温かい天ぷら蕎麦や夏場の冷たいざる蕎麦、おいしいですよね。
しかし、美味しい蕎麦を食べたくてもアレルギーがあるために食べられない人もいます。
蕎麦アレルギーのある人が、蕎麦を食べると重篤な症状になりえるため、注意が必要な食べ物でもあるのです。
そんな蕎麦ですが、ワンちゃんは食べても大丈夫なのでしょうか?
今回はワンちゃんに蕎麦を与えても大丈夫か、また、与え方や与える際のポイントなどを解説します。
蕎麦にはワンちゃんにとって危険な成分が入っていないため、健康な成犬であれば、蕎麦を食べても問題ありません。
蕎麦はお米やうどんなどに比べるとカロリーが低い割に、すぐれた栄養素が含まれています。
人ではかなりの割合で見られる蕎麦アレルギーも、ワンちゃんではまれに現れる程度なんだとか。
ただし、愛犬の体質を確認するために、最初は注意して与えるようにしましょう。
蕎麦に含まれる栄養素は下記の通りです。
・食物繊維
蕎麦の植物繊維はお米の倍以上。
消化の促進にすぐれた作用をもっており、便秘のワンちゃんにぴったりです。
・ビタミンB1およびB2
ビタミンB1は、疲労回復を促し、食欲不振の緩和にも役立ちます。
ビタミンB2は皮膚や粘膜や免疫の抵抗性を高めます。
・ルチン
ルチンには、毛細血管を強くする働きがあります。
また、弾力がなくなり、破れやすくなった血管を修復して血液の流れをスムーズにする作用や、血圧降下作用なども。
このためルチンには「脳卒中」「高血圧」「動脈硬化」「コレステロールの抑制」など生活習慣病の予防に効果があるのです。
ビタミンCの吸収を促す働きもあります。
蕎麦と同様に、蕎麦湯や蕎麦茶はワンちゃんに飲ませても大丈夫。
蕎麦から流れ出た栄養素が豊富に含まれた蕎麦湯や蕎麦茶を、水分補給にワンちゃんに与えるのもよいでしょう。
蕎麦にはたくさんの栄養素が含まれていることがわかりましたが、ワンちゃんに蕎麦を与えることには、どんなメリットがあるのでしょうか?
目的別に詳しく見ていきましょう。
蕎麦には植物繊維が豊富に含まれています。
そのため、便秘気味のワンちゃんに適量の蕎麦を与えることで、腸の動きが促進されて便が出やすくなるという効果があります。
栄養素がたっぷりと流れ出た蕎麦湯を水分補給として与えるとさらに効果があります。
ただし、あげすぎてしまうと下痢になってしまう可能性も。
量を調節しながら適量をあげるように気を付けましょう。
蕎麦には良質なタンパク質が豊富に含まれているため、体内では作れない必須アミノ酸もたっぷり。
必須アミノ酸には、発育に欠かせない成分とスタミナ源になる成分も含まれているため、滋養強壮アップ効果が期待できます。
蕎麦に含まれるビタミンB1・B2も、ワンちゃんの体にメリットがある成分です。
ビタミンB1 は神経細胞に、ビタミンB2は細胞の再生効果があるため疲労回復につながります。
運動量の多いワンちゃんに、運動後に水運補給として蕎麦湯や蕎麦茶を与えると非常に効果的です。
この時、蕎麦湯や蕎麦茶はしっかりと冷やしてあげましょう。
蕎麦にはポリフェノールの一種であるルチンが含まれています。
ルチンは抗酸化の効果がある成分で老化防止に最適な成分です。
体が酸化すると、疲れやすくなったり体の機能が衰えるのですが、ルチンはそんな体の酸化を阻止してくれる成分。
そのほかにもルチンには、毛細血管を強くする効果もあり、血液の循環がよくなります。
蕎麦には様々な栄養素と健康効果があります。
しかし、初めて食べるというワンちゃんがほとんどなのではないでしょうか?
普段食べているワンちゃんの食事とは違う食べ物を与えることになるので、正しい与え方を事前に知っておきましょう。
はじめてワンちゃんに蕎麦を与えるときは、アレルギー反応の有無と、愛犬のお腹が蕎麦を受け付けるかを見る必要があります。
よって、まずは少量から与えてみましょう。
1日にワンちゃんに与える蕎麦の適量は、3kgほどの超小型犬で20g。10㎏の小型犬で60g。25㎏の中型犬で150g。30㎏の大型犬で180gというのが、目安になります。
はじめて与えるときは上記の量の4分の1~3分の1程度を与えるようにし、食後もしばらく愛犬の様子に注意しましょう。
ワンちゃんに蕎麦を与えるときは、人間が食べるように塩や蕎麦つゆなどで味付けをするのはやめましょう。
高血圧や肥満の原因になります。
また、ネギ等の薬味は、ワンちゃんには中毒症状が起こる食材なので絶対にNGです。
飼い主さんの食べる蕎麦を少し分けてあげるという時は、蕎麦が茹であがった際に愛犬の分は別にしておくと良いですね。
消化しやすいよう、ワンちゃんにはよく茹でて柔らかくした蕎麦を与えましょう。
茹でた蕎麦は火傷しないようにしっかり冷まして、さらに食べやすいように細かくカットしてあげてください。
パピーは消化器官が発達していないので、蕎麦は与えないほうが安心です。
ワンちゃんに蕎麦をあげる場合は、1歳を過ぎてから与えるようにしましょう。
人では蕎麦アレルギーが多く見られますが、蕎麦アレルギーをもつワンちゃんはまれだと言われています。
しかしやはり個体差があり、少数ではありますがアレルギー反応を起こすワンちゃんもいます。
はじめてワンちゃんに蕎麦を与えるときは、アレルギーの有無を必ずチェックするようにしましょう。
蕎麦アレルギーは、蕎麦の種子に含まれるタンパク質成分に反応して起こります。
もともと、植物やタンパク質などのアレルギーを持つワンちゃんには蕎麦を与えないほうがよいでしょう。
また、蕎麦粉以外に小麦粉を使用した二八蕎麦などでは、小麦粉アレルギーを起こすワンちゃんがいます。
ワンちゃんは蕎麦アレルギーよりも小麦粉アレルギーを持つ子が多いので注意が必要です。
蕎麦を与えるときは、成分表を必ずチェックして小麦粉の入っていない十割蕎麦を与えるようにしましょう。
いずれにしても、最初は慎重に少量から与え、アレルギー症状が現れないかどうか確認してください。
ワンちゃんが蕎麦や小麦粉に対してアレルギーを発症してしまったときは、どのような症状が現れるのでしょうか。
しっかりと把握しておき、もしもの時にはすぐに対応できるようにしましょう。
湿疹やかゆみ:特に目や口の周りに湿疹やかゆみが起こることが多いです。
嘔吐や下痢:アレルギー反応を引き起こす食物を体外に排出するために、嘔吐の症状が現れます。
吐いてしまえばその後嘔吐は止まる可能性が高いですが、念のため獣医師さんに見てもらった方が良いでしょう。
また、アレルギー物質を体内に入れたために、胃腸が弱って下痢をすることがあります。
下痢が長引いたり、水様便が出たときも動物病院を受診しましょう。
喘息:苦しそうな咳をしているときは、注意が必要。
アレルギー性喘息が重度になると、呼吸困難を起こすこともあるので、すぐに動物病院を受診しましょう。
栄養素が豊富に含まれる蕎麦を上手に食生活に取り入れると、ワンちゃんの健康によい影響を与えることができそうですね。
しかしどのような食材でも、最初は慎重に与えて、愛犬の体質に合うかどうかをきちんと確認しなければなりません。
1年の締めくくりに、美味しい年越し蕎麦を愛犬と一緒に楽しむことができると嬉しいですね。
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