ワンちゃんが穴掘りをする姿を目にしたことはありませんか?
散歩中や庭といった屋外だけでなく、ベッドやソファに穴を掘るような行動をとるワンちゃんもよくいまよね。
ではどうしてワンちゃんは穴掘りを繰り返すのでしょうか?
今回はワンちゃんが穴掘りをする理由や、対処法を紹介します。
屋外では泥だらけになってしまったり室内では家具を傷つけてしまうため、飼い主さんとしては困った行動に感じるかもしれませんが、じつはワンちゃんの穴掘りにはさまざまな理由が隠されているのです。
ここではその一部を紹介します。
ワンちゃんが寝る前にクッションやベッドをホリホリする行動はよく見られるものでしょう。
これはワンちゃんが本能的に行うものです。
イヌ科の動物はもともと巣穴を掘って生活していました。
そのためワンちゃんは寝床をホリホリして、巣穴を整えているつもりになっているのです。
しかし寝床の穴掘り行動ばかりを続けて寝ようとしない場合は、寝床に不満がある場合も。
寝床が固すぎたり柔らかすぎたり、あるいは敷物の素材が気に入らないのかもしれません。
もしくは環境が寒かったり暑かったりして、落ち着けない可能性もあります。
おやつをあげてもすぐには食べず、自分のベッドなどにおやつを隠したり、中には本当に庭に穴を掘っておやつを隠すワンちゃんがいます。
これは群れでシカなどの大きな獲物を狩った時に、食べきれない分を土に埋めて隠していた習性の名残です。
野生ではいつでも餌にありつけるわけではないので、土に残った食料を埋めて蓄えていたのです。
ワンちゃんはこの習性から、冷たくなったり腐ったりした肉などでも食べてしまうことがあります。
ちなみにネコ科の動物は、狩りをしたらすぐに食べる習性のため温かい食べ物を好むと言われています。
ワンちゃんはハンティングとして穴を掘り行動をすることもあります。
とくにテリア系や、ダックスフンドなどの小動物を追う狩猟犬として活躍していた犬種によく見られます。
土の中から獲物や生き物の匂いがすると、本能的なスイッチが入ってハンティングのつもりで穴掘りをしてしまうのです。
さらに掘っているうちに楽しくなって、習慣になってしまうこともあるようです。
ワンちゃんの生活環境が満たされていなかったり、運動不足などでストレスを感じたりしている時にも穴掘り行動が見られることがあります。
ソファが破れるほど執着して穴掘りをする時などは、ワンちゃんがなんらかのストレスを感じているのかもしれません。
爪から血が出るほどに執拗に穴を掘り続けたり、1日に何度も長時間掘り続けたりして明らかにおかしい時は病気の可能性があるので注意が必要です。
退屈で飼い主さんに構ってほしくて、穴掘り行動をするワンちゃんもいます。
中には飼い主さんが穴掘りを叱ると、構ってもらっていると思ってわざと穴を掘るようになる子もいるため、対応は慎重にしましょう。
室内飼育の場合には、あまりこのような理由で穴を掘るワンちゃんは少ないのですが、夏の暑い日にワンちゃんは土に穴を掘って、体を冷やそうとすることがあります。
また、冬の冷たい風から体を守るために、穴を掘ることもあります。
土は深く掘れば掘るほど湿気が含まれていて、そこに体を横たえると冷たく感じて気持ちが良いのでしょう。
もし外飼いのワンちゃんなどが穴を掘って体を入れていたら、暑さや寒さを感じている可能性が高いです。
紹介したようにワンちゃんの穴掘りには、さまざまな感情や理由が隠されています。
ですが家具を破壊されたり、庭の花壇を荒らされてしまったりと、場所や状況によってはその行動で飼い主さんが困ってしまうこともありますよね。
では、どのように対処すれば良いのでしょうか?
花壇などの触れてほしくない場所でワンちゃんが穴を掘る場合は、思う存分穴掘りができるスペースを作ってあげましょう。
ワンちゃんが遊びで穴を掘るのは本能からくるものなので、叱っても仕方がありません。
ワンちゃんが穴掘りをしてもかまわない場所におもちゃを埋め、掘り返したら褒めてあげてください。
同じ場所で繰り返し行うことで、その場所で穴を掘ると楽しいことがあると学習させることができます。
愛犬が寝床で穴掘り行動をする場合、寝床を整えてすぐに落ち着くようであれば気にすることはないでしょう。
ですが一方で、いつまでも穴掘りを続けて寝ない場合や、整えた場所から移動してしまう時はワンちゃんの寝床スペースの環境の見直しが必要かもしれません。
敷物が季節に応じたものであるか、お気に入りの毛布があるかなど、ワンちゃんが快適になるような環境を提供してあげましょう。
もともと狩りをしてきた祖先を持つワンちゃんの穴掘り行動は、本能によるものがほとんどです。
そのため完全にやめさせることは難しいですが、普段の遊びにワンちゃんの狩猟本能を刺激する遊びを取り入れると、困った場所で穴掘りをすることを軽減できる可能性があります。
おもちゃを隠してワンちゃんに探させる遊びや、動くおもちゃをワンちゃんに追いかけさせる遊びなどは狩猟本能を刺激できます。
中には穴を掘るように力を入れると、音が鳴るクッションなども市販されていますよ。
また散歩中に地面の匂いをゆっくり嗅がせてあげることで、満足することもあります。
ワンちゃんの穴掘りにあまり困ることがない場合は、無理にやめさせる必要はありません。
本能的な行動なので、叱ってやめさせるとかえってワンちゃんにストレスがたまってしまいます。
できるだけ叱らず一緒に遊んだり散歩に連れ出すなどして、興味を別のものに向けられるようにしましょう。
ストレスが原因の場合は、飼い主さんとのコミュニケーンを増やしたり、遊ぶ時間を増やしてあげることで軽減することもあります。
シニアのワンちゃんが急に穴掘り行動を始めた時は、不安障害や認知症などの病気が隠れていることもあるので注意が必要です。
そのほかには一点を見つめて長時間一心不乱に掘り続けたり、話しかけても穴掘りをやめなかったりなど異常な穴掘り行動は常同障害などの病気からくることも考えられるので、そのような場合には動物病院に相談してみましょう。
ワンちゃんが穴掘りをしている姿はとても楽しそうに見えますが、一方で部屋や庭をぐちゃぐちゃにしてしまうため困っている飼い主さんも多いでしょう。
ですがそのほとんどが本能によるものなので、基本的には温かく見守ってあげてください。
大切なのはワンちゃんが穴掘りをする理由を見極めたうえで、飼い主さんが適切な対応をしてあげることです。
この記事はいかがでしたか?みんなにシェアしていただけると嬉しいです♪
ブッチ・ジャパンによる愛犬・愛猫との毎日を応援するペットのためのコラムページ『PECOLA(ペコラ)』。犬・猫に関する豆知識や、ペットの健康・しつけなどのお悩みに関する情報をご紹介します。