ワンちゃんは飼い主の好みを理解している?動物行動学の研究結果【ニュース】

ワンちゃんは飼い主の好みを理解している?動物行動学の研究結果【ニュース】

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ワンちゃんと暮らしていると「この子はこれが好きなんだな」「これは嫌いなのね」と好みのを把握できるようになりますよね。

では、反対にワンちゃん達は飼い主さんの好き嫌いを理解しているのでしょうか。
家族のことを理解しているようにも見えるけれど、実際のところはどうなのか、気になりますよね。

そんな飼い主さんの思いを科学的に検証した、ユニークな研究結果が報告されました。

 

ハンガリーの動物行動学研究チームが実験

研究を行ったのは、ハンガリーのEotovos Lorand大学(ELTE)の動物行動学研究を行う、Eniko Kubinyi氏が率いるチーム。

これまでにも犬の行動について研究してきたKubinyi氏によると、以前の実験では似通った2つの物を用意し、飼い主がひとつには嬉しそうな表情をし、もうひとつにはあからさまな嫌悪感を現し「とってきて」のコマンドを出すと、ワンちゃんは前者を持ってくることが確認されていました。

しかし、この実験で対象物とした物はワンちゃんがあまり興味をひかれないものであり、さらに飼い主の元へ持って行くとご褒美にオヤツをもらえる方法をとっていたため、飼い主の好みを優先しやすい条件となっていました。

そこで今回は、ワンちゃんが興味を持つ物とそうでない物を用意し、ご褒美はなしという条件で改めて実験を行いました。

 

自分の好みと飼い主の好みどっちを優先?

実験に参加したのは、小型犬から大型犬までの一般家庭で飼われている51匹のワンちゃんと飼い主。

まず、被験者である51匹にドーナツ型をした犬用のオモチャと、アクセサリーのブレスレットの2つが見せられました。同じくらいのサイズ、同じようなかたちをした2つですが「どちらが好き?」と提示してみせると、51匹みんなが犬用オモチャを選びました。

次に飼い主が、オモチャに「嫌い」という感情を、ブレスレットに「大好き」という感情を、言葉や表情、ジェスチャーを使って愛犬にわかりやすく示します。

そしてその両方を前方に投げ、「とってきて」のコマンドを出したところ、すべてのワンちゃんがオモチャを飼い主の元へ持ってきました。

研究者たちは、ワンちゃん自身が興味を持つオモチャよりも、飼い主が「大好き」という感情を見せたブレスレットを持ってくると予想していたため、意外な結果となりました。

 

見つめる時間を計測

先ほどのテストでは、ワンちゃんは飼い主の好みと自分の好みを区別し、理解しているという結果を証明することはできませんでした。
この結果をふまえ、研究チームはさらにもうひとつのテストを実施。

51匹を2つのグループに分け、Aグループには先ほどと同じように飼い主がオモチャに「嫌い」という感情を、ブレスレットには「大好き」という感情を示します。
一方、Bグループでは反対に、オモチャに「大好き」という感情を、ブレスレットには「嫌い」の感情を示しました。

そして、ワンちゃんに選んで持ってきてもらうのではなく、手の届かない場所におかれたオモチャとブレスレットをそれぞれ見つめる時間を計測しました。

すると、Aグループのワンちゃんはオモチャを長く見つめる傾向があることが分かりました。
これに対し、Bグループでは、2つの物を見つめている時間がほぼ同じであるという結果が確認されたのです。

 

行動は抑制できないけれど飼い主の好みには敏感?

これらの結果から、ワンちゃんは飼い主の好みを完全に理解していると言い切ることはできないものの、飼い主の示す感情に敏感であることは間違いなく、そのことを立証する研究結果になりました。

対象物が手の届く範囲にある場合には、やっぱり自分の好きな物を優先してしまうけれど、そうでない場合には「飼い主はこっちが好きみたい」と見つめてしまうなんて、ワンちゃんらしいですよね。

こういったワンちゃんの行動に関する研究は、私たち飼い主にとっても興味深いものですね。
愛犬の行動ひとつひとつにどのような感情や考えがあるのか、想像するとより絆が深まるかもしれません。

 

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