皆さんは災害発生時にどのような行動をとるべきかご存じでしょうか。
地震大国とも言われる日本に住んでいる私たちは、万が一の場合にしっかり備えておかなくてはいけません。
しかし、介助犬と暮らすユーザーにとっては、有事の際に身を守る行動をとることは簡単ではありません。
そこで介助犬協会で行われた地震発生を想定した訓練について紹介します。
社会福祉法人日本介助犬協会は、手や足に障がいのある方の日常生活をサポートする約20頭の介助犬・訓練犬が生活する、愛知県長久手市の介助犬総合訓練センターで、新しく地震防災訓練が行われました。
これまで同センターでは年2回の消防訓練を行っていましたが、車椅子ユーザーを守るためには、また介助犬を守るためにはどういったことが求められるかをより具体的にするためシェイクアウト訓練を初めて取り入れました。
シェイクアウト訓練とは2008年にアメリカで始まった地震防災訓練で、地震が発生したことを想定しその直後の動作として、それぞれが命を守る安全確保行動が確実にとれるよう訓練するものです。
地震発生想定時に職場や学校、外出先などで、地震から身を守るための以下3つの安全行動を1分間実施します。
①姿勢を低くする
②頭を守る
③揺れが収まるまでじっとする
この安全行動を普段から身に付けておくことで、地震発生時にもすぐに行動することができるようになるとされています。
実施した介助犬総合訓練センターでは車椅子ユーザーなど障がいのある方が寝泊まりすることもあるため、万が一の時にユーザーも含めた想定で訓練を実施しました。
訓練当日、地震発生を知らせるアナウンスが流れると、職員などの参加者は事務所やホールではデスクなどの下にもぐり身の安全を守りました。
一方、デスクなどのない犬舎では、その場にうずくまり頭を守るように行動しました。
訓練後に行ったフィードバックでは、犬舎では物が落ちてきたり何かが倒れてきたりといった心配がない安全な環境が確保できていることが分かったほか、犬を連れての初期行動も適切にとれていたと評価されました。
しかしその一方で、車椅子ユーザーはデスクの下にもぐることが難しいという課題が見えてきました。
安全な場所に移動して頭を守る必要があるものの「すぐ移動できて実際に安全といえる場所」をとっさに判断できず、あらためて対策が必要とされています。
また、地震はいつどこで起こるか予測がつきにくいため、いざという時に慌てず安全な行動をとることがとても重要であることを再確認する機会にもなったと報告されました。
「天災は忘れた頃にやってくる」ともいいますが、災害はいつどこで、どのように私たちの生活に降りかかってくるか分かりません。
車椅子ユーザーやその他障がいのある方、そのパートナーである介助犬なども含め、もしもの時に身の安全を守ることができる仕組み作りは、社会全体として着手しなくてはいけない問題と言えるでしょう。
そして、私たち飼い主は愛犬・愛猫との生活における災害時の行動についても、考えておかなくてはいけません。
十分な防災意識を持ち、今ここで起きたらどうするか、考えてみるところから始めてみてください。
参考リンク
PRTIMES
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