赤ちゃんから大人への成長につれて、食事の内容や回数が変わる人間と同様に、ワンちゃんもパピーから成犬になる過程で食事の内容や回数を見直さなくてはなりません。
パピーはもちろん、パピー期を終えたばかりのワンちゃんと一緒に暮らしている飼い主さんの中には「愛犬の食事を、今後どう変えたらいいかわからない」「この方法で合っているのかな?」といった不安を抱えている方も多いと思います。
そこで今回は、成犬の食事の内容や回数についてご紹介します。
いつから成犬になるのか、という判断は、ワンちゃんの成犬時の体の大きさによって異なってきます。
ワンちゃんの成犬時の体の大きさによって、成犬となる月齢は次のようになります。
品種 | 月齢 |
---|---|
超小型 | 約8ヵ月 |
小型 | 約10ヵ月 |
中型 | 約12ヵ月 |
大型 | 約15ヵ月 |
超大型 | 18〜24ヵ月 |
ワンちゃんはわずか数か月から1年の間に、成犬の体に成長します。
私たち人間と比べるとあっという間ですね。
パピー期には成犬時のおよそ2~3倍のエネルギーを食事で摂らなくてはいけません。
そのため、パピー時に与えていた食事の内容や回数を成犬になってからも続けてしまうと、カロリーオーバーとなってしまうのです。
飼い主さんは愛犬がどの月齢で成犬となり、食事の切り替えが必要となるのか把握しておきましょう。
成犬の場合、1日の食事の回数は2回が適しているとされています。
ただ、食が細いワンちゃんや、1回の食事であまり量を食べられない場合には、食事回数を増やすのもいいでしょう。
また、「摂取するカロリーの合計が一緒であれば、1日1回でもいいのでは?」と考える飼い主さんもいるかもしれません。
ですが、1日1回の食事では、食事の間隔があきすぎてしまうため、空腹で早食いになってしまったり、一度に多くの量を消化しなくてはならず、胃などの消化器官に負担がかかりすぎてしまいます。
そのため、愛犬の食事回数が1日2回未満にならないように、飼い主さん自身の日常生活リズムも整えていくことも大切です。
愛犬が成犬になる時期になったからといって、与えている食事を急にすべて成犬用の食事に切り替えてしまうと、愛犬の体に負担をかけてしまうことになります。
切り替える期間を7〜14日間ほど設け、今まで与えていた食事と新しい食事を9:1、8:2といったように、新しい食事の割合を少しずつ増やしながら与えていきましょう。
また、ドライフードからセミウェットやウェットフードに切り替える場合は、10~14日ほどかけて慣らしていきましょう。
それぞれに含まれる水分量や1回に与える量が大きく異なるため、短い期間で切り替えると、食事で摂れる水分に満足してしまい飲水量が減ってしまったり、逆に食事でも水分を摂っているのに飲水量が変わらないことで、お腹の調子に影響がでてしまうこともあります。
徐々に食事を切り替えてあげれば、ワンちゃんは摂取すべき水分量を自ら調節できるようになります。
パピーから成犬への食事の切り替えは、新しいドッグフードがどういったタイプのものなのかも考慮して、慎重に進めていきましょう。
成犬の場合、六大栄養素をバランスよく摂取することが重要になってきます。
・水
・タンパク質
・脂質
・炭水化物
・ビタミン
・ミネラル
それぞれの栄養素について簡単に説明します。
人間と同じようにワンちゃんの体も多くの水分でできています。
体内の水分が15%失われると命に影響すると考えられるため、健康的に過ごしていくためにはなくてはならないものです。
また、食事と一緒に水分を摂ることで、消化吸収がスムーズに行われます。
あまり消化が得意ではないワンちゃんの場合、ウェットフードを取り入れたり、お肉の茹で汁や犬用ミルクなどを足してあげるといいでしょう。
ただ水の硬度によっては、ワンちゃんの体調が崩れてしまうこともあるため、注意が必要です。
タンパク質は、筋肉や骨、皮膚など、体の組織を生成する働きを持つ重要な栄養素です。
タンパク質は20種類以上のアミノ酸によって作られています。
その中には、ワンちゃんの体内では生成できないアミノ酸もあるため、食事でタンパク質を摂る必要があります。
ワンちゃんにとって脂質は、食欲を増進させ、ビタミンの吸収を助ける役割があります。他にもエネルギーの源となったり、脳を活性化させたりする働きも。
ただ、脂質の摂取が多いと、肥満に繋がりやすいので、摂取量には十分注意しましょう。
エネルギーを維持するために欠かせない炭水化物。
炭水化物は糖質、繊維質の2つに分類され、糖質はエネルギー、繊維質は胃腸の機能を刺激し体の代謝を促すといった役割があります。
ビタミンは、ワンちゃんの体の調子を整えるために必要な成分です。大きく“水溶性ビタミン”と“脂溶性ビタミン”の2つに分類され、代表的なものは全部で13種類あります。
体の成長を助けたり、糖質をエネルギーに変えたりと、ビタミンごとに役割が異なります。
ミネラル自体が1つの栄養素ではなく、100種類以上の栄養素の総称で、分類される栄養素はカルシウムやリン、マグネシウム、カリウムなどです。
ビタミン同様、ミネラルごとに働きや役割が異なるため「愛犬にどういった効果が必要なのか」を把握してから、その効果を得られるミネラルは何か調べてみましょう。
ご紹介した六大栄養素の中で、成犬に与えるタンパク質・脂質・炭水化物の摂取バランスの理想は、“3:1:1”とされています。
しかし、総合栄養食と書かれたドッグフードを与えている場合は、特にバランスについて意識しなくても問題ありません。
足りない栄養素がある場合は、サプリメントや足りない栄養素を含む食材で補ってみましょう。
今回はパピーから成犬への食事の切り替えや、成犬に必要な栄養素についてご紹介しました。
パピー期や成犬時に偏った食事を続けてしまうと、シニア期になってから体に影響が出てしまうこともあります。
いつまでも元気にいてもらうために、どんな時もワンちゃんの食事管理には気を配っていきたいですよね。
食事の量や切り替えの時期については、ワンちゃんの食への興味や年齢、体調などによって調整が必要なので、今回ご紹介した内容をもとにご愛犬にベストな食事を考えてあげてくださいね。
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