病気の可能性も?愛犬の目が充血する原因とは

病気の可能性も?愛犬の目が充血する原因とは

 
ワンちゃんのチャームポイントのひとつである大きな目。
そんな愛犬のかわいい目が、赤くなっていたら驚いてしまいますよね。

そのまま様子を見て回復することもありますが、原因が病気であれば早く獣医師さんに診てもらう必要があります。
そこで今回は、ワンちゃんの目が赤い原因や充血を症状に持つ病気について解説します。

 

目が赤い原因として考えられること

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ワンちゃんの目が赤い原因には充血と出血が考えられます。
充血と出血には、どのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの症状について見ていきましょう。

 

充血している

充血とは、普段は細く目立たない血管が、何らかの理由で血流量が増えて膨らみ目立つようになり、目の表面が赤く見えることをさします。
また、眼圧が上がって血流が悪くなることで発生することも。

充血を起こす原因には、外的刺激や心理的要因、炎症、病気などが考えられます。
刺激とはシャンプーや虫、砂などの異物が目に入る、枝やとげが目に刺さる、おもちゃがぶつかった衝撃など。
心理的要因とはワンちゃんが怒ったり喜んだりして興奮状態になる、動物病院やトリミングなどへ行って緊張する場面で見られます。

 

出血している

出血とは目の中の血管が破れ、血液が流れ出して溜まっている状態のことで、目全体が赤くなります。
また、目のまわりをケガして血が目の中に入ることも。
出血を起こす原因には、散歩中の交通事故の衝撃やほかのワンちゃんとのケンカ、炎症や腫瘍、緑内障、全身性高血圧が挙げられます。
なかには失明のリスクがある病気もあるため、出血が見られたらすぐに動物病院を受診しましょう。

 

目の充血に関連する病気

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目の出血は経験なくても、充血したことのある人は多いでしょう。
「充血ならよくあること」と思われるかもしれませんが、外的刺激や心理的要因のように時間が経てば治まる一時的な反応もある一方で、病気の症状が現れていることも考えられます。

目の中のどこが充血しているかに分けて、罹患の可能性がある病気を見ていきましょう。

 

白目が赤くなる病気

白目の表面や内部が赤くなる主な病気は以下のとおりです。

①結膜炎
結膜炎は子犬をはじめ成犬やシニア犬にもよく見られる病気。
細菌やウイルス、寄生虫による感染やアレルギー、目の乾燥、異物などを原因とします。
一般的には、片目だけが赤い時は異物、両目が赤い時は感染症が疑われることが多いようです。
充血の他に、目ヤニや涙が出る、まぶたの腫れといった症状が見られます。

②角膜炎
角膜は目の中央部分にある透明な円状の組織で、本来は血管がありません。
しかし、角膜が傷つくと周辺の血管が充血を起こすほか、角膜の部分に血管が入り込んで充血することがあります。

角膜炎は感染症のほか異物の侵入や外傷などを原因として発症し、目ヤニや涙、目のツヤが消えるなどの症状が見られ、炎症がひどくなると失明に至る場合も。

③緑内障
緑内障は目の眼圧が高くなることで視神経に影響を与え、視覚障害を起こし失明する場合もある病気です。

眼圧は眼房水が出入りして一定に維持されていますが、緑内障に罹患すると眼圧の調節が上手くできなくなり目が充血します。
緑内障の症状には目の痛みや眩しそうな様子、物にぶつかるなどがあり、7~8歳ごろのワンちゃんがかかりやすい病気です。

④白内障
シニアに多い白内障は、水晶体のタンパク質が変質によって炎症や高眼圧を引き起こし、目の充血が起こります。
初期にはほとんど症状が見られませんが、病状が進むと物にぶつかることが増え、目が白くなり水晶体の硬化などが見られ、罹患に気が付くことが多いようです。

白内障は加齢や遺伝、外傷、糖尿病などで発症します。
また、ぶどう膜炎を併発していると傷みが出て重症化することも。

⑤水晶体脱臼
水晶体脱臼は水晶体の変形が見られ、周囲にあるチン小帯が伸びたり切れたりして水晶体が元の位置から外れます。
主な原因は外傷のほか緑内障やぶどう膜炎、白内障などがあり、症状は眩しそうな様子や目の白濁などです。

 

黒目が赤くなる病気

黒目の表面や内部が赤くなる主な病気は以下の通りです。

①網膜剥離
網膜剥離は、物を見る役割を果たす網膜が目の内側から剥がれてしまう病気です。
早期に治療をしないと視力の低下や失明のリスクがありますが、初期は痛みがなく気付きにくいので注意が必要です。

②ぶどう膜炎
ぶどう膜炎はぶどう膜(毛様体・脈絡膜・虹彩)が炎症を起こし、失明の恐れもある病気です。

ぶどう膜炎の原因には白内障だけではなく、糖尿病や高血圧など目以外の病気も考えられるので、目だけでない体全体の健診も受けた方がいいでしょう。
症状には目をショボショボさせる・涙が多い・瞳孔が小さくなるなどがあり、片目だけに現れる場合と両目に見られる場合があります。

③眼内腫瘍
眼内腫瘍は目の中に腫瘍ができてしまう病気です。
症状は目の充血に加えて、眩しそうな様子や目が白く濁るなどが挙げられます。

④異所性睫毛
異所性睫毛は「逆さまつ毛」といわれ、通常は外向きに生えるまつ毛が内向きに生え、目に入ってきます。
目に入ってくるまつ毛の部分をカットすると、目への刺激がとり除けるので、動物病院やトリミングサロンに相談しましょう。

 

瞬膜の炎症

白目や黒目ではなく、目頭に赤い粘膜のようなものが見える場合には、瞬膜(しゅんまく)が飛び出している可能性も考えられます。
人間には上下のまぶたがありますが、ワンちゃんには第3のまぶたとも言われる瞬膜が備わっており、目に異物が入ることを防ぎ保護する役割を担っています。

瞬膜に炎症が起きる病気は以下の通りです。

①チェリーアイ
通常、瞬膜は目頭の内側に隠れていますが、瞬膜腺と骨の結合が緩んでしまうことで目頭から飛び出してしまう状態をチェリーアイといいます。

瞬膜が赤く炎症を起こしたり、瞬膜が飛び出ることで目が赤く充血することもあり、通常の充血と間違いやすい病気です。

チェリーアイの原因ははっきりとしていませんが、アメリカンコッカースパニエル、ブルドック、ボストンテリア、バセットハウンドといった犬種に多く見られます。

 

目が充血していたらどう対処する?

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最後にワンちゃんの目が充血したとしても慌てずに適切な対応ができるよう、対処法を確認しておきましょう。
愛犬の目に出血が見られる場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
一方で目の充血については、一時的な症状である場合もあります。
充血した際の対応について、以下を参考にしてください。

 

動物病院を受診

半日ほど経過しても目の充血が改善されない場合や、以下の症状が見られる時はワンちゃんを動物病院へ連れていきましょう。
ワンちゃんが目に痛みや違和感がある様子を素早く察知して、重症化を防ぎましょう。

動物病院へ行くべきワンちゃんの症状

嘔吐
元気がない
涙を流す
目ヤニが出る
目がショボショボしている
目を閉じている

 

 

目をこすらせないようにする

目に違和感を感じていると、ワンちゃんが前足で目を擦ったり、目を床に擦り付けるといった行動をとることがあります。
充血の原因が目の中に異物が入っている場合、そういった行動で眼球を傷つけ悪化させてしまうことも。

まずはワンちゃんを抱っこしたり寝かしつけるなどして、目に注意を向かせないようにしましょう。
目を気にする場合には、タオルを巻いたり、エリザベスカラーをつけて行動を制限しましょう。

症状緩和のために目薬を使用したくなりますが、自己判断で目薬を使うのはおすすめできません。
人間用の目薬や、あなたの愛犬の症状に合わない犬用の目薬には刺激物が含まれていることがあり、かえって状態を悪化させる可能性があります。

 

少し様子を見る

興奮や緊張によって充血した時は、そのまま様子を見ましょう。
一次的な充血は、ワンちゃんに目の痛みや違和感がないため、普段と変わらない姿が見られます。

 

まとめ

愛犬の目が充血した際に考えられるさまざまな原因や関連する病気、そして適切な対処法についてお伝えしました。

目の充血は、単なる軽い炎症から深刻な眼疾患まで、幅広い問題を示す可能性があります。

愛犬の健康と快適な生活のために、目の健康管理にも十分な注意を払いましょう。

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