ワンちゃんが脱走した時の対処法と防止策

どの子にも起こりうる?脱走させないためにできること

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SNSの迷子投稿や、動物病院に貼られた迷子ポスターを目にしたことはありませんか?

もしも大切な家族である愛犬が脱走してしまったら。
そう考えるだけで恐ろしいですよね。
探しても見つからない可能性もあれば、見つかっても怪我をしているという事例も多くあります。

「うちの子は大丈夫」と思っていても、予期せぬトラブルでワンちゃんがパニック状態になって脱走することもあるため、普段からしっかりと対策を講じなければいけません。

今回は脱走を未然に防ぐ対策や、脱走してしまった時の対処法について解説します。

 

ワンちゃんが脱走する理由


 
なぜワンちゃんが脱走をしてしまうのか、その心理や行動について把握しておくと防止に繋がります。
さまざまな理由が考えられますが、なかでも多く見られるものを以下に挙げてみましょう。

 

好奇心

飼い主さんがドアや窓を開けた瞬間に飛び出してしまったり、散歩中に突然引っ張られた時にリードを離してしまい走り去ってしまうケースがあります。
これは外界への興味からくるもので、好奇心や冒険心旺盛な性格や若いワンちゃんに見られることが多いようです。

 

興奮

散歩中や庭で遊んでいる時などに、よそのワンちゃんや車の音などに興奮して脱走してしまうこともあります。
興奮してしまうと飼い主さんの静止が耳に届かず、無我夢中で追いかけてしまうのです。

 

遊びの一環

逃げたワンちゃんを、飼い主さんが大慌てで追いかけたり大声を出したりしたことで、ワンちゃんが飼い主さんが追いかけっこをして遊んでくれていると勘違いして、ますます大事に発展してしまうことがあります。

この場合ワンちゃんは飼い主さんとの遊び感覚として、わざと逃げて行きます。

 

本能によるもの

ワンちゃんは、本能的な理由で脱走する場合もあります。
例えば未去勢の男の子の場合、発情期の女の子のフェロモンに興奮してリードを離れて追いかけて行ってしまったり、家から脱走して女の子の家まで行ってしまったりなどです。

そのほかには、鳥や小動物を見かけた時に狩猟本能が刺激されて、突発的に獲物を追いかけるような心理状態から脱走してしまうことも。

 

ストレス

狭いゲージで過ごす時間が多いワンちゃんや、散歩が不充分なワンちゃんは、運動不足のストレスから脱走を試みることがあります。
また、工事による騒音や引っ越したばかりで新しい家に慣れない、家族構成の変化といった環境の変化によるストレスが原因になることも。

 

パニック

雷や花火による大きな音や地震など突然のことに驚きパニックを起こし脱走するワンちゃんも少なくありません。
とくに臆病で怖がりのワンちゃんは、そのリスクが高まります。

 

脱走されやすいシーン

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脱走させないようにするには、まずどんな場面がリスクが高いのかを把握しなくてはいけません。
ここでは、脱走が起こりやすい場所やシーンを紹介します。

 

玄関や窓の開閉時

来客時や家族の帰宅時など、玄関のドアを開けた途端にワンちゃんが飛び出してしまうケースは多いです。
飼い主さんの不注意でドアが半開きのままになっていて、ワンちゃんが出ていってしまうことも。
また、大きな地震が起きた際には、揺れによって窓が開いてしまい逃げ出すこともあります。

 

庭をノーリードで遊ばせている時

庭で放っている時に、フェンスの隙間などから脱走してしまうこともあります。
運動が得意なワンちゃんはフェンスを飛び越えたり、フェンスの下に抜け穴を掘ってしまうこともあり、私たちが思っている以上に対策が欠かせません。

 

車の乗降時

車に乗せる時や降ろす時に、飼い主さんの手をすり抜けて脱走に繋がることも。
また、開けたままにした窓から逃げてしまうケースもあります。

 

散歩中

散歩している最中に、大きな音に驚いたり、鳥などを追いかけたりして、そのまま逃げて行ってしまうことがあります。
しっかり首輪やハーネスをしていても、ワンちゃんが引っ張ることで抜けてしまうことも。

 

脱走の防止方法

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脱走は、事故に遭いケガをしたり、最悪の場合には命を落としてしまうリスクもあります。
大切な愛犬がそのような事態にならないよう、飼い主さんは日頃から対策をしっかりしておかなくてはいけません。

迷子だけでなく遺棄等も含まれますが、国内では年に22,000頭ものワンちゃんが所有者不明で保健所などに収容されます。
その内飼い主さんの元に帰れたのはわずか8,000頭ほど。

「うちの子は大丈夫」と考えず、自分事として取り組みましょう。

 

飼育環境や生活習慣を見直す

まずは自宅や庭の飼育環境や生活習慣を見直しましょう。

玄関のドアを開ける時には、ワンちゃんをクレートに入れる、もしくは扉を隔てた部屋から出られないようにします。
また、網戸は破られたり外れてしまうこともあるため、掃き出し窓は開けっぱなしにしないようにしましょう。

庭にノーリードでワンちゃんを遊ばせる場合には、あらかじめフェンスや門扉に不備がないか、脱走できてしまう隙間や通路がないかを確認する習慣を付けてください。
また、遊ばせている間はできるだけ目を離さないようにしましょう。

 

使用前に首輪やリードの状態を確認

当たり前のことながら、ノーリードでの散歩は脱走のリスクがかなり大きいため避けましょう。
ですがせっかく首輪やリードを装着しても、金具部分が緩んでいたり、サイズが合っていないことで外れてしまうことがあります。
とくに胴体に装着するハーネスは、サイズが緩いとワンちゃんが後ずさりをした時に抜けてしまうケースが多いため、しっかりと体に合ったサイズを選んだり長さを調整が欠かせません。

 

マイクロチップや鑑札などの装着

飼い主さんには、市町村から交付される鑑札と狂犬病の注射済票を愛犬に装着することが義務付けられています。
鑑札にある番号には飼い主さんの情報が登録されているため、脱走後に保護された際に連絡がつきやすくなるので必ず装着をしましょう。

しかし、首輪が抜けた状態で脱走したり、脱走中に首輪が外れてしまうこともあります。
あらかじめマイクロチップを埋め込んでおくと、鑑札同様に飼い主さんの情報が分かり、保護された時にすぐに連絡が入るでしょう。

2022年6月より、愛犬へのマイクロチップの装着は義務、もしくは努力義務化されています。
万が一の時を考え、予め装着しておきましょう。

 

リードを離さない

散歩中、何かに反応したワンちゃんが突然引っ張ったり、走り出すことがあります。
そんな時に飼い主さんがしっかりリードを掴んでいれば、脱走を防げます。
散歩中は歩きスマホはせず、しっかりとリードを掴み愛犬の動向に注意を払いましょう。
また、排泄物の処理をしている時や、傘をさしている時に油断しやすいため注意が必要です。
引っ張り癖のあるワンちゃんの場合は、肩からかけるタイプや腰に回るタイプのリードを検討しましょう。

 

普段からのしつけ

リードを付けていない状態で玄関ドアには近づいてはいけない、散歩中に急に走り出してはいけないといったしつけを普段からしておくことも重要です。
また、「待て」「おいで」といったコマンドや、呼び戻しを覚えさせるのもとても有効。
万が一脱走してしまった時に呼び戻しができれば、すぐに事なきを得るでしょう。
こういったコマンドを覚えさせると、脱走以外の場面でも興奮状態を落ち着かせることができます。

 

脱走してもワンちゃんは戻ってくる?

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日頃から対策をしていても、ふとした拍子にワンちゃんが脱走してしまうこともあるでしょう。
「ワンちゃんには帰巣本能がある」と考える方もいるかもしれませんが、室内飼育が一般的になった現代においてはそうではないようです。

ここでは、ケース別に戻ってくる可能性について解説します。

 

姿が見えている場合

何かの拍子でワンちゃんが離れて行ってしまったとしても、飼い主さんの目の届く範囲にいる時は、帰ってくる確率が高いです。

姿が見えるからといって無理に追いかけることはせず、名前を呼んだりおやつやおもちゃで気を引いたりすると、戻ってくる確率がアップします。
散歩バッグには愛犬お気に入りのおやつやおもちゃを入れておきましょう。

また、性格にもよりますが、ワンちゃんが飼い主さんに注目している時に、わざと来た道を戻るような仕草をすると、慌てて戻ってくる子も中にはいるようです。

 

近所での脱走

ワンちゃんが脱走して見失ってしまった時でも、まだそれほど遠くに行っていない場合は、飼い主さんのいる場所や自宅まで自力で帰ってくる確率は比較的高いと言えます。

 

知らない場所での脱走

ドライブや旅行、帰省中など自宅から離れた場所での脱走の場合、自力で帰ってくる確率はぐんと下がってしまいます。
見知らぬ場所でパニック状態に陥り、ひたすら走って遠方まで移動してしまうことも。
出先では特に注意が必要です。

 

脱走した時の対処法

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不幸にも愛犬が脱走してしまいすぐに帰ってこない時に、飼い主さんがまず取らなければならない行動を解説します。

 

保健所・動物愛護センターへの連絡

まずは、迷子のワンちゃんを保護してくれる可能性がある施設へ連絡を入れます。
保健所の管轄は厚生労働省のサイトで確認しましょう。

動物管理センターの所在地は都道府県によって異なるので、住んでいる地域のセンターに連絡すると同時に、ワンちゃんの移動距離が伸びた時のことも考えて、近隣の市町村のセンターにも問い合わせておきましょう。

 

警察への連絡

誰かがワンちゃんを保護してくれた場合は、まず警察に迷子犬として届けを出すことも多いので、近隣の警察にも連絡しておきましょう。
愛犬の外見や特徴を正確に伝えられるよう印刷した写真を渡し、連絡先も忘れずに伝えます。

 

動物病院への連絡

脱走中にけがをしたり事故にあったりした場合に、保護されて動物病院に預けられるケースもあります。
脱走地点から近隣の動物病院へも連絡してみましょう。
その際は自分の連絡先を伝えて、もし該当があれば連絡をもらえるようにしておきます。

 

チラシの配布

脱走したワンちゃんは、脱走した周辺と行きそうな場所で名前を呼びながら探すのが効果的です。
愛犬の写真や特徴を書いたチラシを作成して、道を通る人に配ったり、人目につきやすい動物病院やスーパーなどの掲示板に掲示をお願いしましょう。
また、ワンちゃんを飼っている人が協力してくれることも多いので、散歩中の人に呼びかけるのもおすすめです。

 

ネットでの情報収集

近年は迷子のワンちゃん情報を募る掲示板やウェブサイトがいくつか運営されています。
愛犬が脱走してしまった場合にはすぐに迷子犬の登録をしておきましょう。
また、SNSで「#拡散希望」「#迷い犬」「#迷子犬」といったハッシュタグを活用して情報の拡散を呼びかけるのも有効です。

 

まとめ

ワンちゃんを脱走させないためには、日頃からワンちゃんの飼育環境、性格や心理状態に気を配ることがとても重要なことです。
大切な愛犬が迷子にならないよう、また万が一迷子になってしまっても慌てないように、今回紹介した対策方法などを参考にしてみてください。

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