融雪剤に気を付けて!愛犬が雪を食べてしまうのはなぜ

融雪剤に気を付けて!愛犬が雪を食べてしまうのはなぜ

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冬、降り積もった雪を口に入れたり、楽しそうに遊んでいるワンちゃんを見ると、思わず微笑んでしまいますよね。

しかし、雪は愛犬にとって安全なのかどうか心配になることもあるのではないでしょうか。
今回は、ワンちゃんが雪を食べるのはどうしてか、また、雪に対する注意点を詳しく解説していきます。

 

ワンちゃんが雪を食べるのはなぜ?

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ワンちゃんのルーツは、北国の厳しい寒さの環境を生き抜いてきたオオカミです。
オオカミにとって溶けた雪を口にすることは、水分を補う手段。
よって、ワンちゃんが雪を食べる行動は、喉の渇きを癒す本能的な行動が基づいているという説もあるんだとか。
時折見せる雪中に顔を突っ込む行動は、獲物を捕らえようとする狩猟本能が働いているのかもしれません。

ワンちゃんが雪を食べる理由はほかにもあり、主に以下の3点が考えられます。

ワンちゃんが雪を食べる理由

冷たい雪に楽しさを感じている
好奇心がかき立てられている
雪の存在に興奮している

 

ワンちゃんがなぜ雪を好きなのかは、厳密にはわかっていません。

祖先であるオオカミが、寒い冬に体を動かして体温の維持を図り、免疫力の低下を防いできた経緯から、ワンちゃんが雪を見てはしゃいでしまうのは、遺伝子的な影響なのかもしれないという可能性は大いに考えられます。

また、ワンちゃんは普段と違う環境や変化を好む動物。
その証拠に、寒い地域に暮らすワンちゃんは、雪を見てもあまり興奮しないそうです。
普段はめったに見られない珍しい雪景色だからこそ、興奮するのでしょう。

また、雪を好むワンちゃんの特徴として、寒さに対する耐性があげられます。
主に、中型犬以上に大きいサイズのワンちゃんや、寒い国が原産のワンちゃんが当てはまる特徴です。
逆に、寒さに弱いシングルコートのワンちゃんや小型犬は、雪への好奇心よりも寒さを嫌がる気持ちが強く働き、外に出たがらない傾向があります。

ワンちゃんが雪を好きになるのは、寒さに対する耐性や暮らす環境などが関係していると言えるでしょう。

 

ワンちゃんは雪を食べても問題ない?

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ワンちゃんが雪を食べることに問題はありませんが、なるべく食べない方がよいという考えが推奨されています。
その主な理由は次の危険性が考えられるためです。

 

お腹をこわす

ワンちゃんが一度に大量の雪を食べると、お腹を冷やして下痢や嘔吐を起こしがち。
人間にとってはわずかな量に見えても、体が小さいワンちゃんには雪の量が多すぎることがあります。

体内に入った冷たい雪を溶かすために、ワンちゃんの体温が消費されることによって、胃腸に大きな負担をかけてしまうでしょう。
とくに小型犬は、雪遊びや散歩の時に雪を口にしないよう、飼い主さんが気を付けてあげてください。

 

異物まで食べてしまう

雪は真っ白い見た目から、純粋な水でできていると思われがち。
しかし、実際は一見確認できない異物が混入しているものです。
具体的には、以下のものが混ざっている可能性があります。

雪に混入している異物の例

小石や砂
チリやゴミ
PM2.5
排気ガス
ほかの動物の排泄物
タバコ

 

愛犬が雪を食べた後に、嘔吐や食欲の低下が見られた時には、誤って雪に隠れていた異物を飲み込んでしまった可能性があります。
その際にはすぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

また、雪は時間の経過とともに汚れていきます。
積もったばかりの真っ白い雪を少しだけ食べた程度では体調を崩す可能性は低いものの、車の排気ガスやゴミなどで黒く汚れた雪を食べることはNG!

雪は思っている以上に汚れているため、ワンちゃんが食べないように飼い主さんが見守ってあげましょう。

 

融雪剤や凍結防止剤が含まれている可能性に注意

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路面が凍結した際、人の転倒や車のスリップを防ぐために、融雪剤や凍結防止剤が歩道や車道に撒かれることがあります。

これらは雪の上にまかれることもあるため、ワンちゃんの口に入ってしまう危険性が!

ここからはワンちゃんが融雪剤や凍結防止剤が含まれた雪を食べた場合に与える影響を解説します。

 

融雪剤や凍結防止剤が含まれた雪の危険性

融雪剤や凍結防止剤は製品によって成分が異なるものの、以下の成分を含んでいることが多いです。

①塩化カルシウム
塩化カルシウムは愛犬が摂取すると、中毒を起こす可能性があるもの。

ワンちゃんが融雪剤や凍結防止剤の混ざっている雪を口にした際、次の症状を発症することがあります。

塩化カルシウムを摂取した場合の症状

過剰なよだれ
嚥下障害
下痢
嘔吐
潰瘍

 

塩化カルシウムはワンちゃんにとって、摂取量次第では中毒を引き起こしてしまう可能性のある物質です。
また、この成分がワンちゃんの足の裏や皮膚につくと、赤くなったり皮膚がただれてしまう可能性があり、注意が必要です。

②塩化ナトリウム
塩化ナトリウムはざっくりというと食塩のことを示し、少し舐めたくらいでは問題にはなりません。
しかし、摂りすぎてしまうと高ナトリウム血症を起こすきっかけとなり、以下の症状が現れることがあります。

塩化ナトリウムを摂取した場合の症状

意識の混濁
けいれん
嘔吐
呼吸の異常

 

融雪剤は早く雪や氷を解かすために、多めの量がまかれていることがよくあります。
ワンちゃんにとって、過剰な食塩の摂取は健康を害する毒となってしまうので、少しぐらいならと油断は禁物です。

 

融雪剤や凍結防止剤の摂取を防ぐには

ワンちゃんには融雪剤や凍結防止剤が混ざっている雪の危険性が分かりません。
よって、飼い主さんが愛犬の散歩時に注意してあげることが必須です。
愛犬の健康の為に、冬季の散歩では以下の点を心がけましょう。

冬季の散歩の注意点

薬剤が撒かれているところは避ける
雪や水たまりを避けて通る
飲み水を用意して雪を食べないようにする
足裏に付着しないよう靴や靴下を履く

 

融雪剤や凍結防止剤には粒状のものが多く、冬季の路上で白い粒が見られたら薬剤がまかれているサインです。
そのような場所では、飼い主さんがワンちゃんを抱えるか、通ることを避けるようにしましょう。

ワンちゃんの足裏に薬剤が付着するとただれを起こす可能性があるほか、散歩後に足裏を舐めてしまうと融雪剤や凍結防止剤の摂取につながります。
できるだけ靴を履かせるようにし、身につけるのを嫌がる場合は散歩後にワンちゃんの足をぬるま湯で洗って薬剤を落としてください。

雪を誤って食べた場合や、飼い主さんが知らない間に摂取し、下痢や嘔吐などのいつもと違う様子がある場合は、早めに獣医師さんに診てもらってくださいね。
その際には、お散歩時の道の様子なども伝えられるとよいでしょう。

 

まとめ

ワンちゃんが雪を食べてしまう理由や食べたことによって体調不良を起こす原因などについてお伝えしました。

基本的には雪を食べても問題ありませんが、ワンちゃんの食べる量が多いと体調不良につながります。
雪は、さまざまな汚れが付着し衛生的ではない上に、融雪剤や凍結防止剤が含まれていることもあります。

ワンちゃんが間違って雪を食べないよう飼い主さんは見守ってあげてくださいね。

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