猫はあまり表情での感情表現をしない生き物ですが、愛猫と飼い主さんとの信頼関係が築けていれば、意思疎通はできるものですよね。
彼らは表情だけでなく、声やしっぽなどのボディランゲージを使って、気持ちを伝えてくれます。
ですが、猫は痛みを隠してしまう生き物でもあります。
もし、私たちが愛猫の「痛み」のサインやその度合いをもっと簡単に知ることができれば、病気や怪我にいち早く気付き、すぐに適切な処置を受けさせてあげることができるかもしれません。
そんな病気の早期発見にも役立つ、猫の痛みの度合いを表情から認識する新しいツールがカナダで開発されました!
猫が痛みを感じているかを知るための方法は、これまでにも行動評価をベースにしたものが考案されていました。
ですが、その精度や得られる情報には限界があり、猫の痛みに対するケアは、難しいことが多いというのが現状です。
しかし、カナダにあるモントリオール大学の研究チームによると、しかめている顔の度合いで、痛みを感じているかどうかをスムーズに測定できるツール“Feline Grimace Scale”の開発が発表されました。
さらにこのツールは猫の表情から、猫が感じている痛みをより的確に知ることにも役立つということが分かっています。
今回の研究発表は、猫の痛みを人間が正しく理解し、ケアしていく上で大きな進歩になると考えられています。
研究チームは、何かしらの理由で痛みを感じている猫と健康な猫との表情を調査しました。
具体的には耳や鼻、ひげ、まぶた、頭の位置の変化を詳細に記録し、比較します。
比較をすることで、猫が痛みを感じたときに出る耳を折り返したり、目を閉じたりといった特有の動きを確認できます。
その動きの違いをスコア化し、さらに猫の痛みの度合いによる変化も観察しました。
実際に痛みを伴っている猫に鎮痛剤を与えて、痛みが減少しているだろうと思われるときに、Feline Grimace Scaleで測定すると、スコアが低くなることが確認されるなど、この指標の信頼性が高いことを担保する実験データが得られとのことです。
これまで動物の痛みを評価する指標にはさまざまな種類がありましたが、猫に特化したものはありませんでした。
そのため、“Feline Grimace Scale”の有用性が認められた今回の研究結果は、猫の痛みを評価する指標としては初のものになるとみられています。
このツールは、さまざまな猫種に適用することができ、医療ケアの実施時などに「鎮痛治療が適切に行えているか」「猫が苦しんでいないか」といった確認をしながら、対処できるようになる画期的ツールとして期待されています。
こうした研究が広く活用され、ネコちゃんに適切な医療を施してあげることができるようになるといいですね。
参考リンク📝
PHYS.ORG
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