体を動かしながら四季折々の自然を体中で感じられる登山。
その魅力ゆえに昨今、人気が高まってきています。
とくにワンちゃんと暮らす飼い主さんの中には、愛犬との登山にチャレンジしたいという方も多いでしょう。
登山はワンちゃんにとっても運動になるだけでなく、自然の中に身を置くことでさまざまな刺激を受けたり、ストレス解消にもなりますね。
ですが登山にはマナー順守が欠かせません。
とくに愛犬を山に連れて行く際、知識不足によるマナー違反をしないようにしましょう。
また、慣れない山道で愛犬が迷子になるなんて事態も避けなくてはいけません。
今回は、ワンちゃんとの登山を楽しむための注意点やマナーを紹介します。
基本的に、ワンちゃんと一緒に登山することは禁止されていません。
ただし、野生動物や野生植物保護のために、国立・国定公園となっている山ではワンちゃん連れの登山を禁止にしているところもあります。
登山を計画される際には、ワンちゃん入山禁止ではないかを事前に確認するようにしましょう。
また、愛犬と一緒に登れる場所だからといって、登山に向かない子を連れて行くのは危険です。
愛犬の年齢や体力、性格を考慮して登山に連れて行くかどうかを判断してください。
登山をする際は飼主さん自身はもちろん、愛犬に無理のない山を選び、また気温や天候も考慮した行程を組みましょう。
とくに多くの運動量を必要としない小型犬や膝蓋骨脱臼しやすい犬種の子は、起伏の少ないなだらかな登山コースを選んでください。
ケーブルカーに愛犬も一緒に乗れたり、うんち箱が設置されていたりしているなど、ペットフレンドリーな山もあるので探してみると良いですね。
山ではほかの登山者への配慮を欠かしてはいけません。
中にはワンちゃんが苦手な人や、犬アレルギーを持つ人もいるでしょう。
とくに狭い登山道では、注意が必要です。
人とすれ違う際にはリードを短く持って立ち止まり、相手と反対側に愛犬を避けさせたり抱っこするなどして気を配りましょう。
また、生態系へ影響を与えないよう配慮することも大切です。
ワンちゃんのうんちを放置することにより、環境に悪影響を及ぼすという説もありますので、必ず処理をして山に残さないようにしましょう。
登山前にワンちゃんの体に付いた種子などが山中に落ち、山の生態系に悪影響を及ぼすこともあるので、体に種子が付いていないかチェックしたりブラッシングしてから入山すると良いでしょう。
各地で登山客の事故や遭難のニュースがあるように、登山にはさまざまなリスクが発生することもあります。
愛犬を連れて行くということは、飼い主さんがワンちゃんの危険も回避してあげなくてはいけません。
ここでは愛犬と登山を楽しむ上で知っておくべき注意事項や持ち物を紹介します。
山中の野生動植物の生活圏には、ワンちゃんにとって非常に危険なものがあります。
それは、キツネやタヌキ、ネズミ等の野生動物が保有している可能性がある「病原性レプトスピラ」や「エキノコックス」、そしてノミやマダニです。
登山をする数週間前には必ず混合ワクチンの接種をしておき、動物の死骸や水溜まりには近づけさせないよう注意しましょう。
また、舐めるだけで神経麻痺を起こしたり中毒症状を起こしたりする植物やキノコ類などが生えていることがあります。
舐めたり食べたりしてしまわないようにしつけをしておくことはもちろん、常に愛犬に気を配りましょう。
登る山やコースによって異なりますが、必要最低限の装備品を挙げてみました。
登山準備の参考にしてくださいね。
・ハーネスとリード
・消臭、除菌効果の高いうんち袋
・飲み水(多めに)
・虫除け
・スリングや犬用リュックサック(怪我や歩けなくなった際に利用)
・おやつや非常食
・犬用の救急セット(ピンセットや目薬なども)
・迷子札(マイクロチップとの併用がおすすめ)
・犬用の靴(足場が悪い山道を歩かせる場合)
・レインコート
大自然に足を踏み入れると、大喜びしてはしゃいでしまうワンちゃんも多いでしょう。
興味を持った物に対して突き進んだり、大きな音に驚いて迷子になってしまうこともあります。
山を登っているときは常にリードをしっかり持ち、愛犬の動向にも注意を払いましょう。
また愛犬の様子をよく観察し疲れているようなら休憩をとり、無理をさせてはいけません。
暑い季節は熱中症になる危険性も高まるため、少しでも体調が悪いと感じたときは無理せず下山の判断を。
ワンちゃんは言葉が話せないので、無理をさせてしまうと命の危険に陥る可能性もあります。
愛犬のペースに合わせる登山を心がけ、山頂にたどり着くことにこだわりすぎないようにしましょう。
ワンちゃんを連れての登山は自分自身だけの時よりも、準備や配慮が求められます。
しっかりとマナーを守り、愛犬の身の安全を守ってくださいね。
愛犬と一緒なら尚更楽しく、愛犬もまた自然の中でいつもと違う喜びの姿を見せてくれるかも知れません。
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