知っておきたいワンちゃんと栄養の関係!ビタミンA編

知っておきたい!ワンちゃんと栄養「ビタミンA」編

young golden retriever sitting with a carrot in the snout

 
ワンちゃんも人間と同様に、生命活動を維持・調節するためには、さまざまな栄養素を必要とします。
この栄養素のバランスが崩れると、体調不調や病気を引き起こす原因となります。

肉食よりの雑食性を示すワンちゃんに必要な栄養素には、タンパク質をはじめ、ビタミン・ミネラルも欠かせません。
ワンちゃんにとって必要なビタミンの種類は多くありますが、今回は代表的な「ビタミンA」について解説します。

 

ワンちゃんにとってのビタミンAとは?

 
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ビタミンAはワンちゃんにとって必要な栄養素です。
ここでは、ワンちゃんの体にどのような働きをもたらすのかを見ていきましょう。

 

皮膚や粘膜を正常に保つ

ビタミンAはワンちゃんの表皮細胞の発育や、皮脂分泌を正常に保つために必要な栄養素で、被毛の健康にも役立ちます。

また、ワンちゃんの粘膜を強く丈夫にする働きもあり、鼻や口の中の粘膜はもちろん胃の粘膜、胆管など内臓の粘膜を保つためにもビタミンAが必要になります。

 

目の健康を守る

ビタミンAは、ワンちゃんの目の健康や視力を保つためにも必要な栄養素です。
ビタミンAが不足すると、夜盲症や目の角質化など目のトラブルにつながることがあるので、ビタミンAをしっかりと摂取したいですね。

 

抗酸化作用がある

ビタミンAには、体の酸化を防ぐ働きがあります。
体の細胞の酸化を防ぐことで、がんの予防にもつながります。

 

妊娠期のワンちゃんに役立つ

妊娠中のワンちゃんはビタミンAの要求量が増える一方で、尿中排泄量が増加するために血中濃度が低下してしまいます。
そのため妊娠中のワンちゃんの胎仔の胚の成長のためには、ビタミンAの補給が必要になります。

 

ビタミンAが含まれる代表的な食べ物

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ビタミンAは脂溶性ビタミンであり油に溶けやすい性質をもちます。
またビタミンAでは、植物由来のβーカロテン(プロビタミンAの1つ)と、動物由来のレチノール(ビタミンA₁)が有名です。
βーカロテンはレチノールのように、そのままではビタミンAとして利用することが出来ませんが、酵素によって変換されることでビタミンAとして吸収されます。

 

ニンジン

βーカロテンを多く含む、代表的な野菜です。
甘みもあり、好んで食べるワンちゃんも多いかと思います。
与える量の目安としては、体重3kgのワンちゃんで輪切り1枚程、体重10kgのワンちゃんで約3分の1本程です。

 

カボチャ

カボチャもまた、βーカロテンが多く含まれる野菜です。
そのほかにもビタミンBも多く含まれており、比較的ワンちゃんが好む食材でもありますが、カロリーも高いため食べ過ぎは肥満の元になるので、与え過ぎないように気をつけましょう。

1日のカロリーの20%くらいを上限として、目安の量は体重が3kgのワンちゃんで約25g、体重10kgのワンちゃんで約60g程です。

 

レバー

レバーには動物由来であるレチノールが多く含まれます。
レチノールは非常に高い効力がありますが、βーカロテンのように過剰分が排泄されずに体内に蓄積するため、与え方には注意が必要です。

1日に与える量の目安として、体重3kgのワンちゃんで約10g、体重10kgのワンちゃんで約15g程です。

 

適切な摂取量

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ワンちゃんには必須のビタミンAですが、どのような栄養素も与え過ぎるとかえって悪影響をもたらします。
適切な摂取量を把握しておきましょう。

ワンちゃんのビタミンA摂取量は、ワンちゃんの年齢や運動量、健康状態によっても異なります。

ペットフードの栄養素の基準となるAAFCO(米国飼料検査官協会)が定めているビタミンAの摂取量については、子犬・成犬時ともに、5,000~250,000IU/kgが目安とされています。

 

注意点はあるの?

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ビタミンAをワンちゃんに与えるにあたって、ワンちゃんの体に及ぼす影響など注意しなければいけない点もあります。

 

過剰摂取による中毒症状

ワンちゃんに動物由来のレチノールを習慣的に過剰に与え過ぎると、中毒症状が現れることがあります。

中毒症状としては、嘔吐や肝機能の低下、関節痛などですが、ビタミンAの摂取を中止すると、比較的早く回復していきます。

しかし、急性のビタミンA中毒症の場合は症状が強く出ると共に、ときには命に関わることもあるので注意が必要です。

 

欠乏症

逆にビタミンAが不足し過ぎると、目の疾患・皮膚疾患・繁殖障害などが現れます。
同時に肺疾患や感染症などを併発することも多くあるので、適切な摂取量を守りましょう。

 

まとめ

ビタミンAを含むワンちゃんに必要な栄養素は、欠乏しても過剰に摂り過ぎても体の不調の原因になります。

日々、バランスのとれた食事を与えることも大切ですが、「ビタミン不足かも?」と思う症状がワンちゃんに現れた場合には、自分の判断だけで対処せずに、動物病院などで診てもらうようにしましょう。

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