必要になることもあります。
ワンちゃんがけいれんを起こすと飼い主さんは慌ててしまい、見ているのも辛いでしょう。
ワンちゃんがけいれんで辛い思いをしないように、何か予防策はあるのでしょうか?
ワンちゃんのけいれんの原因がてんかんの場合、何度もけいれんの発作を繰り返すことがあります。
てんかんと診断されたワンちゃんには、刺激やストレスが発作を誘引することがあるので、大きな音や強い光などの刺激を与えないように注意しましょう。
また抗てんかん薬を飲んでいるワンちゃんは、発作が起きていないからと飼い主さんの判断で投薬をやめることはしないようにしましょう。
ワンちゃんにとって中毒症状を引き起こす食べ物などを、飼い主さんが把握しておくようにしましょう。
例をあげると、玉ねぎやチョコレートなどはワンちゃんが食べると中毒症状を起こすことがわかっています。
ワンちゃんが食べると危険な食べ物を食べないようにすることや、農薬などがかかっている場所には近づかないようにするなどの配慮をすることで、ワンちゃんが中毒になるのを予防できます。
ワンちゃんがけいれん症状を起こす、犬ジステンパーウイルス感染症などの病気は、定期的にワクチン接種を行うことで防ぐことができます。
ワクチンを接種することで、病気と感染症によるけいれん発作の予防につながります。
突然ワンちゃんがけいれんを起こしてしまうと、飼い主さんの方が慌ててしまうことが多いですが、飼い主さんが落ち着いて対処することが大切です。
その後はタイミングを見て診察を受け、適切な治療やケアにつなげていきましょう。
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